なんか転移したのでチート能力で頑張ります。

山下 昇

第21話 驚愕の事実

そんなこんなで、俺達は街へと帰ってきた。しかし、相変わらず人が居なくてすっからかんな状況である。
そんなことを考えていたら、巨漢の男がこう言ってきた。
「そろそろ、自己紹介といかないか?…やっと落ち着いたことだし。」
と今さら必要なのか分からないことを聞いてきた。
なので俺は心で思っていることそのままに、
「もう、必要ないんじゃないか?当面は来ないだろ。」
と俺は言った。
「いや多分だが、連中はしつこい。まだ人員を割いてくるだろうし、それに…」
と何かいいたそうな顔をしてこちらを見ていた。
どうした、と俺は思いながら不思議そうな顔を俺はその巨漢の男に向けた。

すると、とんでもないことを言ってきた。
「お前、この世界の奴じゃないだろ。…俺と同じ匂いがする。」
と言ってきた。
俺はすぐに身構えて戦闘体制に入ったが、
「ん?同じ匂いってどういうことだ?」
と思い返して俺は聞いた。
すると、彼はまたまたとんでもないことを言ってきた。
「いや、実は俺は結構前に、この世界に飛ばされてきてだな。なんとか、色々貰えたから今はこうして生活出来ているんだが…」
…へぇ?俺と同じ境遇だと?
正直、驚きだった。
流石に俺もこの世界に飛ばされたとは言え、同じく異世界に飛ばされた同士に会うなど確率がすごすぎる。
だからこそ俺は確認しなくてはいけない、あの神に飛ばされてきたのかを。
「すまん、飛ばされた時にそこにモザイク掛かってた神様みたいな奴居なかったか?」
すると、彼はそうそう!みたいな勢いでこう言ってきた。
「あぁ、居たさ。何か凄いイラついた記憶があるな。」
と懐かしむようにそう答えてきた。
これはもしかしたらビンゴなのか?
「実は俺もそんな神にこの世界に飛ばされたんだよ。」
と話した。
すると、彼はマジか!みたいな顔でこちらを見つめてきた。

こうして俺達は意気投合したのであった。

そんな中で自然に自己紹介もしてしまい。
「俺は…もう知っていると思うが、新垣真琴だ。宜しく。」
「俺は荒神進あらがみすすむだ。こちらこそ宜しく頼む。」
とこんな感じで、仲良くなったのであった。
ちなみに俺と同じ年齢だった。その事もこうして、仲良くなっている要因の一つなのかも知れない。
正直、こんなに気があう人は珍しいな。そう思ったのであった。

この後、俺達はもう昼になっていたので、適当に話をしながら食べ歩きをしていた。
何とかいつもお世話になっている店はあったのでそこで買ってからだ。

そんなこんなで、色々と話していると進がこんな事を言ってきた。
「今さらだがお前の名前、どこかで聞いたことあると思ったらあのかの有名なアニメの主人公の名前じゃないか。クズして有名なあいつ」
「おい、それ俺結構気にしてるんだよ。言わないでくれよ!」
「おっと、すまんな。まぁ運命って残酷だよな。」
「おい!茶化すな!」
とこんな感じでもう仲良くなった俺達なのだった。

そんな事を適当に話し合っていると、この世界に来る前の話と、この世界に来てからの話になった。
「この世界に来る前は何処にいたんだ?」
と進は聞いてきた。
「ん?俺か?俺はな、東京で適当に高校生していたんだ。」
「へぇー、俺も東京で高校生していたんだが、まぁ酷いところだった。権力争いやら、恋愛やらなんやはなんやらでな。大変だったぜ。」
「俺もそんな感じだった。分かるぞその気持ち。」
「だよなぁ、あの世界は色々凄いところもあったが、人間同士の関係が酷かった記憶がある。」
「でも、この世界に来てからあまり、そんなこと思わなくなった感じがあるな。」
「それは分かるな。この世界の人達は明るいし、優しいからな。…もう自分が最初に住んだ街が故郷のように感じてしまってだな。」
確かに、この世界に来てから色々変わっていて、毎日が新鮮で楽しい。
しかし、それも慣れればそう思わなくなってしまうのか。
俺はそんな事を思ったのであった。

そんな話をしていて俺はとあることが気になった。
「進はなんで、今の仕事をしているんだ?」
「まぁ、色々あってだな。…その時の恩人に今の仕事を進められてだな。才能があるとかなんとかな。」
「そうだったのか。」
「お前は冒険者だもんな。…そういう道もいいかも知れないな。」
「あぁ、やってみればいいさ。…今の仕事に片がついたらさ。」
「そうしたいところだな。」

すると、進が話題を変えてきた。
「家族…心配しないか?俺はしてるぞ。」
…家族…か、俺には可愛い妹がいるんだが、その妹が心配だ。正直言って、いつも俺にベタベタだったからなぁ…本当に大丈夫かが心配だ…
あと、幼なじみも居るのだがあれも大変なことになっていないかが心配だ…色んな意味で…だが。
「家族っていうよりは妹が心配だな。」
「俺もだなぁ…あいつ頑張ってるかな…」
という風に今頃頑張って勉強しているであろう妹達を俺達は心配するのであった。

しかし、後にあんなことになるとは思わなかったのだがな…

こうして適当に話していたら、もう夜を迎えていた。
「もう、夜か…俺は帰るがどうするんだ?進は?」
「俺は隠れ家みたいなところがあるからな。」
「そっか…じゃあ明日にでもまた会おうぜ。」
「あぁ、じゃあな。」
俺達は拳を合わせてこうして、それぞれ背を向けて帰っていった。


「今日は驚きだったな。」
ご飯やらを済ませてベッドに潜りこんだ俺はそんな事を思う。
「でも、いい1日だった。じゃあな、今日。…お休みZzz」
明日もまた良い1日になることを祈って今日という1日は終わるのであった。

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