なんか転移したのでチート能力で頑張ります。

山下 昇

第11話 コロン街防衛戦 中編

「くそ!?火力がやっぱりたりねぇー!?」
コロン街防衛戦が始まってから既に2時間が経過していた。

しかし、こちらは疲弊してきていて、モンスターはまだまだと言ったような感じで攻撃を続ける。

「あいつら、全然減ってないぞ!」
そう何よりの問題は、モンスターの数が減っていないのだ。
100体いたとはいえ、まだ90体以上は残っている。

対してこちら側は死傷者はでていないが、疲労してきているため、魔法を扱える人達が減ってきた。
多分、あと数時間もしないでこの防壁は破れるだろう。

そんな状況下ではあったが、俺はこんなことになるまで何をしていたのかと言うと。

「面倒くさいなあ、仕方ない、適当なところで黙ってるか。」
とただ、この戦場下で適当にぶらぶらしていた。
…と言ってもやることが無いのでこの戦いの様子を見ることぐらいしかないがな。

「まあ、どうせ?俺がいなくても他の奴らがやってくれるだろう。」
と思いながら、ただただこの戦場を見つめていた。

しかし、先ほどからこちら側が不利になってきているため、俺はとうとう動かざるを得なくなってきた。

「仕方ない、俺も動くとするか。」
俺はを兼ねてこの場を抜け出すことにした。

…さて、何と言って抜けだそうか。
俺はこの場を抜け出す為に少し作戦を考えることにした。

そうして、俺は俺が担当している北側のリーダーのところまで行き

「なんだ」
と聞かれたので
俺は
「見る限り、北側、南側は有利かも知れませんが、他はキツイかと思われます。」
と言った。
実際、それは事実で今にも防壁が崩れ落ちてもおかしくはないのだ。
そのことをどう考えているのか、とリーダーらしき人に聞いた。

すると、リーダーらしき人は
「確かにそうかもしれないな。しかし、君が行っても多勢に無勢ではないか?」
と言う。
まぁ確かにそうではあろう。
しかし、俺はこの場から離れてやらなくてはいけないことがある。
そのためには何とかしないといけないのだ。

なので、俺は
「まぁ確かにそうかも知れません。しかし、時間稼ぎという意味では捨て駒も必要でしょう。」
と言う。

戦いにおいて重要なのは、やはり作戦通りに進めること。
その作戦通りに進める為に様々な策を練り、互いに相手を嵌める為に尽力する。
その中で必要となる1つが、捨て駒。

まぁ捨て駒と言っても2つあり1つは必要経費での捨て駒。だいたいここは絶対に乗り切らないといけないが、1人犠牲になりそうな時に選ぶことを惜しまれるような感じのもの。
2つめは邪魔だからここで、こいつも死んで相手も死んでくれればいいなという風に使われるようなもの。
まぁこっちが多くの人達が知っているというか使うほうだと思われる。

ここでは、前者の方だ。

そんな感じではあるが、捨て駒は捨て駒でも使い方を上手くすれば相手にとって厄介なものとなる。

例えばだが、戦国時代、織田信長が同盟国浅井家に裏切られ、追い込まれる形となった。
そこで信長が、現在地金ヶ崎からの撤退をする。通称金ヶ崎撤退戦と言われるものだ。
そこでの殿を務めた羽柴秀吉の功績によって織田信長は窮地を脱し、姉川の戦いで勝利を収め、裏切った浅井やもともと敵であった朝倉等も滅亡させることが出来た。

ちなみにその話の羽柴秀吉は後の豊臣秀吉で天下統一を成し遂げるため、捨て駒なんて言葉は失礼なのだが。

まぁ要するに使い方である。

すると、リーダーも
「確かにな。」
と言って返す。

ここまで来たらあとは上手いこと嵌めるだけだ。

そうして、俺は、
「何で、俺がその役目をしますよ。」
と言った。

リーダーは
「わかった、だが、死ぬなよ!」
と言って俺を送ってくれた。

俺は猛ダッシュで防壁の外に通じている場所へと向かった。
色々準備の最中にここの周辺を回っていたため道は覚えている。

「さて、目的地には着いたな。」
俺は早速準備を始めた。

「正悪分離」
俺はモンスターの一体に眼をつけて、スキルを使った。

結果は悪
どうやら「正義執行ジャッチメントジャスティス」は通じるようだ。
さて、実験その1を開始しよう。

正義執行ジャッチメントジャスティス!」
俺は個人技能「正悪分離」の能力を使ったモンスターに俺が保持する最強の魔法?を放った。

「ギ?ギギャァーーー!?!?」
という生物が放っていいのか定かではない叫び声がする。
そして、その圧倒的光の物量がその存在を消していく。

よし、効くようだ。

さて、第二段行こうか。

俺は一ヵ所に固まっている10体ぐらいいるモンスターに眼をつけた。
そうして、俺は唱える。

「範囲拡大!」
そうして、魔法の範囲を拡大させる。

そして、
正義執行ジャッチメントジャスティス!」
と唱えた。

そうして、モンスターは先ほどのような生物が発してはいけないような声をあげて光に包まれ、そして、消えた。

「よし、出来そうだな。」
俺は仕事を終えたという風にその場を立ち去った。


しかし、まだ90体以上はいる。(本当は80体以上なのだが…)
このモンスター達にどう立ち向かうのだろうか。
まだ、新垣真琴の実力を知らない人達は地獄の防衛戦を繰り広げていたのだった。

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