なんか転移したのでチート能力で頑張ります。

山下 昇

第12話 コロン街防衛戦 後編

真琴が適当に実験している間、真琴が防壁の近くにいた時よりさらに激しい攻撃が繰り返された。

「くそ!?どうなってんだよ!なんか急にあいつらの攻撃が激しくなったぞ!?」
一人の男がそう叫ぶが、皆それを思った。
なぜか先ほどから激しく攻撃を繰り広げらている。

しかし、対するこちらは大量の魔力消費でほとんどの人々が立ち上がることも難しい状況に追いやられていた。

俺達がこの街を守らなくてはいけないのにどうすればいいんだ…

その男は考えたが、その考えを防ぐかのように激しい攻撃が繰り返される。

「くそ!どうすれば!」
こうして、ただ防壁の耐久値だけがただ無くなっていくのであった。


この防壁の中に街が存在しているため、多くの人々が此処に残るという選択をした。

しかし、先ほどから繰り返される激しい攻撃の為多くの人々が恐れていた。

「もうおわりだぁ!俺も逃げれば何とかなったかも知れないのに!」
とある男はそう街の中で叫んでいた。

多分というか、ほとんどの人間が同じ後悔をしていることだろう。
まさに後悔先に立たずだ。

しかし、そんな状況下の中にも肝が据わっている者もいるわけで。
そんな肝が据わっている人達は冷静に分析しあることに気がついた。

「あいつ、本当は一人で倒せる力を持っているはずなのに試し打ちみたいなことしかしていないな。」
「確かに、というかさっきの10体くらい光に巻き込まれたの絶対あいつのせいだな。」
そう、このような冷静な人々は真琴が力をまだ隠していることに気がついたのだ。

「ということは多分だが、アイツはまだ待っているな。…何をかは、知らないがな。」
「なら、壁が負けることは多分だが、無いな。」
「そういうことだな。…俺達ぐらいしか気がついてないだろ。さっきからの急に攻撃が激しくなったのの理由なんて。」
「だろうな、多分モンスター達はアイツを恐れているんだ。…Sランクモンスターに恐れられる人間もおかしい話だとは思うがな。」
「とりあえず俺達はこの戦いが終わるまで待つとしよう。どうせ勝てるだろ。」
「そうだな。」
とこのような慧眼の持ち主達はこの戦いを実は楽観視していたのであった。


ここは北側
リーダーであるガング・モルデアスはある決断をした。
「どうせこのままやっても負けるだろうよ。…なら、全員で一斉放射の方がいいとは思うがな。…動ける者全員に魔法による一斉放射攻撃を展開するように命じろ。ここでやれなきゃ終わりだということも、な…」
とお付きの男に告げた。
その男は直ちにとだ告げ各所へと司令を伝えにいった。

「しかし、先ほどの光は何だったのだろうな…」
しかし、その質問もすぐに無に帰る。どうせこの街も終わりだからだ。
しかし、最後までしぶとく執念深く諦めずにやるのが俺達だ。
なら、俺も最後の花火をあげるとしよう。

「団長!用意が出来たようです!」
というお付きの声も聞こえた。
時はきた。

大人しくは殺られはしない!

「よし!一斉放射開始!死なない程度に全力でやれ!」
とだけ告げ自分も準備を開始した。

至るところで魔法を唱える声が聞こえる。
「エンドレスサンダーボルト!」「ウォータースパイラル!」
「インフェルノエクスプロージョン!」「ダークエクソダスソード!」
しかし、これが最後に放てる魔法であった者が多く唱えた後多くの冒険者は倒れた。

こうして残ったのは俺と
「お互いもうダメかも知れんな。」
「ふん!まだまだよ!」
遠雷の怒号のリーダー、エレノイド・アルトのみになった。

「他の面子はどうなった?」
アルトは
「もうダメだ。あんなに数がいたが、もうダウンだ。…全くもってダメだな。」
と声のトーンを下げずに言った。
「俺のところもだ。…後は俺達しかいないらしいな。」
「全くだ。」
とお互いに愚痴を言い合った。

しかし、もうそんな暇は無いらしい。

「さて、お互いやるべきことは分かっているだろう。」
「ああ、早めにやるか。」

こうして俺達は魔法を唱えた。

「「遠雷より、来たれ、」「遠望より、来たれ」我が神よ。今しばし、その力を解放し、やがて、来る終焉の時より来たりし神よ今こそその力を解き放て!」
「「アルティメットフライイングエンドレスファイアータイフーン!」」
今まで隠してきた、俺達の合体技を放った。
これで倒せないものは居なかった…だが、今回はダメだったらしい。

「ふふ、ダメみたいだな。」
すると、アルトも
「俺達も休むか、…今まで分まで休むか。」

街の人々も見ていたが、もう諦めがついてしまっていた。
この二人がダメならもう無理だろうと。
こうして、もう取れる手を全て取ったが、ダメだった。
後はもうこのままこの街と最後を共にするかと思った。
人々も人々で、仕方ないと思い、このまま終わるかと思った時だった。

「皆倒れたか。」
そんな声が聞こえた。
「仕方ない、俺が後処理でもしてやるよ」
と何か意味の分からないことを呟いていた。

「そこの少年、とうとう頭がおかしくなったか?」
「全く持って同感だ。…貴様は馬鹿らしいな。」
と俺達はそう言っておいた。
もう、この崩壊は止められないだろうよ。という気持ちだけ伝えておいた。

「全く。分かってないのはそちら側だろ?全く無能だな。戦力の分担もこなせない奴が何を言う。」
とその少年は言った。

俺達は
「仕方ないだろ。あの短い時間しかなかったのだから。」
と言い訳をしていおいた。
しかし、その少年は
「全く、その位の言い訳しか出来ないのか。…死んで詫びて欲しいところだな。…だが、これからの事もある。」
とだけ言い、さらに続けた。

「まぁいいさ、俺の力を身を持って知ってくれればこれからそんな事もしなくなるだろうさ。」

俺達は
「全く、出来る訳がないだろう。後80体以上は残っているぞ?」
「全くもってだな。いかにして殺るのかは知らんが無駄さ。あれは倒せんよ。」
と言った。

しかし、少年は
「俺にはその手段があるからこそ、ここにいるのさ。…さっきの光は俺の力だ。信じるかは別だがな。」
と言ってさらに続けた。
「まぁ見てろ、黙って。その間に終わらせておくさ。」
とだけ言ってこの場を去った。

俺は
「…アイツが言ったのが本当ならやるぞ、本当にアイツは。」
とアルトに言った。
「本当か?」
「ああ、俺はさっきの光を見た。…軽く10体は倒していたさ。」
「…そうか。」

「ああ、後はアイツに頼むしかないということさ。」
「全く…無能は俺達だったかも知れんな。」
後で礼をしておこうあの少年には。
そう思いながら少年の背中を二人は見送った。



「さて、絶好だな。この場面は…まさにヒーローだな。」
俺は少し微笑を浮かべながらそう言った。
昔からこのような場面を待ち望んでいた。
そうして現れたのは今のこれさ。
全くもって運がいい!

場面は、絶対絶命の大ピンチ、その状況で舞い降りる俺。
いいねぇ!最高だねぇ!

「さて、決めてやろうか。この街は俺が守ってやるさ。」
こうして、彼は唱えた。絶対の死を与える天国(?)への直行便を。

「範囲拡大」
ちなみにこの範囲拡大だが、別に唱えなくてもいい。
ようはイメージだ。

「さて、全くもって困らせてくれたな。」
俺はモンスター達を見ながらそう言った。

モンスター達は動きを止め俺を見つめていた。

「まぁ、いいさ、では死んでくれよ!」
俺は魔力を全開にして唱えた。
モンスター達は逃げようとするが、範囲内だぜ!モンスターさんよぉ!

正義執行ジャッチメントジャスティス!」
俺は絶対死の魔法を唱えた。

辺りは光に包まれ、「キギャァーーー!?!?」という沢山の謎の悲鳴が聞こえる。

そして、その光が消えたとき。
モンスター達は全て消失していた。あの80体もいたSランクモンスター達が一人の少年によって消失させられた。

人々はこの瞬間を多くの人々が見届けていた。

「「うおおおーーー!!!!」」
多くの人々が歓喜に身を焦がらせた。
「やりやがったアイツ!」「ああ、あれは俺達の勇者だぁ!」
とモンスター達を恐れていた者達は言った。

「俺達は信じていたさ。」「ああ!」
と冷静に分析をしていた人達もこの勝利を喜びあった。


こうしてとうとう真琴は約3時間に及ぶモンスターと人間達のこの街を駆けた戦いに終止符を打ったのだった。

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