創成の転生者〜最強魔導師の転生記〜
第2話 拷問と目覚め
地獄が始まった。
椅子に拘束され、あらゆる拷問器具を自分の身体に使われた。
時に切られ、時に焼かれ、時に刺されと、ひたすらに身体を傷つけられた。
「ああああ“あ”ああ“あ”ああ“あ”あ“あ”!!!!」
そして傷つけられるたびに絶叫をした。痛みが身体を駆け巡り、意識が、感覚が、人格がおかしくなりそうだ。
1日目は拷問器具を試されることで終わった。
◇
2日目。朝、意識を取り戻すと、足元にはなにかの液体がまかれいた。妙にヌルヌルする。何かの樹液か何かかと思った時だった。
小さな窓から松明が投げ入れられ、その液体を這い燃え広がっていく。
逃げようとしたが、椅子に縛り付けられているので身動きが取れないのだ。
そして炎は瞬く間に自分の下まで燃え広がり・・・・
「あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”ああああああついいあ“あ”あ“」
容赦なく自分の全身を燃やしていった。皮膚が焼けただれ、溶け、床に落ちていく。本気で自分は死にたいと願った。だが、自分の体は炎ごときでは死なない。
皮膚が焼け落ちていくたびに、驚異的な速度で皮膚が再生されるのである。これはもはや自己再生というよりも呪いのようなものである。
この炎は2日間燃え続け、自分も2日間、休むことなく身体を焼かれていった。煙でも死ぬことができない。煙の毒で負った傷を身体は治していたのだ。
こうして2日目と3日目は焼かれ続けた。
◇
4日目。この日は腕を潰されることから始まった。大きな石の塊を牢屋の前に置かれ、自分自身は大の字に寝かされた。そして、雇われたと思われる覆面の男たちがゆっくりと石の塊を持ち上げ・・・
ドゴンッ!!!グチャッ!!
「ぐがあ”あ“あ”あ“あ”あ“ああ”」 
右腕が潰された。瞬間、右腕があった場所を中心にに激痛が広がる。石の下からは血が流れ、血だまりを作っている。
その後すぐに男たちがもう一度石を持ち上げ左腕をもう一度同じように潰す。
「ぐがあああああああ”あ“あ”」
鮮血が飛び散る。血なまぐさい匂いが室内に充満する。あまりの痛みに、自分はそのまま意識を手放した。
◇
5日目。この日は今までで1番辛かった。
拷問内容は、目玉をひたすら抉ること。一つ目の左目をナイフで抉り取られた時、今までの比にならないような激痛だった。
「あああああああああああ“あ”あ“あ”あ“」
目が焼けるような熱を持つ。皮膚が抉られ、肉の切れる感覚がわかる。そして痛みの中で、そのことに気がついた。再生の余地もなくなくなった目玉が再生している。痛みも徐々に引いているのだ。自分の力能力が全くわからなくなってきたが、そんなことを考えている暇はなくなった。
再生した側から目玉を抉り取られるからだ。
自分はこの力を理解した。これは苦しみを長引かせる能力だと・・・
◇
そんな日々が約半年続いた。初めの2週間は痛みに苦しみ、泣き叫んでいた。しかし、3週間を過ぎるともう泣き叫ばなくなった。そして痛みを感じてもなにも反応を示さず、それどころか日々再生の速度を増していった。半年経った今では、眼球を抉られても2秒ほどで再生するようになっていた。
そしてもう一つ。何故か屋敷の中の声が聞こえるようになったのだ。それも人物を頭の中で思い浮かべると、その人物の会話が聞こえてきたのである。
その結果わかったことは、この拷問は人体実験のようなものであり、いままでに投与された薬物も全て麻薬のようなものだったのだ。
被験体にされた理由は、自分の再生能力と白銀の髪を持つもの、所謂忌み子だから何をしてもいいと言うふざけた理由だった。
と、今日の拷問が始まるようだ。扉がゆっくりと開くがそこにいた人物たちに少し驚く。
「ユリエル・・・・」
自分の兄弟姉妹たちがそこにいた。声をかけてきたのは長女のアランだった。
何故彼女らがここにと思ったが、理由はすぐにわかった。彼女たちの手にはナイフが握られていたのだ。
「見るんだみんな。ユリエルの中にいる悪魔のせいで、あの子はあんな風になってしまった。さあ、ユリエルにその刃を差し込み、悪魔を退治してあげなさい」
父が兄弟姉妹たちにそんなことを言い出す。狙いはわかった。自分の兄弟姉妹たちに傷つけさせ、心にまで傷を負わせようとしているのだろう。
「ユリ・・・・」
アランが足にナイフをためらいがちに差し込んだ。ここは演技をしておくか。
「あぐううううあああ」
「ひっ!」
アランは少しびっくりしたようだ。だがこの悲鳴を彼女は忘れることはないだろう。初めて人間を傷つけた感覚を。
他の兄弟姉妹たちにも同じように刺され、その度に苦痛の声を上げてやった。皆怯えたような表情をし、謝っていった。
だが、そんな顔を見ても、彼女たちに対しては恨みしかないのだ。この半年で知っていた。彼女たちは自分を見捨てていたことを・・・
(ユリはどこにいったの??)
(地下にある牢屋で悪魔払いをしているんだよ)
(それは痛いことなの?)
(ああ、とっても痛いことなんだが、やらなければ悪魔に体を乗っ取られてしまうんだ。見にいって見るかい?)
(んーいいや。悪魔は怖いし)
自分の半年で得た情報は、全て恨みとして蓄積されていったのだ。それほどまでの日々に、自分の人格はすでに壊れていた。
彼女らが去った後、1人牢屋に残った自分は考え事をしていた。刺された傷などとうの昔に癒えている。
「いつ・・・殺されるんだろうな」
それが気がかりだった。復讐はしたい。だがあいつらに殺す価値があるのかと言われるとそうでもない。結局、自分が自由になれればそれでいいのだ。とその時・・・・・
「ッ!?」
なにかが頭の中に流れ込んでくる。そして勝手に言葉が口から出て行き頭が勝手にその内容を理解する。
「ボクノ、魔法、創成の、ルーン、文字、使命、再会、ミラ」
頭がこのことを理解した時点で、自分の意識は闇に落ちていた。
◇
僕が目を覚ましたのはまだ日も登っていない夜中だった。辺りは暗く、目が慣れていないのであまり見えない。だが一つ、いつもと違うことがある。腕が光っているのだ。鈍くだが、たしかに光っている。そして、僕の中で整理がついていた。僕の使命と、僕の魔法のことを。
「ようやくこの力のコントロールができるようになる・・・」
この正体不明の再生能力を制御することができるのだ。僕は大いに喜んだ。
「【癒しよ 解除されよ】」
その途端、体に凄まじい激痛が走る。しかも体全体に。この半年の拷問の痛みが一気に襲ってきたような、そんな強烈な激痛だった。僕は悶絶するが、ここから脱出するために自分の身代わりを作る。
「【我の、一部を、複製し、身代わりよ、成れ】」
自分の姿をした肉片が出来上がる。複製の魔法だ。僕の魔法は万能である。これくらいのことは造作もない。そして痛みに限界がくる。意識が飛びそうだった。
最後の力を振り絞り、僕はこの牢屋から脱出する。
「【転移、せ、よ】」
その瞬間、僕の身体は浮遊感に包まれた。と同時に、痛みにより意識を失ってしまった。
◇
ユリエルが気絶し、転移が完了した。転移した場所は、人里離れた森の中だった。そこに出血をしながら気を失っているユリエル。
このまま死ぬと思われた時。ユリエルを見つけた人がいた。
「あら?あれは・・・って人!?大変!早く帰って治療しなくちゃ!!」
ある人物に拾われたのである。それは・・・
椅子に拘束され、あらゆる拷問器具を自分の身体に使われた。
時に切られ、時に焼かれ、時に刺されと、ひたすらに身体を傷つけられた。
「ああああ“あ”ああ“あ”ああ“あ”あ“あ”!!!!」
そして傷つけられるたびに絶叫をした。痛みが身体を駆け巡り、意識が、感覚が、人格がおかしくなりそうだ。
1日目は拷問器具を試されることで終わった。
◇
2日目。朝、意識を取り戻すと、足元にはなにかの液体がまかれいた。妙にヌルヌルする。何かの樹液か何かかと思った時だった。
小さな窓から松明が投げ入れられ、その液体を這い燃え広がっていく。
逃げようとしたが、椅子に縛り付けられているので身動きが取れないのだ。
そして炎は瞬く間に自分の下まで燃え広がり・・・・
「あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”ああああああついいあ“あ”あ“」
容赦なく自分の全身を燃やしていった。皮膚が焼けただれ、溶け、床に落ちていく。本気で自分は死にたいと願った。だが、自分の体は炎ごときでは死なない。
皮膚が焼け落ちていくたびに、驚異的な速度で皮膚が再生されるのである。これはもはや自己再生というよりも呪いのようなものである。
この炎は2日間燃え続け、自分も2日間、休むことなく身体を焼かれていった。煙でも死ぬことができない。煙の毒で負った傷を身体は治していたのだ。
こうして2日目と3日目は焼かれ続けた。
◇
4日目。この日は腕を潰されることから始まった。大きな石の塊を牢屋の前に置かれ、自分自身は大の字に寝かされた。そして、雇われたと思われる覆面の男たちがゆっくりと石の塊を持ち上げ・・・
ドゴンッ!!!グチャッ!!
「ぐがあ”あ“あ”あ“あ”あ“ああ”」 
右腕が潰された。瞬間、右腕があった場所を中心にに激痛が広がる。石の下からは血が流れ、血だまりを作っている。
その後すぐに男たちがもう一度石を持ち上げ左腕をもう一度同じように潰す。
「ぐがあああああああ”あ“あ”」
鮮血が飛び散る。血なまぐさい匂いが室内に充満する。あまりの痛みに、自分はそのまま意識を手放した。
◇
5日目。この日は今までで1番辛かった。
拷問内容は、目玉をひたすら抉ること。一つ目の左目をナイフで抉り取られた時、今までの比にならないような激痛だった。
「あああああああああああ“あ”あ“あ”あ“」
目が焼けるような熱を持つ。皮膚が抉られ、肉の切れる感覚がわかる。そして痛みの中で、そのことに気がついた。再生の余地もなくなくなった目玉が再生している。痛みも徐々に引いているのだ。自分の力能力が全くわからなくなってきたが、そんなことを考えている暇はなくなった。
再生した側から目玉を抉り取られるからだ。
自分はこの力を理解した。これは苦しみを長引かせる能力だと・・・
◇
そんな日々が約半年続いた。初めの2週間は痛みに苦しみ、泣き叫んでいた。しかし、3週間を過ぎるともう泣き叫ばなくなった。そして痛みを感じてもなにも反応を示さず、それどころか日々再生の速度を増していった。半年経った今では、眼球を抉られても2秒ほどで再生するようになっていた。
そしてもう一つ。何故か屋敷の中の声が聞こえるようになったのだ。それも人物を頭の中で思い浮かべると、その人物の会話が聞こえてきたのである。
その結果わかったことは、この拷問は人体実験のようなものであり、いままでに投与された薬物も全て麻薬のようなものだったのだ。
被験体にされた理由は、自分の再生能力と白銀の髪を持つもの、所謂忌み子だから何をしてもいいと言うふざけた理由だった。
と、今日の拷問が始まるようだ。扉がゆっくりと開くがそこにいた人物たちに少し驚く。
「ユリエル・・・・」
自分の兄弟姉妹たちがそこにいた。声をかけてきたのは長女のアランだった。
何故彼女らがここにと思ったが、理由はすぐにわかった。彼女たちの手にはナイフが握られていたのだ。
「見るんだみんな。ユリエルの中にいる悪魔のせいで、あの子はあんな風になってしまった。さあ、ユリエルにその刃を差し込み、悪魔を退治してあげなさい」
父が兄弟姉妹たちにそんなことを言い出す。狙いはわかった。自分の兄弟姉妹たちに傷つけさせ、心にまで傷を負わせようとしているのだろう。
「ユリ・・・・」
アランが足にナイフをためらいがちに差し込んだ。ここは演技をしておくか。
「あぐううううあああ」
「ひっ!」
アランは少しびっくりしたようだ。だがこの悲鳴を彼女は忘れることはないだろう。初めて人間を傷つけた感覚を。
他の兄弟姉妹たちにも同じように刺され、その度に苦痛の声を上げてやった。皆怯えたような表情をし、謝っていった。
だが、そんな顔を見ても、彼女たちに対しては恨みしかないのだ。この半年で知っていた。彼女たちは自分を見捨てていたことを・・・
(ユリはどこにいったの??)
(地下にある牢屋で悪魔払いをしているんだよ)
(それは痛いことなの?)
(ああ、とっても痛いことなんだが、やらなければ悪魔に体を乗っ取られてしまうんだ。見にいって見るかい?)
(んーいいや。悪魔は怖いし)
自分の半年で得た情報は、全て恨みとして蓄積されていったのだ。それほどまでの日々に、自分の人格はすでに壊れていた。
彼女らが去った後、1人牢屋に残った自分は考え事をしていた。刺された傷などとうの昔に癒えている。
「いつ・・・殺されるんだろうな」
それが気がかりだった。復讐はしたい。だがあいつらに殺す価値があるのかと言われるとそうでもない。結局、自分が自由になれればそれでいいのだ。とその時・・・・・
「ッ!?」
なにかが頭の中に流れ込んでくる。そして勝手に言葉が口から出て行き頭が勝手にその内容を理解する。
「ボクノ、魔法、創成の、ルーン、文字、使命、再会、ミラ」
頭がこのことを理解した時点で、自分の意識は闇に落ちていた。
◇
僕が目を覚ましたのはまだ日も登っていない夜中だった。辺りは暗く、目が慣れていないのであまり見えない。だが一つ、いつもと違うことがある。腕が光っているのだ。鈍くだが、たしかに光っている。そして、僕の中で整理がついていた。僕の使命と、僕の魔法のことを。
「ようやくこの力のコントロールができるようになる・・・」
この正体不明の再生能力を制御することができるのだ。僕は大いに喜んだ。
「【癒しよ 解除されよ】」
その途端、体に凄まじい激痛が走る。しかも体全体に。この半年の拷問の痛みが一気に襲ってきたような、そんな強烈な激痛だった。僕は悶絶するが、ここから脱出するために自分の身代わりを作る。
「【我の、一部を、複製し、身代わりよ、成れ】」
自分の姿をした肉片が出来上がる。複製の魔法だ。僕の魔法は万能である。これくらいのことは造作もない。そして痛みに限界がくる。意識が飛びそうだった。
最後の力を振り絞り、僕はこの牢屋から脱出する。
「【転移、せ、よ】」
その瞬間、僕の身体は浮遊感に包まれた。と同時に、痛みにより意識を失ってしまった。
◇
ユリエルが気絶し、転移が完了した。転移した場所は、人里離れた森の中だった。そこに出血をしながら気を失っているユリエル。
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