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異世界で災害使って無双する(仮)

水無月 葵

#14 スケアリークエスト『古代の城』

 ――魔道具店にて……

「お、師匠これは使えますよ!」

 何か嫌な予感しかしないが一応「何だ?」とリョウに聞く。

「これは足がとてつもなく速くなるポーションです! 使い捨てですけど一刻間は持ちますよ!」

「一時間も走りっぱなしじゃ疲れるわ!」

 俺たちは古代の城のあるレインに行くまでの旅道具を、この魔道具店で買おうとしていた。因みに一刻というのは日本でいうところの一時間。半刻というのが一刻の半分……つまり日本での三十分にあたる。

「ねぇねぇツバサ君。これは?」

 問題j……萌恵が持ってきたのは腕輪みたいなリング状の物だった。

 ……

「これは何に使うものだ?」

 本日二回目の嫌な予感を感じながら聞く。

「これはモンスター避けの腕輪よ!」

「おぉ!」

 萌恵が持ってきたのはどうやら使えるの道具らしい。

「お値段はちょっと高い白金貨一枚! この腕輪は使い捨てですけど半刻使えるよ!」

 俺はその腕輪を取り上げ元あった場所に戻した。

××××××××××

「行った意味有りましたか?」

 萌恵が後ろから僕に言う。

 結局なにも買わず、店員さんに「お前らは何をしに来たんだ!?」と怒られ、店を出たのだ。絶対にあの魔道具店には行かないとだけ誓い、馬車の貸し出し店にやって来た。

「らっしゃい!」

 出迎えてくれたのは威勢の良いおっちゃん。店内は他の冒険者等がいた。

 俺達はカウンターに行きおっちゃんに馬車の貸し出しを申し出た。

「馬車の貸し出しかい?」

「あ、そうです」

 おっちゃんの質問に頷きながら応答する。

「そうかい! じゃあ馬車の種類を選んでくれ」

 種類? 何にそれ、馬車に種類とかあるの?

「えっと種類ってなんですか?」

 俺は周りを気にしながら少し小声で聞く。

「種類とは加護のことだね。加護には風避けの加護とか振動軽減する加護のことだけど? どうする?」

 なるほど。風の抵抗や揺れを軽減するお守りみたいなものか。てか先にそう言って! わからないから。

「じゃあ風避けの加護と振動軽減の加護でお願いします」

「あいよ! じゃ合計で金貨一枚だ」

 おっちゃんは計算機らしきものを操作しながら馬車の料金を俺に告げる。

  あれ? このクエストの報酬って銀貨六枚だよな? なら割に合わなくね?

 その問題はすぐに解決した。俺は店の張り出しを良く見ていなかったらしい。店には『クエストに行く冒険者は馬車の貸出無料』と掲載されてあったのだ。そして俺たちがクエストに行く冒険者だと告げると無料にしてくれた。

「んじゃちょっと待っててな」

おっちゃんは威勢の良い言葉を投げ、奥へ消えていった。

 あいよって流行ってんの? シャルさんも言ってたけど。

 俺はそんなこと気にせず店内をまわる。今更中をキチンと見ると凄く綺麗に整っておりあのおっちゃんは綺麗好きということを悟った。

 なんやかんやして約五分程たった頃。俺たちは外に呼び出され「なんだ?」と、ついて行ってみるとそこにはファンタジーアニメで良く見る馬車があった。前にいる馬は綺麗な黒色をしている馬と同じく綺麗な白色をした馬の二頭が綱で繋がれていた。

「ほらこれが今日貸出する馬車だ。くれぐれも壊さないように。壊したら弁償だからな?」

 うわ、こえぇ。

「それよりもお前さんたちは馬車の運転免許を持っているのか?」

「え?」

 おっちゃんからでた言葉は聞き捨てならなかった。

「運転免許? 馬車って誰でも乗れるんじゃないのか?」

 俺は険しい顔をしながら皆に聞く。皆は「何言っているだこいつは?」みたいな顔でこちらをみる。そしていちばん最初に口を開いたのは萌恵、

「そんな馬鹿な話をどこの誰から吹き込まれたんだすか? 馬車の運転免許は必要に決まっているじゃありませんか。今更何を……」

 えっ? 知らないの俺だけ?

 何か残酷な気持ちになった時間だった……

××××××××××

 結局俺達全員馬車の運転免許を持っていなかったらしくお金を払い運転手を雇った。俺は古代の城に着くまで仮眠を取ることにした。



 俺が仮眠を取ってから何分がたっただろうか……馬車はまだ動いていて、萌恵たちは楽しそうに運転手と話していた。

「見えてきたぞもえっち!」

「本当ですねくるっち!」

 なにその呼び合い。俺も、もえっちって呼ぼっかな?

「あぁ、ツバサ君起きましたか。おはようごさいます!」

 もえっちはキュートな笑顔で朝(昼)の挨拶を俺に交わす。

「おぉ、もえっち……じゃなくて萌恵おはよう」

 もえっちと途中まで呼んだが「いやいや」と首を降って思い直し萌恵に変える。

「師匠が寝ている間に古代の城に着くところでした。危うく俺と萌恵さんは「ツバサ君を置いて行こっか」とか話していたんですからね?」

「リョウ君! それは言わない約束でしょ!?」

 萌恵は慌ててリョウの口を塞ごうとする。リョウも墓穴を掘ったのを自覚したらしく慌てて自分の口を塞ぐ。

「おい。俺が寝てる間になに企んでんだ」

「へへへ……」

「へへへじゃねぇ」

 へへへと笑っている萌恵をひっぱだいた。

××××××××××

「気を付けなよ? 俺はここで待っているから」

 萌恵からくるっちと呼ばれていた馬車の運転手の男。通称クルドルス。クルドルスは荷物をまとめながら俺達に注意を呼び掛ける。

「はい! ありがとうございます。クルドルスさんも気を付けてください」

 俺は爽やかな笑顔でクルドルスに返事をする。

「……おえ」

「おい! 何故嗚咽おえつをしたのか聞こうじゃないか!」





――古代の城内部

 古代の城の中は松明を焚かないと一メートル先が見えない程暗かった。古代の城と言っても間取りは普通の城とほとんど変わらない。だが長年手入れされていないのかとても埃っぽかった。詳しくは俺も萌恵達もよく判らないが、馬車の運転手によると、この城は昔ある貴族の居城であったのだという。かつてはそれなりに栄えたそうなのだが、今となってはその面影無く、人も住まず、ただの薄暗いジメジメとした廃城と化している。廃墟なので屋根はキチンと機能しておらず「ピチャン……ピチャン……」と水が垂れているであろう音が城に反響している。元々貴族の城であったのが原因なのか、城には泥棒が入ったらしき後もあった。

 俺達はこの城の不気味な声・・・・・の原因を探るために来たのだが……

「ね、ねぇツバサ君。帰らない?」

「し、師匠……帰りましょうよ!」

「おい! なんのためにこの城に来たんだ!? 市民の安全を守るためだろ?」

 後ろでグタグタ言いながら着いてくる二人に告げる。

「ツバサ君。それは嘘ですよね? クエスト募集の紙の端っこに「※城で見つけた財宝などはクエストを請ける人の物とする」って書いてありましたよね? ツバサ君はそれが目当てでしょ?」

「……ソンナコトナイヨ?」

 何故か棒読みになったが気を取り直して、

「行くぞっ!」

 と、カッコつけながら城の奥へと歩いていく。


××××××××××

 歩いて何分かがたった頃、目の前に大きな扉が現れた。

「ここは?」

 萌恵は首を傾げ呟く。

「もしかしたら金庫かも知れませんよ!?」

 興奮しながらリョウは扉の前まで行く。

「ちょ! 待て! ……?」

「どんな仕掛けが施されているか分からないぞ?」と、俺がリョウに言おうとするとリョウは腰を抜かして足をガクガクしていた。

「どうした? ――ッ!?」

 俺は慌ててリョウの元へ走っていく。扉に近付くとこの世の物とは思えない唸り声が聞こえ、一瞬耳を疑う。

「え?」

 俺は壁に耳を当てる。

『うぅぅ……』

 この城って廃城だよな? 人って居ないよな? うん間違いない……幽霊だ

「どうしたのですか? 入りますよ?」

 萌恵は扉に手をかけ扉を開ける。扉はギィィと大きな音を立てて開く。

「ちょっ!」

 俺は自然と声と手が出た。萌恵はその手を振り払い中に入る。

「早く来てくださいよ!?」

「「あぁ……」」

 俺とリョウは顔を見合わせて返事をした。

 俺はクレナを置いてきたことを後悔し、始める。数時間前俺は紅に「宿でシャルさんを見張っていてくれ。納豆を食おうとしたら止めてね」と告げた。今のところ紅からの連絡がない。と、言うことはシャルさんは納豆を食べていないと言うことだ。俺達はズンズン奥に進む。奥へと進んでいるとあるものを見つける。

「これは……筋トレ道具?」

 そこにあったのはバーベル上げによく分からない筋トレ用具が大量にあった。

『うぅぅ……うぅぅ……』

「「ヒィィ!」」

 また聞こえてくるあの唸り声に俺とリョウは悲鳴を上げる。

『? 誰か居るのか?』

 俺達の声が聞こえたらしく幽霊(?)が唸るのをやめて、話しかけてくる。

「だ、誰も居ないよー」

『いや! いるだろ!?』

 下手な嘘を見事に見破られた俺は諦めてその場に座り込む。すると幽霊(?)は俺達の方へ歩いて来る。だんだん姿がはっきり見えてき、ぽっちゃりした人だと認識することが出来る。

『誰?』

 ぽっちゃり幽霊は首を傾げて聞く。俺は急いで立ち上がり自己紹介を始める。

「え、えと……俺は板宮 翼。一応冒険者をやっています。で、こちらが霧島 萌恵と、彼岸花 涼。この二人は俺の仲間です。個々にはギルドクエストのために来ました」

 俺はペラペラと状況を話す。ぽっちゃり幽霊は「ふーん」と鼻を鳴らし、再び口を開く。

『俺はこの城の持ち主のクリド。ギルドのクエストってこの城に何か起きているのか?』

 ぽっちゃり幽霊、及び貴族のクリドは首を傾げる。

「えと……毎日毎日この城から唸り声が聞こえると言うことで来てみたら唸り声が聞こえたのでその……」

 クリドは俺の言葉に、「あぁ」と手をポンッと鳴らし、また口を開く。

『それは俺の声だね。どうしてもこの体系が嫌でね』

 クリドは自分の脂肪を摘まみながら話す。

『そんなわけでダイエットをしているのだよ。俺が人間だったころのときは全然痩せなくてね。そのままポックリ逝っちゃった訳で。痩せたいという怨念が強くて幽霊になってしまった訳ですよ』

 可愛そうに……

『幽霊になってもダイエットをし続けたけど全然痩せないんだよなぁ』

 なるほどあの唸り声はダイエットをしてるクリドのものだったのか……

「でもさ、幽霊になってるんだから痩せるもくそも無いんじゃない?」

 俺が深く考えていると横で腕を組ながらリョウはクリドに告げる。

『「あっ!?」』

『確かにな! おま頭良いな!』

 クリドは納得したかのように腕を組む。

『じゃ俺がこの世にいる意味が無くなったな……!?』

 クリドがそう言った瞬間体が薄くなっていった。

「おわ!? なんだこれ」

 俺は突然の出来事に困惑する。

『どうやら俺は成仏するらしいわ。じゃあな!』

 いや軽いな!

 クリドは薄くなり続けて、終いには消えて無くなった。

「………………さて帰るか」

 俺は両手を合わせて、二人に告げる。二人は「うん」とだけ言い、俺に着いてくる。そして俺達は城を後にした。

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コメント

  • 滝

    エタってるやん

    1
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