異世界で災害使って無双する(仮)

水無月 葵

SP クリスマス(仮)の夜

「今頃日本ではクリスマスかぁ……」

 白い息を吐き、歯をカチカチ鳴らす。

「ツバサ君、くりすますと、にほんって何ですか?」

 不思議がっている萌恵に俺は答える。

「この世界は、クリスマスが無いのか? あっ日本は俺が住んでた国です。多分この世界にはないけど……」

「テラアースに無い国ですかぁ……テラアースも解明しきれていない部分もありますからね」

 聞き覚えの無い単語が出てきて「ん?」となったが、テラアースは元の世界で言う、地球の事だと推測した。

「ツバサ君、くりすますって何ですか?」

 萌恵が再び首を傾げて、聞いてくる。

「クリスマスとは? か……クリスマスとはなんだろ。あれかなプレゼントを貰えるとか、美味しいもの食べれる日? かな」

 ざっくりし過ぎたな……

「何故その日にプレゼントを?」

「知らん」

 萌恵の質問に即答。

「知らない!? その日は何日なの?」

「えっと……十二月の二十五日?」

 俺は記憶を遡り、クリスマスの日にちを思い出す。

「何故そんなに中途半端な日にしたんですかね?」

「年の最後らへんだからじゃない?」

 俺の言葉に萌恵は動揺を見せる。

 えっ? 年の最後らへんじゃなかったっけ?

「ツバサ君……年の最後は十六月三十一日ですよ?」

 えっ? じゅうろくがつ? 一年十二カ月で三百六十五日でしょ? 十六月月もあんの?

「えと……えっ?」

「? 何か変な事言いましたか私?」

 いえ、凄く変ですよ! 一年十六月もあんの? 凄いなテラアース個々

「まぁ良いや……」

 俺は諦めて、シャルさんに淹れて貰ったコーランドコーラを飲みながらくつろぐ。

「……私もくりすますやりたいです……」

 俺は口に含んでいたコーランドを思いっきり吹いた。

××××××××××

「これはこっちで……」

 徐々にクリスマスパーティーの準備を進める俺、萌恵、リョウ、シャルさん。

 萌恵が「私もやりたい」といい始め色々あったが仕方なく俺はクリスマスパーティーをすることになり、シャルさんに許可を取り集会所をクリスマスパーティーの会場として、提供してくれることになった。

「ツバサ君~これは何処ですか?」

 萌恵が持ってきたのはもみの木……ではなく普通に植木屋で買ってきた小さな木。この木はクリマの木といい、物凄く樅の木に似ていたので遂、購入してしまった。

「それはこの部屋の真ん中に置いといて」

 俺は手を動かしながら命じる。

「はーい!」

 高い声で萌恵が返事をする。

 何であんなテンション高いんだ? クリスマスパーティーが楽しみなのか……

「師匠! どうですかこれ?」

 リョウがこちらを呼んでいる。リョウに頼んだ仕事は部屋の飾り付け。これはくじ引きで決めたのが正解だった。何とあのリョウが飾り付けのセンスが抜群で、グッとクリスマスパーティーに近づいたのだ。

 「凄く良い! その調子で頑張ってくれ!」

「はいっ!」

 褒められたのが嬉しかったのか、ウキウキしていた。

 「さて……」っと俺は土台からおり、厨房に向かう。料理当番はシャルさん。シャルさんには前もって食材を渡しており、それをしていた調理してもらっている。渡した食材は七面鳥。この世界の七面鳥は、名前通り七つ顔が有る鳥。正直買うときに吐き気がしたが、美味しいらしい。気になるお値段は何と金貨一枚! お高い。それほど高級食品なので有ろう……

 厨房に入ると物凄く良い匂いがした。僕はシャルさんのところを覗くと丁度七面鳥を調理しており、よだれが出てくる。

「シャルさんどうですか?」

 俺は食欲を抑え、シャルさんに進み具合を聞く。

「思ったより順調だね。七面鳥は調理したこと無いからちょっと難しいけど……」

「俺の渡したメニュー通りにやれば良いんですよ」

「わかった」

 渡したメニューとは、ネットで調べてこちらの世界の文字に翻訳して紙に書いたものだ。何故この世界の文字が読めるかというのはあの馬鹿女神のお陰だ。

「じゃまた」

 シャルさんに軽く挨拶をして、厨房を後にした。

××××××××××

 あれから何時間経っただろうか……俺は厨房を見終わってから自分の部屋に戻り、布団に入って一休みしようとして寝たが爆睡してしまい目が覚めると窓の外の空はオレンジ色に染まっていた。

「ヤバイっ! 寝過ごした! クリスマスパーティーの準備は!?」

 俺は慌てて集会所に行く。集会所に入ると、とても綺麗に飾り付けがされており、クリマの木にも飾り付けが施されていた。

「おぉ! これ全部リョウがやったのか!?」

 お口あんぐりな俺に向かって萌恵が頬を膨らませ、

「私もやりましたよ! それより何処に行ってたんですか? シャルさんが料理出来たって、さっきツバサ君を探してましたよ?」

 おっとホントにヤバイな……

 俺は「おう」と返事をして、厨房に向かった。

「あっツバサ君! これでどうかな?」

 シャルさんが見せてきたのは想像通りに美味しそうに出来た七面鳥の肉がお皿に乗っていた。

「完璧だよ! よしっ! クリスマスパーティーが出来るぞ!」

 そういいながら七面鳥を持った。

「ちょっ! ツバサ君!?」

「んがぁ!? 重!」

 想像以上に七面鳥の肉が重かった。俺は持ち上げれないと悟り、物の質量を軽くする魔法を魔導書を開け調べる。

「えぇーと……物の質量を軽くする魔法はっと……あったあった……ええっと……《スライト》と唱えれば良いのか。よし《スライト》!」

 俺はスライトを七面鳥に掛け、持ち上げてみる。

「おぉ! 軽くなった!」

 さっきまで重かった七面鳥がすらりと持ち上がった。

「さすがツバサ君! やるぅ!」

 横ではシャルさんが拍手をして、立ち尽くしている。

「ぼーっと立ってないで他の料理とジュース用意してくださいよ!」

 七面鳥を持ちながら俺はシャルさんに命じる。

「あっごめん。じゃあ持っていくよ」

 シャルさんはそう言って木で出来たトレーに他の料理とジュースを置き、俺と共に厨房を後にする。

××××××××××

「では、クリスマスパーティーを始めます!」

「「「おー」」」

 三人の威勢の良い声を聞き、異世界でクリスマスパーティーって……と考えながらジュースを持って貰う様に指示し、

「乾杯」

 と、声を掛ける。

「「「……?」」」

 なにも言わない三人を見ると、ポカーンとしていた。

 おっとこれはこの世界に「乾杯」って言葉は無いのか……じゃあどうやって声かけんだ!?

「クリスマスパーティーの始まり方は乾杯何ですか?」

「聞いてないよ師匠!」

「ツバサ君……先に言おう!」

 集会所に三つの批判が飛び交う。

 言葉は有るんだね……

「ごめん……じゃあ改めて乾杯!」

「「「乾杯!!」」」

  クリスマスパーティーが遂にテラアースに上陸した瞬間だった。

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