異世界で災害使って無双する(仮)

水無月 葵

#10 白銀の新メニューの考案と納豆作りとドッペルゲンガー②

「「「美味しい」」」

 三人の声が揃った時、俺は確信した


 異世界で納豆は流行る!!


 納豆が大流行するだろう。ここの三人に大好評だったのだから流行る! 納豆屋さん始めようかな?

 俺は納豆屋を、作るか迷ったがすぐにやめた。だって人見知りなんだもん!

××××××××××

「ツバサ君! なっとう? を新メニューにしていいの?」

 シャルさんが目を輝かせて俺に問い掛けてきた。

 近い……でも谷間が見え……げほんげほん

「良いですよ。俺も納豆が出てくれば普通に嬉しいので」

 俺はシャルさんからちょっとだけ距離をとり、俺は同意する。

「えっ!? ほんとに!? ありがとうツバサ君! これから毎日なっとうだね!」

 マジか! 飽きそうな気がするけどマジか!

「あっと……大切な事を言うのを忘れてた。納豆をもっと作りたいのなら……」

 俺はメモ用紙に納豆の作り方を書いていく。そしてすべて書き終わったところで、その紙をシャルさんに渡す。

「この通りにすれば納豆を作れる……はず」

「ありがとう! これで納豆を作りまくって、売り上げアップよ!」

 あっこの宿屋、売り上げが糞みたいに少ないんだっけ……

「ツバサ君……凄い……」

「師匠! 惚れ直しましたよ!」

「おい! リョウ! どう言うことだ! 惚れてたのか!? 僕にはそんな趣味は無い!」

 萌恵に褒められ、リョウに惚れられ……この世界で生きていくのは大変だな。

××××××××××

 納豆作りから一時間が経過した頃だろうか……俺がいつも通り散歩から帰って来ると白銀の宿にいつの間にか長蛇の列が出来ていた。俺は何事かと思い長蛇の列の先頭に行ってみると……

 「順番抜かすな」とか「順番は、守れ」とか言われたけど無視ってやった。

 長蛇の列の先頭に行ってみると、そこには納豆を売っているシャルさんの姿があった。

 おぉい! なにやってんだ! 売り上げアップってそう言うこと!? 意味違うくね! 俺はてっきり泊まる人を集めるのかと思ってたけどそっち!?

「あっ! ツバサ君! ちょうど良かった。納豆が無くなって今作ってるところだけど、君のタイムアドバイスで時間短縮してくれない? 久しぶりの黒字になりそうなの!」

 この人、お金のためなら何でもやる人だったっけ!?

「仕方ない……」

 と、ため息混じりで呟き、台所へ向かった。

 台所には萌恵とリョウが鍋を見ていた。

「鍋を見ても時間は早く進まないよ。《タイムアドバイス》」

 俺は鍋に手をかざし、鍋の時間を進めた。

「ツバサ君!」「師匠!」

 二人が同時に俺の存在を気づき、喋り掛けてくる。

「師匠は止めろ」

「ツバサ君! シャルさん、何かおかしいですよ!」

 えっ?

「そうですよ! 師匠! いきなり人が変わった見たいに『納豆を売るぞー』とか言い出し、納豆を売り始めたんですよ!」

 えっ? 人が変わった? どういう事!?

「待て待て待て! 一から説明してくれ!」

 俺は近くにあった椅子に座り、俺が散歩に行っている間の事を聞く。

「えっと……まずシャルさんがお手洗いに行って……」

「それから帰って来たと思ったらいきなり『納豆を売るぞ!』って言い出して……」

「納豆を売り始めました……そして納豆が無くなったら、ツバサ君の居場所を聞いてきて……」

「今の状態です!」

 トイレに行った後に人が変わったように『納豆を売るぞ!』と言い出した……トイレ?

「萌恵! 女子トイレだ! 女子トイレを見てきて!」

「えっ!? 何で?」

 萌恵はテンパっていた。それはそうだ。いきなり女子トイレを見てきてと言われたらテンパらない人はそういない。

「トイレに何かある! はず……」

 萌恵からしたら俺の発言は意味不明だと思うが俺からしたら大変な事なのだ

「お願い! 早く!」

「わ、分かった……」

 萌恵は駆け足で女子トイレを見に行った。

 早く! 最悪な事態になる前に!

「キャー!」

 萌恵の叫び声が聞こえた。俺とリョウは顔を合わせ、うなずき女子トイレを見に行く。

「萌恵! 大丈夫かっ!」

 勢い良く女子トイレの扉を開けて、萌恵の安全を確認する。

「しゃ……しゃ……る……る……」

 萌恵は震えながら指をトイレの個室の方に指す。

 俺たちは恐る恐るトイレの個室を覗きこむ。
そこには外で納豆を売っているはずのシャルさんが閉まっている便器の横たわっていた。

 嫌な予感が的中した。

××××××××××

「君は誰だ!」

 目の前にいるもう一人のシャルさん。俺たちは、トイレに寝ていたのシャルさんを起こして今起きている事を伝えた。シャルさん本人でもトイレに入った後の記憶が無いらしい。そして俺たちはのシャルさんのところへ来た。そして二人のシャルさんが出会う。

「えっ? 私?」

「えっ? 私?」

 最初に聞いたのが本物のシャルさん。見ただけではどっちが本物か分からなくなるほど偽者は、シャルさんにそっくりだった。

「ドッペルゲンガー?」

 そう呟いたのは萌恵だった。

 ドッペルゲンガー……

「モンスターなのか?」

 俺は手をニセシャルさんに向けた。

「はいっ! ドッペルゲンガーはモンスターです。ドッペルゲンガーの特技は人に化ける事。そしてドッペルゲンガーは人の悪い考えを暴発させ、その悪い考えを実現させるモンスターです」

 萌恵が丁寧に説明してくれたお陰かすぐにそのモンスターの特性が分かった。

「なら殺るぞ! 《エラプ……

「ちょっと待って下さい! ドッペルゲンガーは、絶滅危惧種なんです! だから討伐する事は許されていません!」

 なにぃ!? 厄介だな!

「じゃあどうする?」

 俺は魔法の詠唱を止め、手を下ろす。

「無力化魔法なら撃てます、例えば……『パラライズ』とか……

「《パラライズ》!」

 俺は萌恵の話を聞き終わる前に、ドッペルゲンガーに、無力化魔法を使った。

 パラライズ……直訳すると『麻痺させる』だな……ほんとに麻痺してる。これは良い魔法だ。

「えっ!? また! 練習無しで魔法を使えた!?」

 あーめんどくさい事になるー

「それより麻痺してるドッペルゲンガーは、どうするんだ?」

「あっ! ドッペルゲンガーは、普段森に住んでいるモンスターなので森に帰せば良いかと……」

 萌恵の言う通り森に帰すか。

 俺はシャルさんに化けたままのドッペルゲンガーを担いで森に向かった。

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