過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~ユウジ vs ヘイネ~②

サーシャの世界ダンドリオン・訓練場

今俺はヘイネと対峙している
これからヘイネとの模擬戦だ。恐すぎる、冷汗ものだ
どうしてこうなった!?・・・理由もちゃんとある
こうなった理由、時は少し遡る

おやつ時のまったりした時間を過ごした後、俺達は再び訓練場へやってきた
ヘイネがサーシャの訓練風景を見たいんだそうだ
残っている訓練はパーフェクトフェイクとプールだ
サーシャは大体パーフェクトフェイクで汗を流した後、プールに入るので今回もその流れになった

そして今目の前では凄まじい戦闘が行われている
とにかく攻撃が当たらない、当たらない
両者ヒラヒラ避けまくるのだ
それはもうぶるんぶるん、と。ありがとうございます!
今はまだステータス差でごり押しできるが、しばらくしたら敏捷は抜かれそうなぐらいサーシャは成長している
この方式を採用してからのサーシャはとにかくステータスUPが尋常じゃない

『は~。サーシャちゃんすごいね?全然当たらないよ』
ヘイネも感心している、ぽかん顔のヘイネも可愛いな!

「純粋な技術の応酬だからな~。これが魔法なしの戦いだったら、相当やっかいで戦いたくない相手だよな」
戦乙女なサーシャも美しい、興奮する!おっと。色魔、色魔

『ユウジ、パワータイプだもんね?例えばサーシャちゃん相手だったら、どうやって戦うの?』
サーシャとは戦いたくないなぁ。ベッドの上ならいいが

「う~ん。サーシャに限らないが、あんまり女の子とは戦いたくないなぁ。できれば降参して欲しいかな。説得もするし。それでも歯向かうなら容赦はしない。サーシャであってもそうでなくとも、俺の戦い方は変わらない。圧倒的な力で捩じ伏せるのみ!圧倒的強者ってなんかカッコイイじゃん!」

(でもサーシャの戦闘スタイルも感心を集めるよなぁ。敏捷ならステータスも少ししたら切迫もするし、魔法なしの模擬戦もいいな。サーシャみたいなやつとの戦闘も慣れたほうがいいよな。周りはパワータイプばかりだったし。そう考えるとサーシャの存在は俺が更に強くなるにはありがたいわけだ)

ヘイネが頭をなでているので、気持ちよさと快適さも合わさり思考もスムーズだ
やはり膝枕はいい!気持ちよくて膝のむちむち快適なでなでとかなかなかないよな!
ヘイネに膝枕されつつサーシャの鍛練風景を眺め、今後の俺の鍛練内容も考えていた
ふと、なでなでが止まったので残念に思いながらもヘイネを
見るとうっとりした顔で俺を見つめていた
思わず見惚れた。美しい、そして色っぽい
押し倒したくなる!・・・おっと!色魔、色魔

「どうした?ヘイネ。俺の顔になんか付いているか?」
なんでうっとりしてるの?実は好みの顔とか?

『戦いの事を考えてるときのユウジの顔がすごいカッコよかったからだよ?そういう顔もするんだね。普段はなかなか見れない顔だしね?』
なるほど、確かにそうだ。鍛練の事考えてたからか

「惚れ直した?」

『ふふふ、前からもこれからもずっとユウジに惚れていくよ?惚れない日なんてないのかも?』
ほんのりと少し赤くなりながらもにっこり微笑むヘイネは本当美しい、心を奪われる

「ヘイネ・・・」
ヘイネを見つめる

『ユウジ・・・』
ヘイネもユウジを見つめる

「『愛してる』」

桃色空間が突如出来上がり、二人はそのままキスをした
もう完全に周りが見えていなかった
だから気付かなかった。いや、ヘイネはもしかしたら気付いてたかも?周りにある視線に

【かぁ~。若奥様ヘイネさんもおにぃ同様クサいこと言うんッスね~。おにぃの影響ッスか?】
おい!俺の影響ってなんだ?グリグリだな・・・
ヘイネは顔が真っ赤になっている。可愛い

俺はスイをグリグリしながらもあることを尋ねた

「なんでスイはこういつもタイミングよく現れるんだ?」
いつもキメてる時に出てくるよね?

【ふっふ~。私をなめないことッスね!おにぃがいちゃいちゃしてたらなんとなくわかるんッスよ。おにぃ専用のいちゃいちゃセンサーッスかね?】

「スイさん!?いちゃいちゃしてたらスイにわかっちゃうの!?なにそれ?怖い!気をつけていちゃいちゃしないと!」
気をつけるけど、いちゃいちゃはやめない!

{ふぅ~。どうされました?ユウジ様}
サーシャが一息いれるためにこちらにきた

「サーシャ、お疲れ。聞いてくれよ?スイには俺がいちゃいちゃしてたらわかるセンサーがあるんだってよ!」
『サーシャちゃん、お疲れ様。すごかったよ?』
【おねぇ、お疲れ様ッス!おにぃとおねぇがいつもいちゃいちゃしてるのもまるわかりッスよ?】
【お兄ちゃん!お兄ちゃん!レンもいちゃいちゃしたいナノ~】
「{スイさん(ちゃん)!?}」 

またわらわらと集まり出して、わいわいと盛り上がる
しばらくいちゃいちゃセンサーについて話をしていた
俺はスイをグリグリし、サーシャは苦笑、スイは涙目、レンが羨ましがる。
そんないつもの光景にヘイネの笑い声も加わる
あぁ~こういうのもいいよな、幸せだ!と感じていた


しばらく笑いあいながら話をしていたら、スイが

【そう言えば、おねぇはよく訓練してるから強いのわかるッスが、おにぃや若奥様ヘイネさんは強いんッスか?】

お、おい、ちょっと待て!この流れは・・・
テンプレか?テンプレくるのか?・・・だが断る!
ヘイネと戦うとか怖いわ!心臓バックバクです!
まずいよ、まずいよ!流れを変えないと!

【レンもお兄ちゃんが訓練してるとこ見たことないナノ~】
{スイ、レン。いい?ユウジ様は強いわよ?私にスキルとかくれるんだし。ヘイネ様もユウジ様の最愛なんだから強いに決まってるわ}
理屈はおかしいが、ナイスだ!サーシャ!

【でもそれって強いってことになるんッスか?おねぇは実際戦ってるとこ見たことあるッスか?】
くっ・・・!しっかりものがここで仇になるとは・・・

{ある・・・あれ?ユウジ様は一度あるけど瞬殺だったし、それ以外はないかも?ヘイネ様は全くない?}
ちょ、ちょっと?サーシャさん!?仕方ない・・・

「俺達は強いよな、ヘイネ?サーシャよりも強い」
『うん。強いよ?』
これで大丈夫だよな、うん。大丈夫

【本当ッスか~?おねぇは実際かなり強いと思うんッスよ。おにぃはまぁ記憶もあるからわかるッスが、若奥様ヘイネさんは俄に信じがたいんッスよね~】

おまっ!言いたいことはわかるが、言い方ってもんがあるだろ!このままだと・・・

『むぅ!』
ほら!ヘイネが臍曲げたよ!

サーシャとレンはわたわたしている
ヘイネは臍を曲げ、スイは懐疑的な目で見ている

「ヘイネ?スイも悪気があ・・・」
『そこまで言うなら見せてあげるよ!ユウジ戦いましょ?』
あ~。ダメか・・・。テンプレ許さん!

そして冒頭に戻る

(はぁ~。どうしてこうなった。まさかヘイネと戦うことになるとはな・・・。でも神の力を知るにはちょうどいいか。どこまでやれるか試してみたいし、なによりワクワクする。圧倒的な力を持つ神だ。楽しませてくれるだろう。ヘイネの力も知りたい)

「全力で・・・いいんだよな?」
『うん。全力で、きて?』

{ユウジ様、ヘイネ様、頑張ってください}
【おにぃ、若奥様ヘイネさん、頑張るッス】
【お兄ちゃん、ファイトナノ~】

(まずは様子見だ。ヘイネがどれほどの力を持ってるかわからないが、全力でもヘイネなら死なない・・・・だろう。サーシャ、スイ、レンは対象外にして、いくぞ!全力の大死滅圧エンドプレッシャー!発動!)

ユウジがヘイネに全力で大死滅圧エンドプレッシャーを叩き衝けた
かつて魔山では少しの力を入れた大死滅圧エンドプレッシャーで山全体が揺れた
今はそれを遥かに上回る威力だ
サーシャの世界ダンドリオン少し・・揺れた
サーシャ達は突如揺れる世界に驚いた

『・・・!』

(ヘイネも気付いたようだな。ただ・・・効いてない?顔は涼しげだな。マジか・・・。全力だぞ、これ!ん?なにか考えてる?)

ヘイネは確かに考えているような感じだった
人差し指を顎にあて、ん~、と唸っていた
そして考えがまとまったのだろうか、俺に向けて妖艶な笑みを浮かべてポツリと一言

『いくよ?ユウジ?・・・スキル創造』

その妖艶な笑みに、俺はぞわっと悪寒を感じ体全体から嫌な汗が流れはじめた
近づく死の恐怖だろうか?
気を抜けば一気に体が震えてしまいそうな感覚だった

『神圧、発動!』

「がふっ!!こ、これは・・・!ぐぅぅぅ!ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ。」

ヘイネが発動したのは俺と同じ威圧スキルだった
俺の大死滅圧エンドプレッシャーのその上から更に強い威圧で押し潰してきた
サーシャの世界ダンドリオン大きく・・・揺れた
俺はなんとか平静さを保つことができた

『さすがだね、ユウジ。耐えるとは思ってたけど、平静のまま更に動けるとは思わなかったよ?』
「・・・はぁはぁ、余裕じゃないさ。ヘイネ、これはやめよう。サーシャ達がこのままだとやばい、回復してくる」
『え?・・・あ!ごめんね?ユウジ』  

ヘイネがサーシャ達を見ると、サーシャはかろうじて意識はあるものの涙目で全身ぶるぶると震えていた
スイとレンに至っては完全に気を失っていた
俺はサーシャを抱きしめ回復魔法を、ヘイネはスイとレンに回復魔法をかけ起こしていた
回復魔法は傷の癒しだけでなく精神安定効果もあるからだ 3人が落ち着いたところでヘイネは3人にごめんね、と謝っていた

{・・・}
【な、なにが起きたんッスか?急に目の前が暗くなったッス】
【びっくりしたナノ~】

気を失った二人は困惑していたが、意識を保っていたサーシャはただ黙り込んでいた
まぁ無理もないかな、仕方ない
強者にしかわからない恐怖。サーシャも強くなったもんだ
巨大すぎる力を前にするとそうなっちゃうよな?俺もそうだった

俺達は再び対峙した
俺が楽しくて仕方ないのだ
圧倒的な力と恐怖。怖い。怖いけど楽しくてわくわくする
もっとヘイネと戦っていたい、ヘイネを感じていたい

「さっきのは無しにしよう。いくぞ、ヘイネ?五天龍!」

上空には暗雲が立ち込め中から五匹の龍が現れた
魔法により創造せし、焔龍・渦龍・雷龍・氷龍・楓龍だ
セブンバレットを除けば最強の魔法だ
いくら全力バトルでもセブンバレットは使えない
俺はヘイネと殺し合いたいんじゃない、ただ戦闘遊びだけだからだ
ヘイネは五匹がうごめく上空を見て、綺麗な魔法だね?さすがユウジ、と言っていた
俺はただ苦笑するしかなかった。最強の魔法がきれいか、と 
『よし、スキル創造。・・・神帝龍、発動!』

ヘイネがまたスキルを創造してスキルを発動させると、上空が雷雲でひしめき中から1匹の巨大な龍が現れた
俺の龍がさしずめ王龍ならヘイネの龍はまさしく帝龍だった
ヘイネの帝龍は俺の王龍を喰らっていき、俺に向かってきた
俺にはアプソリュートがある、あれなら耐えるはずだ
案の定アプソリュートで耐えた
ヘイネは驚いていた、無理もない

『驚いたよ?・・・私の魔力も吸われているね?見たところ相手の魔力を吸収する絶対障壁かな?やっかいだけど、いいスキルだね!さすがユウジ』
ヘイネは嬉しそうだった。華やいだ笑顔が本当に美しい

(しかし困ったなぁ。最強の魔法が効かないなら後は物理しかない。でもヘイネを殴りたくはない。攻め手がないぞ)

『ふふふ、どうしたの?降参する?』
くすくす笑うヘイネ

(む、少しカチンときたぞ!外から魔法をかけるからダメなんだ。直接、内から魔法をかければ或は・・・。それにはヘイネに気付かれないように近づく必要がある。よし、創るか!・・・記憶創造!)

「余裕だな?ヘイネ。慢心は破滅への序曲なんだぜ?覚悟しろよ?」
決まったな!どう?よかったでしょ!?

【かぁ~。またおにぃがクサいこと言ってるッスよ】
{し~!スイ、言わないの!ユウジ様、決まった!って感じの顔してるんだから}
【レンはね、カッコイイと思わナノ~】

『・・・ユウジ?私はわかってるからね?』  

(・・・。ヘイネぇ、俺の心のオアシスよ!ありがとう!後でスイとサーシャはお仕置きだな。レンはなでなでしてあげよう)

「ごほん、いくぞ?ヘイネ。瞬間移動テレポート!」

俺は一瞬でヘイネの前に姿を現し、片手でたわわに実ったヘイネの山脈を鷲掴んだ
張りのある山脈に弾き返されそうになったが、離しません!

『きゃっ!ユウジ?』
驚くヘイネの声がまた可愛い

「体の内に直接魔法を流し込んでやる、全力の重力魔法グラビティだ!」

【あれって胸である必要ないッスよね?】
スイさん!?指摘しないでくれます!?

{・・・ユウジ様?}
【・・・お兄ちゃん?】
ひぃ!ほら、こうなる!怖い、怖いから!

ヘイネにグラビティを内からかけたことで俺は油断していた
さすがの俺でも強靭な肉体である程度の攻撃は防げても、体の内から直接攻撃されたら耐えられない
かつてマリーと対峙したときに、マリーに勝利した手段だ
マリーも外からの攻撃には無敵を誇ったが、内からは耐えられなかった
体の外は鍛えられるし、魔法で防ぐこともできる 
でも体の内は違う。容易に鍛えられないからだ
だから俺は油断していた

『・・・これ、前マリーちゃんにやったやつだよね?言わなかった?私はいつも・・・ユウジを見ていたんだよ』
観察日記のことか?どういうことだ?

「?どういうこ・・・とおおおおおおおおぁぁぁぁ!?」
急に俺の体がズシンっと重くなり地に伏せるような形になった

(な、なんだ!?なにが起こった?体が動かないぞ!?)

『ふふふ、混乱してるね?』
ヘイネは地に伏せている状態の俺の頭をなでながら言葉を続けた

『さっきも言ったけど、私はいつもユウジを目で追ってたんだよ?だから過去のユウジの戦いも全部知ってる。ユウジの戦いのセンスはすごいと思うよ?あのマリーちゃんですら、倒したんだから。でもね、知ってさえ・・・・・いれば対策はできるんだよ?今のはね?私の体の中に常に展開している防御魔法だよ。反射強奪魔法リフレクト、それと少し細工もしてあるんだ。魔法発動者から魔法の発動権限を強奪できるようにしてあるよ?知ってるんだから体の内の対策はしとくよ?今はユウジの魔法をそのままユウジにかけてる。もちろん内からじゃなくて外からね?ユウジが傷つくの嫌だしね』

「・・・エグい魔法だな、ヘイネ」
苦笑しかなかった

『ユウジのいつもの手じゃない!圧倒的な力での蹂躙。真似してみたよ?はい、魔法解いてあげる』
真似してみた、じゃねぇ!どこぞのYo○Tub○rか!

「ありがとう、ヘイネ」
ヘイネに感謝をし、一旦距離をとる

【おねぇ、おにぃ達は何をしてるんッスか?急に倒れたり、頭をなでたり・・・新手の喜劇ッスか?】
こいつ!言いたい放題言いやがって!絶対グリグリする

{う~ん。私にもさっぱり。遊んでる・・・わけじゃないとは思うんだけど}
遊んでない!いや、遊びだけど。ちゃんと戦ってますから!

【レンもお兄ちゃんなでたいナノ~】
うん、レンはレンだな

『・・・』
ヘイネ!悲しそうな顔しないで!

まぁサーシャ達の気持ちもわかる
傍から見たらそうなんだろう 

(う~ん。打つ手なしだなぁ。どうするか・・・。ヘイネの言い方だと体の内からの攻撃は神でも有効みたいだな。参考になる。なら防御魔法を壊せばいいんだよな。どうすれば・・・)
色々思案していたらヘイネから声がかかった

『ねぇねぇ、ユウジ。私もそろそろ攻撃していい?』

(おっ!ヘイネからか。ちょうど思案も行き詰まってたし、ちょうどいいか。アプソリュートもあるから大丈夫だろう。さっきの魔法も防いだし。ちょっと興味あるんだよなぁ。ヘイネがどんな攻撃するか)

「あぁ、いいぞ?こいよ!」
『いくよ?・・・瞬間移動テレポート~』
へ?なんで使えるの?

一瞬で俺の前に現れるヘイネ
テレポートを使えるヘイネに驚く俺
驚きは更に続く

神拳貫通破砕ファウスバンカー~』
間の抜けたヘイネの言葉が続く

パリンッ!

(はああああああああ!?アプソリュートが破壊されただと!?なんだそりゃ!?無茶苦茶だろ!これはまずい!逃げないと!)

アプソリュートを破壊された俺は急いでヘイネから離れようとする
しかし勢いづいたヘイネからは逃げられなかった

『ユウジ。楽しかったよ?ユウジが更に強くなったら、また戦いましょ?おやすみ、ユウジ』

そう言って、俺に妖艶な笑みを向け微笑むヘイネ
戦いの終わりを告げるであろうその言葉に戦慄したが、それ以上にあまりの美しさに心を奪われ、興奮した

神拳振動破砕ビブラシオン~』
また間の抜けたヘイネの声

「・・・!・・・。」

ヘイネの拳を腹に受けた瞬間、俺の体の内全体が激しく揺さ振られるように振動した感覚が起こった
体全体が揺れているのか?ヘイネが揺れているように見える
体は気持ちいい感覚だ。でも動かない、動けない
気持ちいい感覚が意識を刈り取ろうとしてくる
なにもできない、刈り取られるしかない
早く刈り取ってくれ、早く気持ちよくなりたい!早く!

そして・・・俺はそのまま意識を手放した

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『勇者』ユウジ vs 『女神』ヘイネ

~最終ラウンド~

(勝者)ヘイネ (勝因)圧倒的な神の力

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サーシャの世界ダンドリオン・訓練場

頭の下に柔らかい感触がする
気持ちいい感触とともに意識が覚醒していく

『おはよ、ユウジ。お疲れ様・・・ん!』
「おはよう、ヘイネ。どれだけ気を失ってた?」
ヘイネからのおはようのキス最高だ!

『ほんのちょっとだよ。いちお回復魔法はかけておいたから』
「ありがとう、ヘイネ」

周りを見るとサーシャ達も集まっていた
俺が負けたことにかなり動揺しているみたいだった
それより!俺はそんなことより気になることがあった

「サーシャ。おはようのキスは?お嫁さんの義務!」
例え、どんな環境であろうとこれだけは守らせる!

{あっ!失礼しました、ユウジ様}
サーシャともおはようのキスをする

サーシャのキスも格別だ!
しかしまだだ!まだ美少女はいる
妥協しない、絶対だ!

「スイにレン。グランドマスターお兄ちゃん権限発動だ!俺が起きたらキスをするように。俺からじゃない、お前達からだ!」
いいよね?美少女いたらしたいよね!

ヘイネはにこにこしている。女神や、聖母や!可愛い
サーシャは冷たい視線だ。鬼!閻魔様がいる!怖い!
スイの恥ずかしながらのキスは萌えた。たまらん!
レンのデレデレ甘々なキスは癒された。これもいい!
俺はおはようのキスで大満足した!ありがとうございます!

「しっかしヘイネは本当反則級に強いよな。全く勝負にならなかったよ。神はみんなこうなのか?自信なくすわ・・・。でもヘイネは迎えにいくぞ!俺のモノだしな!」
いつも俺の慢心を打ち砕くのはヘイネだった。助かる 

『ありがと、待ってる。私達原初の神は特別だよ?原初神の中でも私はかなり強いほう。大地を司り、生命を司る神が弱かったら色々支障きたすからね。天使ぐらいなら今のユウジでも勝てるよ?下位神や上位神は相性によるかな?』
ヘイネどんだけ強いんだよ!ヘイネの強さを知れて満足だ

「そっか。まだまだだな、俺も。でも強さの基準がわかった。ありがとう、ヘイネ!ヘイネはやっぱり最高だ!」 
ヘイネの頭をなでなでする

『ありがと。頑張ったユウジにごほうび、ね?・・・ん!』
ヘイネからキスをされると体が淡い光で包まれた

【スキル『神圧』を取得       ランク:不明】
【スキル『神帝龍』を取得      ランク:不明】
【スキル『リフレクト』を取得    ランク:不明】
【スキル『ファウスバンカー』を取得 ランク:不明】
【スキル『ビブラシオン』を取得   ランク:不明】

「うおっ!いいのか、ヘイネ!?」

『うん。もっと強くなって、早く迎えに来てね?ただ・・・オリジナル魔法だからサーシャちゃんには渡せないの。サーシャちゃん、ごめんね?』
あぁ、やっぱり生涯一人オリジナルスキルなのか

{いえ、お気になさならいでください。ヘイネ様}
「サーシャには俺が創造して渡すよ。今回はマジ勉強になったからさ」
{ユウジ様!ありがとうございます!}
サーシャ嬉しそう。選択肢は間違ってなかったな

『ユウジ、ありがと』
「こちらこそだ、ヘイネ」

見つめ合う二人、桃色空間ができかけたその時、

【きた!きたッスよ!お二人とも。今いちゃいちゃしようと思ったッスね?ビンビン感じるッス!】

・・・。

空気読めよ!と、スイをグリグリする
そんないつもの光景にみんなが笑いあった

□□□□

サーシャの世界ダンドリオン・プール

俺とヘイネは戦いの汗を流すべくプールにきていた
サーシャはヘイネの強さに触発されたのか鍛練を続けるそうだ。
いや、今日は休日なんですが・・・真面目だなぁ
スイとレンは作業らしい。だから休日・・・
まぁ二人でプールもいいか。

目の前のヘイネにはビキニを着てもらっている
やばいよ!で、でかい。肢体が眩しい。色魔、色魔
存在感のある豊満な山脈、存在感主張しすぎ!
細くしなやかなくびれたウエスト
むっちりな安産型のヒップ
まさに俺の好みのどストライク!ムラムラする・・・

『ユウジ、気持ちいいね?』
「動いた後だしなぁ~。格別だよな」
『ここもサーシャちゃんの訓練場でしょ?泳ぐの?』 
「だな。イリアスには、泳ぐ文化なかったから泳ぎを教えたよ。今ではお前魚かよ!ってぐらいスイスイ泳ぐぞ?」
『ねぇねぇ、私にも教えて?』

え?ヘイネが?
教えるのはいいがヘイネの運動神経だと難しいんじゃ・・・
まぁもともと別の目的で教えるつもりだったしいいか

そこからヘイネに泳ぎ方のレクチャーが始まった

まずは水中で目を開けられないと話にならんからな
目を瞑ってしまうヘイネは可愛いかった

水中で目を開くことになれたら次は浮く練習だ
体と水面に水平に浮くよう教えた
下半身が沈んできたら合法的にお尻を触って戻した
柔らかかった、ぷにぷにでした。ムラムラした

次はバタ足だ。
楽しそうにバタバタしていたので放置してもよかったが、両足の親指が触れるぐらいに内股になって、水面を軽く素早く蹴るよう、お御足に触れて教えてあげた
すべすべだった。太股も調子によってぷにぷにした
ヘイネから甘い色っぽい声が漏れて興奮した

次は腕の回し方だ。教えるのはクロール
ヘイネの後ろに回って腕をとり、実際に腕を回して教えていた
ヘイネのうなじに見惚れた、たまらん!
そんな時事件は起きた

『ユウジ。あのね、・・・大きくなってるよ?』
「・・・」
な、なにが!?どこが!?

『ふふふ、・・・したくなっちゃった?私はいいよ?』
「お願いします!」
さっきから興奮しっぱなしだったしな!

『じゃあ二人っきりになれるば・・・』
「このままでいい。ここでするぞ」
『え?・・・水の中で?』
「その通りだ。ヘイネ・・・」

そしてそのままヘイネとキスをした
丹念に体全体を可愛がり(特に太股な!)ヘイネと一つになろうとしたが難しかった
一つにはなれたが気持ちよくはあるが、思ったほどじゃなかった
行為よりも見つかるかも?的なスリルのほうが興奮した
ヘイネも同様だったみたいだ
ヘイネにあまり無理をさせないようしっぽり楽しんだ

満足した俺は引き続きヘイネにクロールを教えたが、案の定泳げるようにはならなかった
まぁ想定内だ。ヘイネはしょんぼりしていた、仕方ない
そのうちみんなが集まり出したのでプールで楽しく遊んだ
ヘイネに、サーシャ、スイにレン。
眩しい、眩しいよ!君達!水と戯れる美少女、最高れふ!

□□□□

サーシャの世界ダンドリオン・温泉

ひとしきりプールを堪能した後は温泉でまったりしていた

「ああああ~。たまらんな~」
『気持ちいいね。温泉もあるとはおもわなかったよ?』
{疲れが取れますよね}
【おにぃ、おやじくさいッス】
【ふぅ~。気持ちいいナノ~】

俺の左にヘイネ、右にサーシャが座し、俺の体の胸の位置に左右に座しているのがスイとレンだ
まさに酒池肉林!左右上下どこからでも女性の体の柔らかさが伝わってくる

「スイとレンには感謝してるよ。まさか温泉まで創るとはな。サーシャも気に入ってるみたいだし、ヘイネも気に入ったみたいだ。よくやったぞ、二人とも!」 
【あ、ありがとうッス。おにぃ。喜んでもらえて嬉しいッス】
【レンも頑張ったナノ~】 
スイは照れ隠ししてるな?可愛いやつだ

・・・。

「では地球式の儀式を教える。地球では男性の体を女性が洗う場合、体全体を使って洗うんだ。石鹸で体全体をあわあわにしてな。では洗ってくれ」
『わかった、ユウジ』
{え?本当ですか?}
【おねぇ、そんな、儀式ないッス。それいかがわしいお店ッスよ】
【レンはお兄ちゃん洗うナノ~】

よしよし、ヘイネとレンは予想通りだ
問題はサーシャとスイだ
特にスイは俺の記憶があるしなぁ

「サーシャ洗うんだ、ご主人様命令だ。スイもな?お兄ちゃん権限発動だ。別に嫌ならいいんだぞ?無理はさせない。ヘイネとレンが洗ってくれるしな?いいんだよ、別に?『ふ・た・り』が?いるから。笑」
それはもう挑発しまくりました、サーシャはこれで堕ちる
まぁスイも大丈夫だろう

その後4人の美少女達をあわあわにしてあげた後、あわあわ美少女達の特別接待体洗いを堪能した
いや~最高だったね!温泉最高!

□□□□

王都・神殿前

温泉で身も心も満足した俺達はデートの最終目的地に向かっていた
お土産の天ぷらも回収し、夕方の風が心地よかった

{どちらに行かれるんですか?ユウジ様}
「内緒だ。着いてからのお楽しみだ。というか、サーシャが知らなかったことが驚きだったよ」
『楽しみだね?サーシャちゃん』
左にヘイネ、右にサーシャ。いつも通りな風景だ

神殿前の噴水に着いた。やはりカップルだらけだ
定番なんだろうな、なんでサーシャは知らなかったんだ?
ライトアップされた噴水はやはり幻想的だった
周りのカップルの女性達はその幻想的な美しさにうっとりしていた

もちろん俺の両隣ヘイネとサーシャもその幻想的な美しさに心を奪われていた
俺は噴水よりも二人の横顔に見惚れていた
サーシャが組んでいる右腕からは少し力が入っていた
こういうものに憧れがあるのだろうか

『ユウジ・・・すごくきれい』
{はい、とても、きれいです・・・}
君達のほうがよっぽどきれいだよ

「あぁ、確かにな。幻想的だ。二人を連れてこれてよかった」
ここを教えてくれてありがとな、リア!

『・・・』
{・・・}
しばらく神秘的な世界を堪能している世界

でも俺は・・・い、言うぞ。言っちゃうぞ!
リアに言って二人に言わないのはおかしいからな!
二度目だからな、大丈夫だ。問題ない・・・はず

「確かに幻想的だが、ヘイネ、それにサーシャ。お前達二人のほうが美しい。ライトアップされた噴水よりもずっと幻想的で、神秘的だ。俺の瞳にはお前達二人しか映らない」
そう言って二人を抱き寄せた

言った。言ってやったぞ!
リアと同じセリフは失礼だからな。変えないとな!
スイのいちゃいちゃセンサーが発動してるだろうが無視だ!
ど、どうなの!?

『ふふふ、ありがと。とても嬉しいよ?』
ほんのり赤く照れているヘイネ。可愛らしい

{あああ、ありがとうございましゅ、ユウジ様}
あっ噛んだ。真っ赤になって照れているサーシャ。可愛い

頃合いかな?あまり時間もないしな
リアにもした誓いを二人にしないのは不誠実だ
流れは被るが仕方ない

「ヘイネ、サーシャ。俺の世界の物語なんだが、こういう幻想的な場面で騎士がお姫様に騎士の誓いをする話があるんだ」

そう言って俺は腕組みを離し、二人より少し前に出て振り返り二人と向き合う
向き合った二人の前で片膝を立ててしゃがみこみ、ヘイネの右手を、サーシャの左手をそれぞれ手に取る

『ユウジ!?』
{ユウジ様!?}
「聞いてほしい」

騎士は、ヘイネ、サーシャ二人のお姫様に誓うよ。ヘイネには『最愛』の、サーシャには『親愛』の意志を込めて、ヘイネ、サーシャ二人のお姫様に誓う」

騎士は、ヘイネとサーシャ二人のお姫様騎士の誓い最愛と親愛をし、そっと右手と左手の甲にキスをした

「そして受け取って欲しい。二人はアクセサリー類をあまりしてないみたいだから、よかったら身につけて欲しい。勇者気持ちを込めた自信作だ。大切にして欲しい」

キスした右手と左手の甲をそれぞれくるっと翻し、手の平に一つのアクセサリーをそれぞれ片方ずつ・・・・渡した

マジックイヤリング 『勇愛のイヤリング』

「本当はそれぞれで一つのアクセサリーなんだが、同じものは作れないんだ。別々に作ってもよかったが、なんか違うかなってさ。二人は仲もいいし、俺の全ての気持ちを込めたアクセサリーを二人に片方ずつでも大丈夫かなって思ったんだ。ペアイヤリングってやつだな、片方だけだが。やっぱりダメだったかな?」
バツの悪そうに、それでも照れた顔を二人にむけるユウジ

『ううん、サーシャちゃんと一緒なら私は構わないよ?サーシャちゃんはどう?』
{私もです・・・嬉しいです}
「そうか。ならよかったよ。結構自信作なんだ」

『ありがと、ユウジ。大切にするよ?それにさっきの誓いもカッコよかったよ!』
{一生宝物にします。本当のお姫様になったみたいでした。すごく幸せです}
「改めて言われると結構恥ずかしいな・・・」

『『サーシャちゃん!私達がお姫様なら騎士ユウジに報いる褒美は一つだよね?』』
{{はい!その通りですね。せ~の、でいきましょう}}

何やら顔を見合わせている二人
本当に仲がいいなっとユウジが思っていたら

『{ユウジ(様)}!』
「おぅ?どうした?」

『『いくよ?サーシャちゃん。せ~の!』』
{{わかりました。ヘイネ様。せ~の!}}

『{ありがと(ございます)!愛してる(ます)!}』

ユウジは二人に抱き着かれ、それぞれ左右から頬にキスされた
二人の満面な笑顔と二人の柔らかい唇の感触に、ユウジは至福の時間を味わうのだった

□□□□

王都近郊・平原

騎士ユウジお姫様ヘイネ、サーシャ騎士の誓い最愛と親愛を終えた後、別れの瞬間が迫ってきた
いつもはしんみりしている場面だが、今回は別れる瞬間まで3人で仲良く会話をしていた
3人の距離が以前よりもグッと近づいたからだ 

{ヘイネ様、今度は一緒にサーシャの世界ダンドリオンでお料理しませんか?ユウジ様のお好きな味知りたいですし}
『うん。じゃあ私にも料理教えてね?』
ヘイネとサーシャの共同料理かぁ~、微笑ましいな

『フラワーガーデンに紅茶にいいお花もあったよ?紅茶好きだからサーシャちゃんに合う紅茶見繕うね』
{本当ですか!楽しみです。以前から興味あったんです}
やっぱり紅茶は神様達か!地球の取り入れすぎだから!

女の子同士の話は尽きない
たまにツッコミをいれながらもユウジは耳を傾けていた

『そろそろ時間だね。サーシャちゃん、ユウジをよろしくね』
{はい、ヘイネ様もお元気で。また逢いましょう}
二人は手をとり友好を深めあっているようにみえる

『ユウジ。今日はすごく楽しかったよ?たくさんの体験と新しい家族、そして誓い。大切な宝物だよ』
「それはなによりだ。次もまた宝物になるような思い出にしてあげるよ」
二人は静かに見つめあう

『ユウジ・・・』
「ヘイネ・・・」

『「愛してる」』

見つめ続けていた二人はそのまま唇と唇を重ねた
お互いを慈しむように

『じゃあ、いくね。またね、私達ヘイネとサーシャだけの勇者様ユウジ
「またな、俺だけの女神様ヘイネ

{{・・・!今、『私達だけ』のって聞こえたような!・・・ありがとうございます、ヘイネ様}}

まばゆい光とともにヘイネの姿は平原からなくなっていた

いつものように虚空を見つめるユウジ
哀愁が漂っていたが、いつもとは少し違った

「よし、帰るか。サーシャ!」

サーシャはびっくりした
こんなにも早くユウジが哀愁を振り切ったことに

{お淋しくはないんですか?}
「淋しいさ。でも・・・」

ユウジはサーシャを抱き寄せ言葉を綴った
その顔はすっかりいつものユウジだった

「逢えないわけじゃない。それに次も楽しませる約束をした。サーシャにスイやレンもいる。いつまでもうじうじしてられないだろ?だから側にいてくれ、サーシャ」
{はい!いつまでもずっと!}

「エクスペインまでまもなくだろ?」
{そうですね、すぐになります}

「じゃあ、明日からまた鍛練頑張るか!サーシャもな?」
{もちろんです!頑張ります}
二人は会話をしながら宿に戻った


そして数日後
長い旅が終わり、ついに帝都エクスペインに到着した


マジックイヤリング 勇愛のイヤリング
込められた想いは、『永遠の愛と勇者の愛』

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『神圧』ランク:不明
女神ヘイネから生涯ただ一人にのみ与えられる神技
全てを平伏す威圧

『神帝龍』ランク:不明
女神ヘイネから生涯ただ一人にのみ与えられる神技
雷雲よりいずる神の龍、ペットみたいなもの
龍神とは異なる

『リフレクト』ランク:不明
女神ヘイネから生涯ただ一人にのみ与えられる神技
魔法・物理を反射、更に使用特技権限を強奪できる
体内外に展開可能

『ファウスバンカー』ランク:不明
女神ヘイネから生涯ただ一人にのみ与えられる神技
神拳流貫通破砕拳
あらゆるガードを破壊する奥義
ダメージは与えられない

『ビブラシオン』ランク:不明
女神ヘイネから生涯ただ一人にのみ与えられる神技
神拳流振動破砕拳
体内を直接振動させる奥義
威力は破壊・回復・停止など使用者任意 

『テレポート』ランク:不明
勇者ユウジが記憶創造より構築せし魔法
転移とは異なり目に見える範囲にのみ瞬間で移動できる

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