過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~変態勇者の欲望と最愛女神の神頼~最愛と純愛②

『変態勇者』

また変な称号がついた
それも今回はあまりにもストレートにだ
もはや言葉をオブラートに包む気もないらしい・・・

こんな称号がついた原因はやはり俺だった
ヘイネの願いを聞いて気分が高揚した俺は、理性をなくしスキルの狂愛ではなく、本能の狂愛がそのまま発動してしまった
もはや自我を失った俺は保険にかけるべき魔法の何一つもかけることなく欲望に身を任せてしまったのである
本来制止役のヘイネもまた発情スキルで欲望に身を任せてしまっていたので注意すらしてこなかった
つまり俺らの行為がそのまま外に駄々もれしてしまったのである
一度ならず二度までも・・・
つまり周りからは俺らはそういうプレイが好きなカップルなんだと認識されたのである

狂愛と発情のコラボレーションの意外な欠点が見つかった気がした

□□□□

『居住区』ユウジ邸 ~ヘイネ初訪問~

俺とヘイネは周りの奇異な目から逃げるようにして、俺の家に向かうことにした
俺の家をヘイネに見せるのはなんだかんだ言って初めてだ
いつもヘイネとのデートは外だったしな

『はぁ~。大きいね?予想してたのよりもかなり大きいよ?』
俺の家を見たヘイネのまず一言目がそれだった

(まぁ、大体の人が驚くよな。驚かなかったのはセリーヌとエステルの貴族組だけだしな。それにしても大きいか・・・。主語がないだけでなんてエロく聞こえるんだ!さっきまで愛し合ってたからか妙に気になる。俺のはどうなんだろう?)

チラッとヘイネを見てみる
ヘイネは顔を赤らめてこちらをチラチラと見ていた
心話が聞かているのは分かった上でのやり取りだ

(あれ?やっぱり俺は変態なのか?これも一種のプレイか?・・・まぁいい!変態上等!どうせエクスペインにまで噂は来ないさ!ねぇ、どうなの?俺のはどうなの?大きい?大きいの?ヘイネさん?)

続く俺のセクハラ心話に女神ヘイネはたじたじだ!
意を決してたかのようにヘイネは口を開いた

『お、大きいんじゃないかな?ユウジのしか見たことないからわからないよ?』
はい、キタ────────────!!

一度でいいから女の子に、『大きいね』、とか言われてみたいよな?男の子なら言われてみたいだろ!?
ちょっと言わせた感はあるが気にしない!
好きな子に言ってもらった言う事実が重要なんだ!
しかも、俺のしか見たことない(まぁ当たり前なんだが)、という言葉にも愛しさが増すしなによりも萌える!

セクハラプレイ?を楽しんだ俺とヘイネは玄関前でまたいちゃいちゃし始めた。だってヘイネが可愛らしいからな!
本当このいちゃいちゃしている時間は幸せだ
いつまでもこうしていたいと思っていた

そう思っていたのだが幸せは突然破られる。お約束のように・・・

突如開かれた玄関には、本来なら可愛らしい笑顔なはずなのに、この時ばかりは可愛らしいとは思えず、むしろ怖いとさえ思ってしまった笑顔をしている鬼、もとい、サーシャがいた

〔1時間も遅刻しておいてなに玄関前でいちゃいちゃしてるんですか?ユウジ様?〕
ひぃぃ!?サーシャは凄みがより一層増してきたな!?

そう、サーシャの言う通り待ち合わせ時間から1時間遅刻しているのである
午前中しっぽりとヘイネと楽しんだ後にお嫁さん達と合流するいつもの流れだったのが、今回は狂愛と発情のコラボレーションでついハリキリすぎてしまったのである

俺はいつものことだから慣れているが、ヘイネはサーシャの嫉妬というか怒り?は初めて見たらしく若干引いていた
俺は、ほらほら!神友が引いてますから!、とサーシャに促してヘイネとともに家の中に入ることにした

□□□□

『居住区』ユウジ邸 ~ヘイネとお家デート~

「ばっかも~ん!!お前らはなんにも分かってない!男のロマンをこれっぽっちも理解してない!サーシャやセリーヌ、エステルはまだいいとしよう。知らないだろうからな。だが!俺を神界から度々見ていたヘイネや日本人であるあかりが分かっていないのは実にけしからん!俺の嫁全員連帯責任だ!・・・詩乃!こいつらにあるべき姿というやつを教えてやれ!」

『ユウジ!?』
[ユウ様!?]
〔ユウジ様!?〕
《雄司君!?》
{お師匠様!?}

俺の怒声にお嫁さん達+エステルが体をビクッと跳ねらせた
俺は今目の前の光景に猛烈に怒っている
有り得ないのだ!こんなことが許されていいはずがない!

ここは痛い過去を共有する我が同士詩乃の協力が必要だ!

【なんであたしなのよ!?】
何を言ってるんだ!?我が同士詩乃よ!お前の出番だ!!

なにがそんなに俺を激怒させ詩乃まで巻き込んでいるのか・・・その経緯はほんの少し前まで遡る

□□□□

ヘイネと家族達の挨拶がつつがなく?終わった
といっても、女神である、なんて紹介したから家族はみんな驚いていたが。今更隠すこともないだろ?めんどくさいし
アイサなんて土下座までしてた
騎士道とやらなんやらで俺には忠誠を誓っているみたいだが、その主人よりも遥かに上の神ときたもんだから思わずしてしまったらしい
ヘイネもこれには思わず苦笑いしていた

今回ヘイネを家に連れてきたのには幾つか理由がある

・ヘイネとの『約束』であったマイホームのお披露目
・ヘイネに家族を紹介すること
・ヘイネとあかりの顔合わせ(お嫁さん会議)
・ヘイネに部屋を与えること及び内装への着手
・お家デート

以上の理由だ

マイホームを購入してから大分経つがなかなかヘイネに紹介する機会がなかった
ヘイネとは1ヶ月に1度しか会えないし、何よりも俺がヘイネとデートを楽しみたかったからだ

そのデート場所も基本的には王都イシスか帝都エクスペインだ
他の国には護符を使えばいける(実は護符をオークションで競り落としてから一度も使用していない)のだが、デートであたふたした姿を見せたくない!俺はカッコつけたいのだよ!という理由で行くつもりもない
だからまだイシスかエクスペインにしかいけない
その2つもあらかたデートし尽くしたので今回の運びとなった

お家デートの定番といえばやはり手料理だろう
サーシャが以前ヘイネと一緒に料理をしたいと言っていたのを覚えている
時間的にもお昼が近いのでちょうどいい

料理に参加しているのはサーシャを筆頭に、ヘイネ、セリーヌ、あかり、そしてエステルのお嫁さん達だ
え?エステルは違うだろ!って?口説い!俺の嫁(仮)だ!
そういう訳でサラには今回遠慮してもらった

お嫁さん達の腕前はというと・・・

サーシャの料理はもちろん完璧だ。朝、昼、晩の毎日サーシャの手料理で舌鼓を打っている。サーシャは俺の好みの味を知っているから、サーシャの料理を食べないと落ち着かない

セリーヌは来たる10日男女の仲になる日に向けて花嫁修行の一貫として最近料理を始めた。サーシャとサラの手ほどきを受けているのでまぁ普通かな?ってレベルだ

あかりは旧家のお嬢様だけあって家事系は万能だ。サーシャ以上といっても過言ではない。最近朝食に和食が出てきたのにはビックリした。詩乃との合作の成果らしい。やっぱり朝は和食が1番だな!

ヘイネは俺の『ヘイネ育成計画』によって着々とレパートリーを増やしている
ヘイネはある意味天性の料理上手と言ってもいいぐらい才能がある
知らないだけなので食べさせればちゃんと覚えるのだ
レシピをあげたが覚えなかった。食べさせないとダメみたいだ
食べることで作れるようになるらしい。もう目茶苦茶だな!

エステルは単にヘイネに対してヤキモチ妬いてるだけだな。これぐらいのヤキモチならマジかわいい!てか普段料理してる姿なんて少しも見ないんだが大丈夫か?・・・まさかこれテンプレか?

俺はそんなやる気に満ちたお嫁さん達がキャッキャッしている姿を眺めながら癒されていた
そんなお嫁さん達もいよいよ料理を作り始めるみたいだ
各自エプロンを用意し着用していこうとしている
お、おい・・・?冗談だろ?
一人、また一人、エプロンを着込んでいく
ま、まさか!?ありえない!!神は俺を見捨てたのだろうか!?
そして全員が何の疑問を抱くことなくエプロンを着込み終えた
・・・ブチッ!俺は静かに切れた。目の前の光景にだ!


そして、ばっかも~ん!!の下りに戻る

□□□□

【え~と?ハクト、あんたマジで言ってるの?てか、なんであたしが言わないといけないの?ハクトが言えばいいじゃない】

どうやら詩乃はわかっているらしい。当たり前だよな!
この際ヘイネも仕方ないとしよう、女神だしな
ただ同じ日本人であるあかりが何故わからないのかが理解できない

「もちのろんだ!俺が言ったところでこいつらお嫁さん達は信用しないかもしれない。あのあかりでさえ信用しない可能性が高い!だから同じ女性である詩乃が言うことで信憑性が増すんだ!頼む、我が同士よ!」

ぶ~垂れる詩乃をなんとか宥め協力を仰いだ
なんだかんだ言っても詩乃は頼れるし協力してくれる
押しに弱いタイプなのは一緒に過ごしてきて知っているのだ

頼み込んだ結果詩乃はようやく協力してくれることになった
今だに、どうして俺が怒り出したのかわからない、と言った表情で立ち尽くしているお嫁さん達に詩乃が口を開く

【えっとね、多分ハクトが怒っている理由はあなた達が服の上からエプロンを着込んでいるせいだと思うよ?ハクト、そうなんでしょ?】
『[〔《{ええええ!?}》〕]』

詩乃とお嫁さん達が一斉に俺の方に顔を向ける
よし、ナイスだ!詩乃!よくやった!!
あとは総仕上げだな、俺の出番だ

「全くその通りだ。さすが詩乃だな。・・・いいか?よく聞くんだ愛しい嫁達よ!古来よりお家デートの定番である手料理は裸エプロンで作るのが常識だ。よく考えろ!今は日常じゃない、デート中なんだぞ?いちゃいちゃしないでどうする!裸エプロンとは料理中もいちゃいちゃできるようにと俺の国の先人達が残してくれた文化でもある!温故知新、なんて素晴らしい言葉なんだ!さぁ!愛しい嫁達よ!先人達が残してくれた文化にあやかろうではないか!!」

ちょっと大袈裟過ぎたかな?
まぁこれぐらい大袈裟なほうが逆に真実味があるよな
実際いちゃいちゃもできるし!

『そ、そうなの?まあユウジがそうして欲しいならいいよ?』
うんうん、ヘイネは予想通りだ。なんでもしてくれるしな!

[は、恥ずかしいですの・・・でもユウ様の為に頑張りますの!]
セリーヌもやはりか。基本的に俺に対してはヘイネに近いもんな

〔う、う~ん。しかし・・・家族も見ていますし、裸は・・・〕
言ったな?家族が見ていなきゃいいんだな?言質とったぞ!

《そ、そんな文化聞いた事ないよぉ。でも雄司君の言うことだし、恥ずかしいけど断れないかな・・・》
一途なあかりなら必ず断れないのも予想通りだ!

{は、裸エプロンじゃと!?お師匠様はエッチなのじゃ!!}
エッチなのが目的じゃない!デートとはこうあるべきだ!

サーシャの希望通り?俺以外の家族にはリビングから退出してもらった
これで文句ないよね?サーシャさん?
と言う感じでサーシャを追い詰め、全員が裸の上からエプロンというけしからん、いやいや、素晴らしい格好となった
エステル含め全員だ
エステルは必ずなると思っていた。ヤキモチ屋さんは文句は言うが周りに対抗しようとするからな!

裸エプロンの真髄はなんと言っても女の子達の恥ずかしがる姿を堪能できることだろう
俺の事をチラチラと見ながらも恥ずかしがり、また俺の視線を感じて恥ずかしがる
その恥じらいの行動や仕草、一つ一つが俺を萌えさせる

さてもう一つ気になるのは各自の桃だよな!
裸エプロンになるとどうしてもそこに目がいってしまう
肉付きのよいおいしそうな桃を引っ提げているのはヘイネ、あかり、エステルだ。なるほど、安産型ですか!
対照的に引き締まっていて形のいい桃を引っ提げているのはサーシャ、セリーヌだ。これはこれでいいな!

お嫁さん達を十分目で犯し尽くした俺は大変満足です!
視姦というやつ?・・・どうやら俺は変態みたいでした
ちなみに触ることはしなかった
我慢できなくなるのと何よりもエステルがいるからな
エステルが正式に俺の嫁になったら、改めてみんなにもう一度裸エプロンになってもらってお触りしようと固く決意した

その後運ばれてきた料理を家族を交えて楽しく食していく
家族達と食卓を囲んで楽しく食事をするヘイネはもうすっかり家族の一員のようだ
ヘイネと家族が仲良くしているそんな光景を見ると幸せな感情で包まれる。紹介してよかったな・・・

これが俺の願う『家族の幸せ』なんだろうなと改めて思った


□□□□

side  -白鷺あかり- 

ユウジ邸・ヘイネの部屋 ~お嫁さん会議~

ちょっと恥ずかしいお料理会と和やかな食事会が終わり、私達は今ヘイネ様のお部屋でお嫁さん会議と言うのをしている最中だよ
なんでもヘイネ様が降臨した時は大体行われているみたい
内容は所謂女子会みたいなやつかな?

お部屋の中にいるのはヘイネ様、サーシャさん、セリーヌちゃん、それと私
エステルさんは?と思ったけどお嫁さんではないのと雄司君と一緒にいたいみたい
明らかに雄司君の事好きなのに雄司君のお嫁さんに加わらない。不思議な関係だよね、あの二人は。

今回のお嫁さん会議の主目的は私とヘイネ様の顔合わせみたい
私も確認したいことがあるんだよね

私はジッとヘイネ様を見つめた

《《やっぱりそうだ。あの時王都で見た人に間違い。いつか王城でサーシャさんと一緒に雄司君と腕組みしてた人だ。そっか。あの時からずっとお付き合いしてたんだね。それにしても改めて見ると凄い美人。女神アウラ様に及ばないまでもヘイネ様も十分目が冴えるぐらいに美人だよ!同じ女である私でも見惚れそうなぐらいに・・・》》

『ふふっ。ありがとね?あかりちゃん』
《え!?》

私ににっこりと微笑むヘイネ様に思わず見惚れそうになった
いやいやいや!今はそんな場合じゃないよ!
なんで!?もしかして心を読まれたの!?
周りを見るとサーシャさんとセリーヌちゃんが苦笑いしている
二人も同じ経験があるのかな?そんな感じだよね
そっか。心読めるんだ・・・。改めて凄いね、神様は!
だからこそそんな凄い女神様に私は感謝をしたいの!

《ヘイネ様!本当にありがとうございます!ヘイネ様のおかげでこうして雄司君の隣にいることができます!私の全ては雄司君なんです!だからこそ雄司君の隣にいることができる為の力を授けてくれたヘイネ様にとても感謝しています!本当にありがとうございます!》

私は最大の感謝を女神ヘイネ様に捧げた
ヘイネ様が授けてくれた加護『神援』
これがなかったらきっと今の私はいないかもしれない
雄司君の隣にいることすらできなかったかもしれない
私の願いを、人生を応援してくれたヘイネ様に最大の感謝をしたい。本当にありがとうございます!

『大袈裟だよ?私は加護を与えただけ。あかりちゃんがユウジの側にいるのは間違いなくあかりちゃんが頑張った結果なんだよ?それと気軽にして?敬語とか使わなくてもいいよ?』

ヘイネ様がとても優しく語りかけてくれた
確かに私も頑張ったよ?何度も死にかけたしね
でもやっぱり加護の力は大きいと思うんだよね
努力だけじゃなかなか越えられない壁はきっとあったはずだよ?
だから私がヘイネ様に感謝する気持ちはこれからもずっと変わらないよ!本当にありがとう!
それでもヘイネ様が私の頑張りを認めてくれたのは嬉しくて、だから私は・・・

!ありがとう!大好き!!》

おもいっきりヘイネさんに抱き着いた
別にいいよね?気軽にしてって言ってくれたし!
ヘイネさんやセリーヌさんは凄く驚いていたみたい
サーシャさんだけは温かい目で見守ってくれた

こうして私はずっと言いたいと思っていた感謝ありがとうの言葉を恩人ヘイネさんに言うことができた

□□□□

お嫁さん会議の内容はやっぱり女子会みたい
日々の日常であったことをヘイネさんに事細く報告して盛り上がるみたいな感じだね
当然武術大会の話もでたよ

『え!?あかりちゃんがあのユウジを追い詰めたの!?』
私強そうに見えないもんね。驚くのも無理ないよ

[お姉様、そうなんですの!セリーヌもびっくりしましたの!一度手合わせしてみたいですの!]
ごめんね!私別に戦いは好きじゃないの!必要だからしてるだけ

〔ええ、確かにユウジ様は苦戦されてました。でもとても楽しそうな顔もされてましたよ?それについては羨ましくも思います〕
うん、確かにあの時は心が凄く弾んでいた気がするよ

『そうなんだね。でもちょっと意外かな?確かにあかりちゃんのステータスはすごいけど、それでもあのユウジを追い詰めるには難しいんじゃないかなと思うよ?実際サーシャちゃんやセリーヌちゃんと比べてもそんなに大差ない訳だしね』

ヘイネさんが鋭い意見を言ってきた
それに応じるようにサーシャさんやセリーヌちゃんも頷いて私を見てくる
私は別に隠している訳でもないので事の顛末を詳しく話し始めた

私の強さは雄司君の言葉のおかげだよ。
善戦できたのも雄司君の言葉のおかげだよ。
私が私であるのは雄司君の言葉のおかげだよ。
だって私の心は、全ては、雄司君の言葉で包まれているから
雄司君が紡いできた言葉とこれからも紡がれる新しい言葉。それら全部が私の力になる。
それが私、白鷺あかりの戦い方だからね!

あっ・・・なんか熱く語りすぎちゃったかな?
ヘイネさん、サーシャさん、セリーヌちゃん、みんながすごく驚いてるような気がする。恥ずかしいよ・・・

[す、すごいですの・・・。アカリの気持ちがすごく伝わってきましたの。ユウ様が目をかけるはずですの!]
〔確かにセリーヌちゃんの言う通りです。心に響きました。それと同時に負けられないとも思いましたよ!〕

ありがとう!セリーヌちゃん、サーシャさん
ちょっと恥ずかしいけれど誉めてくれるのは嬉しいよね

『なるほどね。よく分かったよ?アカリちゃん。ちょっとこっちに来てくれるかな?』

なんだろう?私はヘイネさんの側に移動する
ヘイネさんの膝上にはセリーヌちゃんがいるからヘイネさんは動けないんだよね
いいなぁ~。セリーヌちゃん、私の膝上にも座ってくれないかな?
セリーヌちゃん見てるとなんかたまちゃん先生を思い出すんだよね

側にきた私をヘイネさんが突然優しく頭をなでた
え!?なに!?どうしたの?ヘイネさん?
ヘイネさんは戸惑っている私を見て微笑みながら語りかけてきた

『もう応援はいらないよね?だってあかりちゃんは既にユウジの側にいるんだから。そしてあかりちゃんの想いの強さもよく分かったよ?ユウジの力と対になるその力『サンライト』でユウジを、サーシャちゃんやセリーヌちゃんと一緒に守ってあげてね?私はいつもユウジの側にいれる訳じゃないからどうしても心配になっちゃうの。だから女神である私からあかりちゃんに頼みます。私やみんなの愛しい人ユウジをよろしくね?』

ヘイネさんの言葉が終わると同時に私の体を白銀の優しい光が包み込んでいく

【加護『神援』が『神頼』に昇華しました】
【スキル『サンライト』が先天的固有スキルに昇華しました】
【先天的固有スキル『紡がれた言葉の力』を取得しました】

《え!?ヘイネさん、これは?》
『ふふっ。ユウジをよろしくね?』
そう言って向けられたヘイネさんの笑顔はとても美しいものだった

こうして私は新たな力を手に入れたよ
私の、みんなの、愛しい人雄司君を守る為の力を!

ヘイネさん!本当にありがとう!大好き!!

□□□□

私達のお嫁さん会議はまだまだ続いているよ!
さっきの出来事もあって私達はかなり打ち解け合ったんじゃないかな?
そのせいか、いや、元々その予定だったのかな?
話も徐々に核心に迫ってきたみたい

[お姉様!聞いてくださいですの!5日後にユウ様とやっと結ばれるんですの!]

最初に口を開いたのはセリーヌちゃんだったよ
それはもう嬉しそうに!見てるこちらも微笑ましくなるよね
やっぱりこういう話は恥ずかしいけれど女の子でも気になるよね!

『え?確かセリーヌちゃんが15歳になったらって『約束』じゃなかった?セリーヌちゃんまだ13歳だよね?』

あっ。ヘイネさんもその『約束』知ってるんだね
そうなるとこういう話でもほぼ隠し事なく話す感じなのかな?
私が考え事をしている間にサーシャさんやセリーヌちゃんから事の顛末を全て説明し終えたみたい

『よかったね、セリーヌちゃん!ずっと念願だったもんね!おめでとう!頑張るんだよ?』
〔《おめでとう!セリーヌちゃん!!》〕
みんなでパチパチと拍手をする

幸せそうに照れているセリーヌちゃんはすごく可愛かった
なんだろう?この妙な一体感・・・
私は一人っ子だからこういうのは新鮮でいいなぁ~
まるで妹の門出?幸せを祝福してるような幸福感を感じるよ

その後はそこまで話しちゃうの!?と思えるぐらいの赤裸々な体験報告会がヘイネさんとサーシャさんの間で行われていたよ
なんでも貴重な情報交換の場らしい
うん!情報は大事だよね!雄司君も言ってたよ!
だから私はしっかりと耳を傾けたよ。雄司君がどんな小さな情報でも大事だって言ってたからだけどね!

もちろんセリーヌちゃんも真剣な表情で聞いているね
やっと結ばれるんだもんね、色々気になるよね
わからないことは一つ一つ確認しているみたい
そ、そんなことまで教えちゃっていいの!?
あたふたしている私を余所に話はついに核心へと・・・

[さっきからお話に出ている狂愛とはなんですの?]
『〔《とにかくすごいよ!》〕』

私、ヘイネさん、サーシャさんが綺麗にハモったよ!?
やっぱり二人も気に入ってるみたい。すごくわかる!
私達はその時の常時を思いだし顔が上気しだした
そんな私達の様子にセリーヌちゃんが興味を持たない訳がないよね
詳しく話してほしいとせがまれた。その顔は既に少女の顔から女の顔になっていたかも?

『ユウジが少し乱暴になるんだけど、あの征服された感が凄くたまらないんだよ?あぁ私はユウジのものにされたんだな~って心から感じれるの!』

ヘイネさんちょっとM気質なのかな?
女神様は快楽に溺れやすいとか?
でも好きな人のものにされる幸福感は凄くわかる!
・・・あれ?私もヘイネさんの事言えない?

〔凄く愛されている感じがひしひしと伝わってきますよ。狂愛中のユウジ様の瞳の中には私しか映っていないんです。その時だけはユウジ様を独占できるんです!〕

サーシャさんと数日一緒に過ごして分かったけど、サーシャさんは意外と嫉妬深いし独占欲強いんだよね
そんなサーシャさんだからこそ雄司君の狂愛は相性がいいのかな?

[アカリは!?アカリはどうなんですの!?]

そんなキラキラした目で見つめないでよぉ~
これって普通に考えたら恥ずかしい話だよね!?
うぅ~。みんなの前で話すの恥ずかしいよぉ
でもみんな話したんだから、私だけ話さないのはダメだよね・・・恥ずかしいけど仕方ないよね

《わ、私はね、素直な自分や気持ちになれるかな?どんなに恥ずかしい事でも雄司君の前では恥ずかしくならないんだよ。恥ずかしいなんて思う暇がないぐらい激しく求めてくれるからね。だから自分のして欲しいことを素直に伝えられるから凄く満たされるよ》

なんだろう?この、私は元からエッチな子なんです!、って言ってる感覚は・・・
ヘイネさんもサーシャさんもにやにやした顔で私を見ないでよ!

[そ、そうなんですの。す、凄いですの・・・。セリーヌにも狂愛を使ってくれたら嬉しいですの。・・・でもセリーヌはお姉様やサーシャ姉、あかりみたいにスタイル良くありませんの。結ばれることはあっても狂愛は使ってくれないんじゃないかと心配ですの・・・]

う~ん。狂愛は正直難しいんじゃないかな?
雄司君がセリーヌちゃんを大事にしてる気持ちは本物だよ?
だからこそ最初に、15歳までは、って約束したんじゃないかな?
セリーヌちゃんを壊しかねない狂愛を使うとは思えないけど・・・

そんなことを危惧していた私の考えを吹き飛ばす提案をしてきたのがヘイネさんだった

『違うよ?セリーヌちゃん。ユウジが狂愛を使うのを待っていてはダメだよ!使わせるようにしないと!セリーヌちゃんらしくないよ?どんどん攻めないとね?』
[〔《え!?》〕]

私達は思わず聞き返してしまった
雄司君に狂愛を使わせるようにする?どういうこと?
そこで聞かされたのは午前中に行われた情事の事
そのあまりの出来事に私達三人は絶句した

なんでも発情状態を自由に操作できるとか、なにそれ!?
つまり雄司君の理性を崩壊させちゃおうって事だよね?
考える事がすごいよ、ヘイネさん・・・

結局私達全員そのスキルをもらうことになった
やっぱりもらえるなら欲しいし気になるよね・・・

【スキル『発情』を取得 ランク:不明】

・・・。

・・・ゴクッ。
こ、このスキルさえあれば雄司君といつも狂愛で楽しめるんだよね・・・
ゆ、雄司君にたくさん愛してもらえるんだよね・・・

早く試してみたいな、と心の中で考えながら周りを見渡してみるとみんな同じ考えだったみたい
お互いの目があって気まずい雰囲気となる・・・

そんな空気を壊したのはやはりヘイネさんだった
私達の心中を察したのかぽつりっと一言

『今から4人でユウジを襲っちゃう?』
[〔《ええええええええええ!?》〕]

ヘイネさんはとても悪戯めいた笑顔だったけど、多分、いや、絶対本気だったんだろうね
私達の絶叫が家中に響いた瞬間だった


これが私、白鷺あかりと雄司君の最愛ヘイネさんとの初めての出会いだよ!


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