過去と現在を結ぶ異世界ストーリー

なつきいろ

~仕事がデート?と初めての告白~

リブループダンジョン『山紫水明』

ピカチ○ウ君が戻ってから数日後
俺はめんどくさいと感じながらも、あかりとエステルと共にダンジョンをクリアする為、その重い腰を上げることにした

ピカチ○ウ君は実質3日で戻ってきた
ダンジョン『山紫水明』は全部で300階層みたいなので、1日100階層を調べ上げたらしい
別に放っているポ○ポ君は、ピカチ○ウ君よりかは少し多くの階層を調べ上げあげているが、大体1日100階層ペースである

(やはり偵察させるなら飛行型か。それにしても・・・ふむ?この成果はどうなんだろうか?凄いのか?こういう幻影魔法系は生み出した主人の性格がモロに影響することがお約束だからなぁ・・・どうにもピカチ○ウ君やポ○ポ君は信用ならないな。そもそも俺が生み出した幻影だしな)

俺は自分の性格を信頼してはいるが、信用はしていない
もともとものぐさな性格だしな!

ピカチ○ウ君達に疑問を抱いた俺は、あかりにこのスキル先駆け地図を与えてみて比較検証をしてみることにした
あかりを選んだ理由は、真面目なのとダンジョンクイーンと呼ばれている実績を考慮してだ

あかりが生み出したのはハムスターの幻影だった
名前がないと呼びづらいので、仮にハ○太郎君と命名しよう
ハ○太郎君の働きぶりは凄まじいの一言だった
ダンジョン『山紫水明』をわずか1日で、正確には1日も掛からずに調べ上げてきたからだ

(・・・やはり俺の幻影共はあてにならないな。別の用途に使用して、ダンジョン地図の作成はあかりに任せよう・・・さてと、早速ピカチ○ウ君に働いてもらうかな)

「ゆけ!ピカチ○ウ!電光石火だ!」

ピカチ○ウ君が俺の指示に従い素早い身のこなしで、あかりやエステルの周りを走り始める

「ふむふむ。あかりは白か。あかりらしい清楚な色だな。ただ・・・あかりならピンクも似合うんじゃないか?期待しているぞ?・・・エステルはどれどれ?ぶっ!?黒!?黒、、、だと!?おまっ!?12歳のくせにアダルティだな!ねぇ、誘ってるのか!?誘ってるんだよな!?」

《雄司君!?》
{お師匠様!?}

そう俺がピカチュウ君に命じたのはあかりやエステルのパンツを見てくることだった
『先駆け地図』スキルには念のため、あくまで念のために『遠視』スキルも合成しておいた
だから、どんなに離れていても俺と俺の幻影達とは視覚を共有できるようになっている(視覚範囲は魔力依存)

《また覗いたの?雄司君が言ってくれれば下着ぐらいいつでも見せてあげるよ?》
{はぁ~本当お師匠様は無駄に洗練した魔法が多すぎるのじゃ。それに黒はお師匠様が喜ぶから・・・ごにょごにょごにょ}

「ダメだな。二人共なんにも分かっていない。見せてもらうのと見る覗くのでは視覚的興奮度が全く違うんだよ!俺は冒険覗きというの名の興奮を味わいたいんだ!」

あかりとエステルはいつものことなのでもはや苦笑しかしていない。そう、もはやいつものことなのだ

ピカチ○ウ君とハ○太郎君の力の差を思い知った俺は思い悩んだ
ピカチュウ君の存在価値をだ。一度は別れる消すことも考えた
しかしエステルがピカチ○ウ君を気に入っている
消すのはかわいそうだ。もちろんエステルが、だがな
そこで思いついたのがパンツを覗くという力の応用だ
ピカチ○ウ君に新たなお仕事ができた瞬間だった

新生ピカチ○ウ君はよく働く
毎日しっかりと家族のパンツ報告をしてくれる

うちの家族達には基本ズボン系統の服は厳禁としている
これは俺の主人としての唯一の命令だ。理由は単純に趣味だな
みんな可愛いんだから着飾って俺を楽しませて欲しい
ズボン系統はクールに見えていいのかもしれないが、俺が萌えない。故に厳禁!スカート系統でいて欲しい!!

そんな理由があってピカチ○ウ君は生き生きと仕事ができている
さすが俺の幻影だ!まさに力の応用にふさわしい運用方法だな!

さて、家族達には大体好きな傾向があるみたいだ

サーシャは比較的アダルティな下着を好む傾向がある
色的には黒とか赤の系統が多い。すごく興奮した

セリーヌは可愛らしい下着を好む傾向がある
色というか水玉模様の系統が多い

あかりと詩乃は地味な下着をよくつけている印象だ
これは日本人故の弊害か?全くけしからん!
だから俺の好みや二人に似合いそうな色を日々伝えている

エステルは当初はセリーヌ寄りの可愛らしい下着が多かったが、最近はアダルティなのが多くなった印象がある
明らかにサーシャに対抗しているのだろう。可愛い奴だ

ミーとサリー、アオイは同じ傾向だった。所謂絵柄がある下着だ
ミーとサリーは年齢的にわかるのだが、アオイの場合は驚いて二度見してしまった程だ
アオイは今16歳だよな?異世界では普通なのだろうか?

年長組であるサラ、ハリー、アイサ達には激怒した
余りにも妹達に対して示しがつかないので没収もした
地味すぎる!大人なんだから色気を出して欲しい!
興味があるないの問題じゃない!俺が楽しめるかどうかの問題だ!
だから詩乃に任せて年長組の下着を購入してきてもらった
そして詩乃が選んできたのはひもで結ぶ型の下着だった
・・・GJ!詩乃!詩乃は俺の性格を理解してやがる!

こうして俺は毎日ピカチ○ウ君を駆使して、家族の体調とパンツ状況を確認するようになった
ちなみにお風呂にもピカチ○ウ君を突撃させたが、これはさすがに防がれた・・・改良が必要かもしれない

女の子は見られていると意識するとより美しくなるとなんかで聞いたことがある
確か女性ホルモンが活性化するからだっけ?うん、俺はそれに貢献している訳だな。俺偉くね?

・・・え?パンツじゃないって?細けぇこたぁ気にすんな!

俺はこれからも家族の健康と美容の為、ピカチュウ君により一層頑張ってもらおうと決意した!

イェ~イ!ナイスだ!ピカチ○ウ君!!

□□□□

リブループダンジョン『山紫水明』・157F

今日はいちお真面目にダンジョン攻略にきたつもりだった
いちおSランク冒険者のお仕事というやつだな
と言っても、魔物やボスはエステルが駆除しているから何もしていない。暇なのである
だからこそパンツを覗いていた訳だが・・・

ダンジョン攻略については地図があるからガンガン進むことができている
まさにボスからボスの連戦状態だ
ボス部屋に向かう途中で雑魚もたまにわくがそこまで多くはない

《本当に何もしないでサクサク進むんだね》
「だから言っただろ?何もすることがないって。ただ攻略するだけなんだからさ」

もう何度も俺とあかりの間でこの会話が繰り返されている
そもそもなぜあかりが付いてきているのかだが・・・

□□□□

それはエステルと共にダンジョン攻略に繰り出そうとした時だった
今日はSランク冒険者としての仕事が休みなのか、あかりが声を掛けてきた
俺はあかりにダンジョン攻略に行くことを伝えたら、あかりも付いて来ると言い出したのだ

「はぁ?付いてきても何もすることないぞ?攻略はエステルにやらせるし、地図もあるから寄り道もしないぞ?」
《それでも構わないよ?雄司君と一緒にいたいだけだから》

(いやいや!一緒にいたいだけって・・・何もダンジョン攻略の時じゃなくてもいいだろ!いちお仕事なんだからさ。面白くもないんにもないだろうに・・・)

そんな感じのことをあかりに伝えてみたら、

《じゃあデートして?知ってる?雄司君。私一度も雄司君と二人でデートしたことないんだよ?》

───ごふっ。確かにおっしゃっる通りで・・・
事実あかりとはなかなか時間が取れていない
俺は基本いつも暇なのだが、あかりがSランク冒険者としての仕事でかなり忙しい
だからと言ってあかりは責められない
そもそもあかりは、俺に仕事が回ってこないように頑張ってくれているからだ。それには凄く感謝している
そしてたまの休暇になると詩乃との時間にあてたりしている
だから日中はなかなか一緒にいる時間が取れてない

《それにみんなと一緒のデートだと雄司君の隣は既に専用で埋まっちゃってるでしょ?私だって隣にいたいんだよ?だから今なら隣に入れるチャンスかなって思ったんだ》

───ぐふっ。これも確かにおっしゃっる通りで・・・
そうなんだよなぁ。これも悩ましい問題の一つなんだよな
デートの時は基本右がサーシャ、左がヘイネ。これが専用場所となっている。前々から決まっているやつだな
まぁ俺とヘイネの間にはセリーヌがいて、手を繋いでいる訳だが
今のところあかりだけ仲間外れっぽい感じの位置取りになっている
今はあかりだけだが今後はエステルも加入してくるわけで・・・

(いやマジどうしよう・・・。みんなを幸せにしてあげてこその平等の愛なんじゃないのか?たまに専用場所を交換してもらうか?ヘイネは大丈夫だろうが、サーシャはどうだろう?従ってくれるだろうが本心は嫌がるだろうな・・・。あとはこっそりあかりとだけデートする?う~ん。これはこれでいけない気がするな。既にリアともそんな感じだし、バレるリスクが高い・・・)

そんなことを悩んでいたら、あかりから一つ提案された
その提案は驚くものだったが俺の問題を解消してくれるものだった
その提案というのが・・・

《雄司君はこれから色々なダンジョンを攻略するつもりなんだよね?だったら私も一緒に同行させてほしいな。そうすれば雄司君の隣に入れるよね?それに私もついでにSランク冒険者としての仕事もできるしね》

(ふむ?結構ちゃっかりしてるな。ただこれは名案だ。いちお名目上仕事ではあるが、あかりと一緒にいれる口実にもなる。つまり仕事がデートの代わりになるということか。ダンジョンはこれからガンガン攻略するつもりだし、あかりとの時間もたくさん取れるな)

□□□□

こんなやり取りがあって今に至る

今後ダンジョン攻略はあかりも一緒に行くことになった
まぁ俺としてもあかりといちゃいちゃできる時間が増えて嬉しい

《じゃあダンジョン攻略の時は雄司君の左は私専用でいいよね?》

どちらが専用でも構わないのだがなんで左なんだろう?
気になったので尋ねてみたら、ヘイネが左専用だかららしい
どういうことだ?ますますわからん

《ヘイネさんが雄司君の最愛で、そして普段雄司君の左がヘイネさん専用なんだよね?だったら雄司君の左は最愛のポジションなんじゃないかな?だから私は左がいいの!》

(つまりダンジョン攻略の時はあかりが俺の最愛であると?別に左が最愛ポジションと決めた訳ではないが・・・まぁあかりも喜んでいるし、水を差す必要はないか)

こうして仕事がデートに早変わりした
つまらない仕事もデートだと思えば楽しくなるな
そもそも暇な時間をいちゃいちゃにあてることができるし、腹が減ったらその場であかりが料理もしてくれる

・・・あれ?実はかなり合理的なのか?
エステルが修業の一環として攻略する
俺とあかりがその後ろでいちゃいちゃを堪能する
食事時になったらあかりがその場で料理する
最高の待遇じゃなかろうか!
あ、ちなみに俺はラスボスぐらいは倒すぞ?いちお働かないとな!

□□□□

ダンジョン『山紫水明』・300F

蟹?目の前には蟹らしきものがいる
体長は5mぐらいで全体が赤く、大きなハサミを携えている
ここはダンジョン『山紫水明』の最下層だ
ずっと気になってはいたのだが、『山紫水明』はやたらと水系の魔物が多かった
ダンジョン毎になにか違いがあるのだろうか?
確か魔山と魔樹海は獣系が多かった気がする
あとでエステルにでも聞いてみよう

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー甲殻王マークリン レベル:120

体力:1900000
魔力:3500000
筋力:150000
敏捷:2000000(+1500000)
器用:6800
幸運:88

加護:水神アクア『神速』
称号:『甲殻王』
技能:鉄壁/硬化/渦乱/産卵/水刃魔法/身体強化/水生眼
   魔力感知/魔力操作/水生召喚/津波/アクアボール
『神速』:神速のステータスUP(成長依存)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「・・・にしても弱すぎない?中級者向けのボスがこれ?」
《う~ん・・・私がクリアしてきたダンジョンのボスと同じぐらいだよ?ダンジョンはボスよりもダンジョンの攻略自体がやっかいみたいだしね》
{お師匠様がわざわざ戦う必要ないのではないか?なんなら妾が倒しても構わぬのじゃ!}

(う~ん。そうしてもらうか?いやでもそれだと俺の存在意義がなぁ~。なんかこいつから得られるものがあればいいのだが・・・)

「こいつ食べられる?」
{これはボスだから分からぬが、この種族の魔物は美味らしいのじゃ!}

(いや、まぁ見るからに蟹だしな。きっと美味いんだろう。産卵なんてスキルあるから産卵させて卵を持ち帰えるか。その卵をサーシャの世界で育てれば毎日蟹三昧になるんじゃないか!?蟹道楽、蟹道楽!)

「この蟹を孕ませる!」
《雄司君!?》
{お師匠様!?}
「間違えた。孕ませるのはあかりとエステルだな。この蟹は産卵させる!そしたら毎日蟹三昧になるかもな!」

俺の白々しい言葉にあかりとエステルは顔が真っ赤になっている
あかりはお嫁さんだから照れるのはわかる
エステルにはこうやって少しずつ意識させていくことが重要だな。刷り込み効果ってやつだな

(まぁそれはいいとして・・・今後はあかりとエステルの3人でダンジョンをクリアする訳だが、加護ってどうにかならないだろうか?倒した人しか手に入らないのはもったいないと思うんだよな。できるなら3人でもらいたい。エステルに相談してみるか!)

「なぁエステル。加護を俺達全員で取得したい。なにか考えてくれ。ごほうびは弾むぞ?」
《雄司君!?さすがに無茶ぶりすぎない!?》
{任せるのじゃ!ごほうび期待しているのじゃ!}

無茶ぶり・・・。確かにそうかもしれないな
だが!エステルならきっと考えつくはずだ!
なんとなくだがエステルならできる気がする
それに俺からの頼み事を任されたエステルの顔は自信に満ち溢れていて美しい!
やはりエステルの戦場はここサポートにある!

エステルが考えている間に俺とあかりは産卵作業に入る
どうやって産卵させるかだって?そんなもん『記憶収集』使うに決まってるだろ!ご都合主義だな!
産卵時期だと勘違いさせればいいだけですよ、簡単なお仕事です!

───。
──────。
─────────。

蟹が産卵準備に入る
いちお魔物だが生命の神秘ってやつ?
懸命に卵を産んでいる姿はとても魔物には見えなかった
体が大きい分迫力もあるし、なによりも神秘的だ
てか卵デカいな!?一つ一つがソフトボールぐらいあるぞ!?

俺がそんな無粋なことを考えていたら、俺の隣で腕組みをしているあかりの腕に力が入ったのを感じた
あかりも同じ女性?雌?故、なにか思うところがあったらしい
蟹の神秘的とさえ言える産卵に涙しながら魅入っていた
なんで泣いてるの!?感受性高すぎない!?そう思いながらもあかりの美しい横顔に見惚れていた

(・・・やっぱりあかりはこうしてみると美人だよなぁ。こんな美人が今や俺の嫁になってるんだから人生何があるかわからないもんだ。それに幼馴染みでクラスメートとか色々エロい要素をぶち込んできてるしな・・・)

ちょっとムラムラしかけた俺は色魔で情欲で抑えながらも、あかりをグイッと引き寄せ抱きしめた

《雄司君?》

いきなり抱きしめられて驚いたのか、あかりの視線は蟹の神秘的な産卵シーンから俺の平凡的な顔へと移ってきた
あかりを抱きしめながらも思う

(やはりあかりは美しい。普段から美人だが、今はあかりの頬を伝う涙がより一層あかりの美しさを際立たせている。あかりが愛おしい。こんなにもあかりが愛おしいと感じたのは武術大会以来だろうか?)
愛おしいという想いを込めてほんの少し強く抱きしめた

あかりも最初は驚いていたものの、今はすっかり受け入れてくれて、俺の背中に手を回し抱き返してきてくれた
いつまでもこうしていたいが、俺は忘れていない
愛情を伝えるには態度だけではダメなのだ
気持ちを、想いを言葉に乗せて相手に伝えないと・・・

「あかり。俺は改めて思うよ。俺はこんなにあかりが好きなんだって!こんなにもあかりを愛しているんだって!だからいつまでも俺の側にいてほしい。俺にはあかりが必要なんだ。いつまでもあかりのその太陽のような明るさや優しさで俺を照らし続けてくれ。その代わり俺があかりを一生月あかりで照らし続けてやるから」

《あり、、、がとう、雄司君・・・》

俺の胸の中であかりが啜り泣くように泣いている
明らかに感極まったような印象だ・・・なんで?

(あれ?なんか思っていたような反応と違うぞ?確かに想いの丈全部吐き出したからある程度は感動してくれるとは思っていたが・・・ちょっと感動しすぎな気がする。あかりは大袈裟だな、なんてお約束が言える雰囲気じゃないんだが!?どうなってんの!?)

俺があかりの様子に戸惑っていたら、そんな俺の狼狽した様子が伝わったのかあかりが口を開いた

《・・・えへへっ。ごめんね、雄司君。すごく嬉しくて感動しちゃったよ》
「別に構わないが・・・感動しすぎじゃないか?いつも愛の言葉なら囁いてるだろ?なんでまた今回に限ってそんなに?」
よし!お約束を言えたぞ!返答は如何に!?

《・・・》
「・・・?」

・・・え?なに?また俺なにかしたの!?
お約束か!?やはりお約束がいけなかったか!?
クソッ!テンプレ先輩許さないからな!!

《・・・雄司君は気付いていないんだね。今の告白は初めての告白なんだよ?》
「!!!」

(ど、どういうことだ!?俺からは初めてだと!?あれ?そんなはずないよな?武術大会・・・はあかりに促されてだったな。プロポーズ!プロポーズがあるじゃないか!)

「そ、そんなことはないはずだぞ?プロポーズの時に想いを綴ったはずだからな」
《・・・確かにそうだね。でもあれは私に、だけじゃなかったよね。みんなにそれぞれ綴った想いなはずだよ?》

(うぐぅ。言われてみると確かにそうだ。そうなると、、、あれ?おいおいおいおい。まさか冗談だろ!?本当にあかりだけに綴った告白って全くないぞ・・・。今はまだ嫁ですらないエステルにすら俺からの告白を伝えてあるのに、嫁であるあかりには伝えていない!?さすがにそれはどうなんだ!?・・・どんだけ俺はあかりを蔑ろにしてるんだよ!!)

「・・・色々とごめん」
《責めてる訳じゃないんだよ?でもこれで私が大袈裟じゃないってのは分かってくれたよね?それに私はすごく嬉しかったんだから!雄司君が本当に心の底から私を求めてくれてるのが分かったからね。雄司君が私だけの為に特別な想いを込めてくれた言葉は私の力になるの。今までがそうだったように、これからもずっと雄司君の側で、雄司君が綴る新しい言葉想いを私に聞かせてほしいかな。だから雄司君。もう一度・・・想いを込めて愛しているって言って?》

・・・。
清らかというかなんというか・・・
ただひたすら俺に一途で純粋な愛を捧げてくれているんだよな
俺はもっとあかりを大切にしてやらないと!
あかりの純愛に応えてあげられるだけの愛を俺もあかりに捧げてあげないとな!

「あかり・・・愛している!」
《ありがとう雄司君。私も愛しているよ!》

そして俺とあかりは見つめ合いそのままキスをした
お互い初めてのキスという訳ではないのに、俺もあかりも顔が真っ赤になってなんとも恥ずかしい感じだ

こういうキスもまた新鮮でいいかもしれない
ちょっと名残惜しかった俺は・・・

「あかりもう一度だ。今度は俺の気持ちと『約束』の想いを込めてあかりに捧げたい!」
《『約束』?》

「もう二度とあかりを蔑ろにはしない。俺の・・・全力全開だったか?それであかりを精一杯愛すると『約束』する。だからあかりは俺だけのものだ。誰にも渡さないし、渡すつもりもない。これからもずっと俺だけのものでいて、俺の側で誰よりも俺の言葉を聞き続けてくれ」

俺からあかりに『約束』する内容は3つだ
・あかりを二度と蔑ろにしないでキチンと愛すること
・あかりは一生俺だけの嫁でいること
・あかりに誰よりも俺の言葉を聞かせてあげること

《雄司君はずるいよね。雄司君は私を独占するのに、私には雄司君を独占させてくれないんだから!》

「当然だな。俺はあかりを含めたみんなの俺だからな。でもあかりは俺だけのものだ。それ以外は許さない!だからそういうの全部含めた上で俺を愛して欲しいし、愛してくれ。その代わり全力であかりを愛してやる!こんな傲慢な俺は嫌いか?」

十分無茶苦茶なことを言っているのは自覚がある
それでも誰か一人に絞ることは到底できない
ヘイネは好きだし、サーシャも好きだ。もちろんセリーヌやマリー、そしてエステルも好きだ
俺が絞れないなら相手にそれを認めてもらうしかない!
これが俺の愛の形なんだから!!

{・・・}
ん?エステルが何か言いたそう?なんだろう?

《ふふふ。本当に傲慢だよね?それでも私は雄司君が好き!私はいつも全力全開で雄司君を愛しているよ!だから・・・今日からたくさん愛してね!『約束』だよ!》

そうして再びあかりと唇を重ねた
今度は何度もお互いを求めるような熱い口づけを・・・

これが俺とあかりの『はじめての約束』だった

その後エステルから考え出されたスキルを創造し、無事ダンジョン『山紫水明』を3人仲良くクリアした



途中俺とあかりの愛の劇場を鑑賞していたエステルの反応が気になったが、それはまた別のお話である



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