ラスボス転生!?~明日からラスボスやめます~
ゴブリン襲来です!!
ドアに手を掛けると、そこについていたベルが、カランカランと心地いい音色を奏でる。私は、その音と共に建物内へと足を踏み入れる。
お昼の時間と言うのもあってか、この建物内には人が溢れていた。それぞれの席に座って、料理を頬張っている大体の人が、冒険者らしい格好をしている。
鎧に身を包んだ人だったり、身長よりも大きな剣を担いでいる人だったり、コスプレ魔法少女見たいな格好をしている人も......
今からクエストに行く、冒険者達がそのクエストを成功できるようにと、気合いを入れている場所でもあった。
「いらっしゃいませー」
そう言いながら、トテトテと小走りする女の子が私達を迎えてくれた。
メイド服のような店のコスチュームに身を包んでいるこの子だが、私はメイド服よりも、この子自信に興味があった。
あぁ、勿論。変態のような変な意味ではなく......
「案にゃいしますにゃ~」
ピコピコと音に反応している三角の耳。世話しなく動く長い尻尾。そして、笑顔の時に出る、可愛らしい八重歯。
......そうです。この子、猫の獣人さんにゃのです!!
異世界に来て初めて見た獣人(ギルドのバニーガールは、本物なのか分からなかった)。に興奮を隠せない。
つい、手を伸ばして頭をなでなでしてしまうような可愛さだ。
「ふにゃ!?」
というか、気が付いたら撫でていました。
指の間を抜ける、サラサラの茶髪。本当に大きな猫を撫でているように思えて、やめられない♪止まらない♪
私の指が触れる度にピクピクと反応していた耳の後ろを優しく撫でると......
「ふにゃぁん」
先程とは違って気持ち良さそうな声が、聞こえてくる。そんな弱点を見付けた私は、そこを撫で回す。そうする度に、ピクンピクンと耳が可愛く反応を返す。
「あっ、はにゃ!! んにゃ。そこは、ら、らめにゃ~」
ヤバイ......可愛すぎる。いつまでも撫でてられる気がする。
でも同時に、なんかイケナイことをしているような気がする。これじゃあ私、ただの変態じゃ......
『変態』という言葉に、恐怖を覚える。私が......あの、ギルドマスターと一緒......だと!?
そんな考えが頭を過り、女の子から渋々と手を離す。
「はぁ~......はぁ~......にゃんにゃんですか? あなた達は?」
頬を紅く染め、息を整えながら。質問を投げ掛けてくる猫さん
そんな言葉に、何でこの場所に来たかを思い出す。
「隣のギルドからクエストを受けてやって来ました。マナって言います。よろしくね」
「......プイ」
顔をそらしてしまった。拗ねてしまったのだろうか? だけど、自分で「プイ」と言うところも可愛いから、見てて面白い。
そして、ローエン達の所へと行き、クエストの事について話し始める。
「クエスト内容のGの退治は、向こうにゃ」
ん? Gの退治? ......あっ、そうか、ゴブリンだからGなのかな。この世界だと変な言い方でもおかしくはない。
そして、案内されるままに付いていく、店の奥の扉を開き、中に入る。冒険者達のうるさい騒ぎ声も、鳴りを潜め、少し落ち着いた雰囲気のある場所になった。
周りを見回すと、色々な荷物が置いてあるだけの少し寂しい空間が広がっていた。店内とは大違いの雰囲気だ。
「では、お願いしますにゃ。......頑張るにゃ」
ちょっと、私を見て可愛そうなものを見るような目をする。そして、その部屋から出ていった。
と言っても、何をすれば良いのだろう? ゴブリンなんてどこにも居ないし、荷物を預けているだけの場所のようで、他には何も置いていない質素な部屋。
唯一のこの部屋の異変は、どこからかカサカサッと何が動くような音が聞こえること。ラスボスの聴力をもってすれば、位置を掴む事なんて簡単に出来る。
だけど、それをすぐにやらなかったのは、嫌な予感がしたからだ。女の子の勘はよく当たるのだ......
カサカサッ、カサッ
「セツナ、ちょっと苦手」
「......マ、マ、マナ様、帰っても良いですか?」
うん、私も帰りたくなってきた。
「ねぇ、セツナ。ちょっと質問をしていい?」
どこからか鳴る嫌な音に頭を抑えながら、セツナにとある質問をする。
「ゴブリンってどんな見た目なの?」
「黒くテカテカしていて、カサカサッと嫌な声を発しながら高速で移動する......虫です」
カサカサッ。カサカサッ。
...............ラスボス。お家に帰える。
いえ、帰らせてください。お願いします!!
......うん、嫌な予感はしてたよ。お店の女の子が「Gの退治」と言った時から、まさかとは思っていたよ!!
カサカサッ。カサカサカサカサ。
「それと、跳んできます」
セツナ......うん、知ってる。
それは、私のトラウマです。あれは、現実世界で、G退治専門装備を片手に戦っていた時のこと。
先に敵を発見した私が、武器で遠距離から先制攻撃を仕掛け、命中させた。......勝ったかのように思えた、その試合いは、敵のスキルによって、私に恐怖を植え付けた。
そのスキルとは、『飛行』。
あろうことか、その敵は、私に向かって真っ直ぐに飛んで来たのだ。ブーーーンと、低く連続したその音は、私の脳内に焼き付けられた。
そして、私はその事にパニックになり、手に持っていた最強の武器を投げてしまった。
だが、運よく投げた武器が当たり、何とかなったが......無理。考えただけでも鳥肌が......
カサカサカサカサ。カサカサカサカサ。
やめて......一生のお願いだから。来ないで......
どうにか、どうにかして、この状況を打開しなければ......私の心が死んでしまう。
何か、何とかならないか。
カサカサ......ガサッ。
え!? 今の音って......振り返った私が見たものは、あの時と同じ光景。飛んで来る物体G。
あの時と同じく、パニックになり、頭が真っ白になる。
「ヤッ、死ぬ」
本気でそんな事を思ったのは初めてだった。だが、私の5年間の経験が、ここで威力を発揮する。
ふって湧いたのは、この状況を解決する、ラスボスの能力。
「最後の審判」
対称。この世全てのゴブリン。発動!!
「......や、やった。私やったよ」
Gをこの世から消し去ったよ。これで、もう心配することはない。
トラウマからの心の開放を味わう。
......カサカサッ。
......この日、ラスボスが『最後の審判』を使った回数は、10回だったそうです。
その後、クエストクリアした、ラスボスは、とても嬉しそうにお店の女の子を撫で回すのでした。
お昼の時間と言うのもあってか、この建物内には人が溢れていた。それぞれの席に座って、料理を頬張っている大体の人が、冒険者らしい格好をしている。
鎧に身を包んだ人だったり、身長よりも大きな剣を担いでいる人だったり、コスプレ魔法少女見たいな格好をしている人も......
今からクエストに行く、冒険者達がそのクエストを成功できるようにと、気合いを入れている場所でもあった。
「いらっしゃいませー」
そう言いながら、トテトテと小走りする女の子が私達を迎えてくれた。
メイド服のような店のコスチュームに身を包んでいるこの子だが、私はメイド服よりも、この子自信に興味があった。
あぁ、勿論。変態のような変な意味ではなく......
「案にゃいしますにゃ~」
ピコピコと音に反応している三角の耳。世話しなく動く長い尻尾。そして、笑顔の時に出る、可愛らしい八重歯。
......そうです。この子、猫の獣人さんにゃのです!!
異世界に来て初めて見た獣人(ギルドのバニーガールは、本物なのか分からなかった)。に興奮を隠せない。
つい、手を伸ばして頭をなでなでしてしまうような可愛さだ。
「ふにゃ!?」
というか、気が付いたら撫でていました。
指の間を抜ける、サラサラの茶髪。本当に大きな猫を撫でているように思えて、やめられない♪止まらない♪
私の指が触れる度にピクピクと反応していた耳の後ろを優しく撫でると......
「ふにゃぁん」
先程とは違って気持ち良さそうな声が、聞こえてくる。そんな弱点を見付けた私は、そこを撫で回す。そうする度に、ピクンピクンと耳が可愛く反応を返す。
「あっ、はにゃ!! んにゃ。そこは、ら、らめにゃ~」
ヤバイ......可愛すぎる。いつまでも撫でてられる気がする。
でも同時に、なんかイケナイことをしているような気がする。これじゃあ私、ただの変態じゃ......
『変態』という言葉に、恐怖を覚える。私が......あの、ギルドマスターと一緒......だと!?
そんな考えが頭を過り、女の子から渋々と手を離す。
「はぁ~......はぁ~......にゃんにゃんですか? あなた達は?」
頬を紅く染め、息を整えながら。質問を投げ掛けてくる猫さん
そんな言葉に、何でこの場所に来たかを思い出す。
「隣のギルドからクエストを受けてやって来ました。マナって言います。よろしくね」
「......プイ」
顔をそらしてしまった。拗ねてしまったのだろうか? だけど、自分で「プイ」と言うところも可愛いから、見てて面白い。
そして、ローエン達の所へと行き、クエストの事について話し始める。
「クエスト内容のGの退治は、向こうにゃ」
ん? Gの退治? ......あっ、そうか、ゴブリンだからGなのかな。この世界だと変な言い方でもおかしくはない。
そして、案内されるままに付いていく、店の奥の扉を開き、中に入る。冒険者達のうるさい騒ぎ声も、鳴りを潜め、少し落ち着いた雰囲気のある場所になった。
周りを見回すと、色々な荷物が置いてあるだけの少し寂しい空間が広がっていた。店内とは大違いの雰囲気だ。
「では、お願いしますにゃ。......頑張るにゃ」
ちょっと、私を見て可愛そうなものを見るような目をする。そして、その部屋から出ていった。
と言っても、何をすれば良いのだろう? ゴブリンなんてどこにも居ないし、荷物を預けているだけの場所のようで、他には何も置いていない質素な部屋。
唯一のこの部屋の異変は、どこからかカサカサッと何が動くような音が聞こえること。ラスボスの聴力をもってすれば、位置を掴む事なんて簡単に出来る。
だけど、それをすぐにやらなかったのは、嫌な予感がしたからだ。女の子の勘はよく当たるのだ......
カサカサッ、カサッ
「セツナ、ちょっと苦手」
「......マ、マ、マナ様、帰っても良いですか?」
うん、私も帰りたくなってきた。
「ねぇ、セツナ。ちょっと質問をしていい?」
どこからか鳴る嫌な音に頭を抑えながら、セツナにとある質問をする。
「ゴブリンってどんな見た目なの?」
「黒くテカテカしていて、カサカサッと嫌な声を発しながら高速で移動する......虫です」
カサカサッ。カサカサッ。
...............ラスボス。お家に帰える。
いえ、帰らせてください。お願いします!!
......うん、嫌な予感はしてたよ。お店の女の子が「Gの退治」と言った時から、まさかとは思っていたよ!!
カサカサッ。カサカサカサカサ。
「それと、跳んできます」
セツナ......うん、知ってる。
それは、私のトラウマです。あれは、現実世界で、G退治専門装備を片手に戦っていた時のこと。
先に敵を発見した私が、武器で遠距離から先制攻撃を仕掛け、命中させた。......勝ったかのように思えた、その試合いは、敵のスキルによって、私に恐怖を植え付けた。
そのスキルとは、『飛行』。
あろうことか、その敵は、私に向かって真っ直ぐに飛んで来たのだ。ブーーーンと、低く連続したその音は、私の脳内に焼き付けられた。
そして、私はその事にパニックになり、手に持っていた最強の武器を投げてしまった。
だが、運よく投げた武器が当たり、何とかなったが......無理。考えただけでも鳥肌が......
カサカサカサカサ。カサカサカサカサ。
やめて......一生のお願いだから。来ないで......
どうにか、どうにかして、この状況を打開しなければ......私の心が死んでしまう。
何か、何とかならないか。
カサカサ......ガサッ。
え!? 今の音って......振り返った私が見たものは、あの時と同じ光景。飛んで来る物体G。
あの時と同じく、パニックになり、頭が真っ白になる。
「ヤッ、死ぬ」
本気でそんな事を思ったのは初めてだった。だが、私の5年間の経験が、ここで威力を発揮する。
ふって湧いたのは、この状況を解決する、ラスボスの能力。
「最後の審判」
対称。この世全てのゴブリン。発動!!
「......や、やった。私やったよ」
Gをこの世から消し去ったよ。これで、もう心配することはない。
トラウマからの心の開放を味わう。
......カサカサッ。
......この日、ラスボスが『最後の審判』を使った回数は、10回だったそうです。
その後、クエストクリアした、ラスボスは、とても嬉しそうにお店の女の子を撫で回すのでした。
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