ラスボス転生!?~明日からラスボスやめます~
異世界エンジョイです!!
やっぱり異世界に来た時に行く場所は、一つに決まっている。
「私、冒険者ギルドに行きたいんだけど......いい?」
と、せっかくの可愛い容姿なので、首をかしげて可愛くお願いしてみる。
超絶美少女(自己評価)のお願いを断る事はなく、むしろセツナは賛成してくれる。
「マナ様、セツナも行きたいです。人間にどんなのがいるか見てみたいですし」
セツナが言うと少し怖い発言が聞こえる。
頼むから暴れないでくれよと心の中で願いながら、他の意見を聞く。
「冒険者なんて、野蛮な輩にマナ様を会わせたく無いですが......仕方ないですね」
やれやれと言った様子でローエンも賛同してくれる。
そして、意外にも別の意見を出したのがデリドラだった。
「我は、良い匂いのする場所に行っても良いですか?」
見た目はイケメンでも、中身はデリドラ。そのギャップに仕方ないと思いつつ、一人ではどこに行くか分からないので、シーナを同行させる事にした。
お金はシーナに握らせているので、お店の食べ物全てを食べるという事もないだろう。
念のためリッカには、発信器を作ってもらいデリドラに装着させた。これでどこにいても分かるだろう。
「では、三時間後にここに集まるという事で良いですか?」
ローエンがしっかりと時間を決めて、取り締まる。やはり、しっかりした人が一人いるとすぐに纏まって行動できる。
全員が頷き返し、別行動に入る。
その前に、私はシーナの近くに行き、耳を貸してと手招きする。
少し屈んで、私の口元に耳を近付けてくれるけど、その体制になるとプニプニと主張される、二つの凶器を「縮め!!」と念を込めながら見る。
「デリドラが変なことしたら、殴ってもいいからすぐにやめさせてね。シーナ、頼んだよ」
「はい~、分かりました~」
そう言って、ちょっと含みのある笑顔を向けてシーナは、デリドラと共に歩いていった。
それを、手を振って見送りながら、それぞれの道へ歩きだす。
「よし、じゃあ行こう!!」
この世界は、中世風の街並み、大通りには、デリドラが言っていたようやに良い匂いのするお店が建ち並んでいる。
屋台から香る、料理の香ばしい匂いが鼻を通り抜ける。
今が大体、昼の12時位でどの店も賑わっている。
通りすぎる人々が美味しそうに屋台で買った物を食べている。こんがりと焼けて串刺しにしてある肉。見た目は完全に焼き鳥だ。
それを見ていると私も食べたくなってしまう、デリドラの気持ちが少し分かる気がしてきた。
ラスボスという存在は、食べ物を食べなくても生きていける。だけど、今まで三食食べていたのが普通だった私にとって、食べ無いという選択肢は無かった。
ちょこちょこと、屋台に近づき、店主に話す。
テーブルが少し高い、屋台のカウンターに背伸びして顔をだす。
店主から見れば、顔だけが出ている状態だろうか?
私は、背伸びしながらも目的のものを注文する。
「それ4つ下さい」
そう言うと、店主はニコッと笑い。
「お嬢ちゃん偉いなー、まだ小さいのに。よし、じゃあ40エメでいいよ」
小さい......一言余計だ、と心の中で思いながら、宝物の指輪から言われた金額を出して、目的の食べ物を貰う。
取り合えず、この世界のお金について説明しておこう。
この世界では、1エメ=10円と言う風な認識だ。
10エメが銅貨
50エメが大銅貨
100エメが銀貨
500エメが大銀貨
1000エメが金貨
5000エメが大金貨
と、大金貨以上の貨幣もあるけど、それのほとんどは、大きな商売とか、家を買うときにしか使われないらしい。
「まだ、熱いから気を付けて食べるんだよ」
「ありがとう」
そして、みんなに一本ずつ渡す。
ローエンは、遠慮したりもしていたけど私は強引に渡した。
リッカとセツナは、美味しそうに食べていた。ローエンも、渋々といった感じだったけど、意外と美味しそうに食べていた。
それを確認し、さて、私も食べるかな......パクっと口にいれた瞬間に、少し甘味のあるタレが口に広がった。肉も柔らかく、鶏肉に近い味......これ、焼き鳥じゃないか!!
意外なところで、懐かしい味が楽しめたことに驚いた。
異世界たから、味の方は違うかと思ってたけど、全く同じものだった。
そんな私の反応を見ていた、セツナとリッカは、二人見合って笑ってこう言った。
「カナ様と、同じ反応してましたよ。まぁ、カナ様は、すごい勢いでそれを買い占めに行きましたが」
そんな話に、少し想像して笑ってしまう。
やっぱり、カナさんも日本人でしたか? 他にもお米とかあったのかな? 探してみようかな?
そんな切っ掛けから、昔話に花を咲かせながら、大通りを歩いていく。
他の誰かと食べながら歩く事は、意外に楽しかった。現在世界ではこんなこと無かったから、新鮮に思えて、はしゃいだりしてしまった。
そんな時間もすぐに終わり、目的の場所にたどり着く。
一目でここが『冒険者ギルド』だと分かる建物。
盾の上に二つの剣が交差した看板。ゲームでは、よく見た思い出の場所。
だけど、ゲームの中では体験出来ない事があるからここにきた訳で、その体験出来ない事は......『冒険者登録』だ。
勇者は勇者だから、冒険者にはなれませんと言われてショックを受けた私は、今やっと冒険者として、このゲームに居る事が出来る。
さすがに、ラスボスはラスボスだから......とは言われないだろう。
この世界には少し期待している。
ゲームをやっているときにあったバグが少し無くなっているのだ。
何言ってるのと思った人が多いと思うけど、考えて欲しい、このゲームはクソゲーだ。まともにNPCとの会話が成り立つと思うだろうか?
答えは否だ、断じて否だ!!
このゲームの冒険者ギルドは、奇人、変態、変人の集まりのような場所だった。
一度扉を開けば、何も《・・》装備していないおっさんが、「仲間にならないか?」と、ちょっと変なポーズを決めて言ってきたり、受付の人が常に居なかったり、居ないと思ったら、ギルドの隅で体育座りでブツブツ何かを唱えていたり、と変な人しか居ない。
だけど私は、さっきの屋台の人との会話で、確信した。
この世界なら、変人は居ないと。
なぜなら、さっきの屋台の店主との会話は、ゲームの時なら、こうなっていたからだ。
「4つ下さい」
「お嬢ちゃん、偉いなー。よし、じゃあ4000000エメでいいよ」
くねくねと、関節がどっかに行ったように動きながら......
そう、まともに買い物が出来ないという事が発生する。
しかも、その値段で買えないと言うと、急にバトル画面に移り変わり、戦闘が始まる。
勿論、勇者は、民間人を傷付けられませんよ。そして、にげることも出来ません。 ......結果は、言わなくても分かりますよね?
という事を経験したことがある。だけど、さっきの会話は普通だったし、店主の様子も普通だった。
私は、自信を持って、その重く、古びた冒険者ギルドの扉を開けた。
......閉めた。
その日、私は、冒険者になることを諦めようと心に誓った。
「私、冒険者ギルドに行きたいんだけど......いい?」
と、せっかくの可愛い容姿なので、首をかしげて可愛くお願いしてみる。
超絶美少女(自己評価)のお願いを断る事はなく、むしろセツナは賛成してくれる。
「マナ様、セツナも行きたいです。人間にどんなのがいるか見てみたいですし」
セツナが言うと少し怖い発言が聞こえる。
頼むから暴れないでくれよと心の中で願いながら、他の意見を聞く。
「冒険者なんて、野蛮な輩にマナ様を会わせたく無いですが......仕方ないですね」
やれやれと言った様子でローエンも賛同してくれる。
そして、意外にも別の意見を出したのがデリドラだった。
「我は、良い匂いのする場所に行っても良いですか?」
見た目はイケメンでも、中身はデリドラ。そのギャップに仕方ないと思いつつ、一人ではどこに行くか分からないので、シーナを同行させる事にした。
お金はシーナに握らせているので、お店の食べ物全てを食べるという事もないだろう。
念のためリッカには、発信器を作ってもらいデリドラに装着させた。これでどこにいても分かるだろう。
「では、三時間後にここに集まるという事で良いですか?」
ローエンがしっかりと時間を決めて、取り締まる。やはり、しっかりした人が一人いるとすぐに纏まって行動できる。
全員が頷き返し、別行動に入る。
その前に、私はシーナの近くに行き、耳を貸してと手招きする。
少し屈んで、私の口元に耳を近付けてくれるけど、その体制になるとプニプニと主張される、二つの凶器を「縮め!!」と念を込めながら見る。
「デリドラが変なことしたら、殴ってもいいからすぐにやめさせてね。シーナ、頼んだよ」
「はい~、分かりました~」
そう言って、ちょっと含みのある笑顔を向けてシーナは、デリドラと共に歩いていった。
それを、手を振って見送りながら、それぞれの道へ歩きだす。
「よし、じゃあ行こう!!」
この世界は、中世風の街並み、大通りには、デリドラが言っていたようやに良い匂いのするお店が建ち並んでいる。
屋台から香る、料理の香ばしい匂いが鼻を通り抜ける。
今が大体、昼の12時位でどの店も賑わっている。
通りすぎる人々が美味しそうに屋台で買った物を食べている。こんがりと焼けて串刺しにしてある肉。見た目は完全に焼き鳥だ。
それを見ていると私も食べたくなってしまう、デリドラの気持ちが少し分かる気がしてきた。
ラスボスという存在は、食べ物を食べなくても生きていける。だけど、今まで三食食べていたのが普通だった私にとって、食べ無いという選択肢は無かった。
ちょこちょこと、屋台に近づき、店主に話す。
テーブルが少し高い、屋台のカウンターに背伸びして顔をだす。
店主から見れば、顔だけが出ている状態だろうか?
私は、背伸びしながらも目的のものを注文する。
「それ4つ下さい」
そう言うと、店主はニコッと笑い。
「お嬢ちゃん偉いなー、まだ小さいのに。よし、じゃあ40エメでいいよ」
小さい......一言余計だ、と心の中で思いながら、宝物の指輪から言われた金額を出して、目的の食べ物を貰う。
取り合えず、この世界のお金について説明しておこう。
この世界では、1エメ=10円と言う風な認識だ。
10エメが銅貨
50エメが大銅貨
100エメが銀貨
500エメが大銀貨
1000エメが金貨
5000エメが大金貨
と、大金貨以上の貨幣もあるけど、それのほとんどは、大きな商売とか、家を買うときにしか使われないらしい。
「まだ、熱いから気を付けて食べるんだよ」
「ありがとう」
そして、みんなに一本ずつ渡す。
ローエンは、遠慮したりもしていたけど私は強引に渡した。
リッカとセツナは、美味しそうに食べていた。ローエンも、渋々といった感じだったけど、意外と美味しそうに食べていた。
それを確認し、さて、私も食べるかな......パクっと口にいれた瞬間に、少し甘味のあるタレが口に広がった。肉も柔らかく、鶏肉に近い味......これ、焼き鳥じゃないか!!
意外なところで、懐かしい味が楽しめたことに驚いた。
異世界たから、味の方は違うかと思ってたけど、全く同じものだった。
そんな私の反応を見ていた、セツナとリッカは、二人見合って笑ってこう言った。
「カナ様と、同じ反応してましたよ。まぁ、カナ様は、すごい勢いでそれを買い占めに行きましたが」
そんな話に、少し想像して笑ってしまう。
やっぱり、カナさんも日本人でしたか? 他にもお米とかあったのかな? 探してみようかな?
そんな切っ掛けから、昔話に花を咲かせながら、大通りを歩いていく。
他の誰かと食べながら歩く事は、意外に楽しかった。現在世界ではこんなこと無かったから、新鮮に思えて、はしゃいだりしてしまった。
そんな時間もすぐに終わり、目的の場所にたどり着く。
一目でここが『冒険者ギルド』だと分かる建物。
盾の上に二つの剣が交差した看板。ゲームでは、よく見た思い出の場所。
だけど、ゲームの中では体験出来ない事があるからここにきた訳で、その体験出来ない事は......『冒険者登録』だ。
勇者は勇者だから、冒険者にはなれませんと言われてショックを受けた私は、今やっと冒険者として、このゲームに居る事が出来る。
さすがに、ラスボスはラスボスだから......とは言われないだろう。
この世界には少し期待している。
ゲームをやっているときにあったバグが少し無くなっているのだ。
何言ってるのと思った人が多いと思うけど、考えて欲しい、このゲームはクソゲーだ。まともにNPCとの会話が成り立つと思うだろうか?
答えは否だ、断じて否だ!!
このゲームの冒険者ギルドは、奇人、変態、変人の集まりのような場所だった。
一度扉を開けば、何も《・・》装備していないおっさんが、「仲間にならないか?」と、ちょっと変なポーズを決めて言ってきたり、受付の人が常に居なかったり、居ないと思ったら、ギルドの隅で体育座りでブツブツ何かを唱えていたり、と変な人しか居ない。
だけど私は、さっきの屋台の人との会話で、確信した。
この世界なら、変人は居ないと。
なぜなら、さっきの屋台の店主との会話は、ゲームの時なら、こうなっていたからだ。
「4つ下さい」
「お嬢ちゃん、偉いなー。よし、じゃあ4000000エメでいいよ」
くねくねと、関節がどっかに行ったように動きながら......
そう、まともに買い物が出来ないという事が発生する。
しかも、その値段で買えないと言うと、急にバトル画面に移り変わり、戦闘が始まる。
勿論、勇者は、民間人を傷付けられませんよ。そして、にげることも出来ません。 ......結果は、言わなくても分かりますよね?
という事を経験したことがある。だけど、さっきの会話は普通だったし、店主の様子も普通だった。
私は、自信を持って、その重く、古びた冒険者ギルドの扉を開けた。
......閉めた。
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