ラスボス転生!?~明日からラスボスやめます~
未知との遭遇です!!
闘技場にギルドマスターを放置し、言われるままに付いていく。
闘技場を出て、少し長い廊下を歩く。
私は、バニーガールの後ろに付いていく形になったが、一つ気になることがある。
それは......このバニーガール。尻尾が着いてるんです。歩くたびに揺れる兎の尻尾。その丸い形と、モフモフしてそうな毛が私の心を刺激する。
ヤバイ......今すぐモフりたい。
私は、基本的に動物は好きだ。特に可愛い動物だったり、小さい動物が好き。デリドラもオッケー。
だが、ヒト科、ヒト目、ヒトは嫌いだ。ただし、可愛い女の子は許可する。変態は、生物的にムリ!! 私の中では、台所に出現する、Gから始まる虫と同じレベルである。
歩くと、モフッと主張する尻尾を、怒られてもいいやと、モフろうと手を伸ばすと。
「マナさん、ここです。本来はギルドマスターの許可が必要ですが、今は良いでしょう。どうぞ、入ってください」
「あ、ありがとう」
いいところで......まぁ、仕方ない。
案内された部屋に入ると、そこは、貴族でももてなす為にあるようなキラキラとした部屋。置物全てが一目で高価なものであると分かるほどだ。
......趣味悪いな!!
ちょっと待って、一度ギルドマスターの特徴を整理しよう。えーっと、まず見た目が小太りのおっさんで、ドMで、豚の格好をしている。その上、成金だと......いやでも、ギルドマスターという仕事はしていて、実力がある。
働いている......だと!?
こう言っては失礼だが、ギルドの中でSMプレイをしているようにしか見えなかったんだけど。
「マナさん? どうしたんですか?」
「あっ、ごめんなさい」
そう言って、急いでバニーガールの対面の椅子に座る。フカフカとした感触が太ももを包む。
おお、と感心しながら、ポフポフと跳ねてみると、少し反発して気持ちいい。
はっ!! 我に帰って、周りを見ると。ジーッと私の姿を見ていたバニーガールが、クスリと笑って、話始めた。
顔が熱くなるのを感じるけど、今は集中しよう。
「じゃあ、ストレートに聞かせて貰います。マナさん。貴女は何者ですか?」
向けられる真剣な眼差しには、疑問が半分、そして、恐怖が半分含まれていた。
「ギルドマスターは、あんなですが、実力は確かなものです。とても普通の人間が戦って勝てる相手では無いと思うのです。それを貴女は手も触れずに倒した。魔法か能力なのか分かりませんが、どちらにしろ危険なものだと思います」
確かに、未知の能力に怯えるのはよく分かる。私も勇者だった時は、敵キャラがどんな能力を使ってくるのか分からなくて怖かったし。
それに、ここは現実で、ゲームじゃない。ゲームのようにリセットボタンを押したら元通りとはいかない。慎重にならなければ、いつ死んでもおかしくないのだ。
「だから貴女には、一つのクエストを受けて貰いたいのです」
「クエスト?」
「貴女が信用に足るかどうかを試すクエスト。いえ、私から出す冒険者になるための必須クエストです。それをクリアすれば、貴女は晴れて、"冒険者"です」
なるほど、ゲームで言うところの、おつかいクエストですか。さて、異世界最初のクエストは、どんなものでしょうか?
「クエスト内容は......」
◆◇◆◇◆◇
「セツナ!! リッカ!!」
走って戻ってきた私に、二人はそれぞれの反応を見せる。
「何ですか? マナ様」
「......はい?」
「私と一緒に、ゴブリン狩りに行こう!!」
そう、ゴブリンだ。ファンタジーのゲームには、必須と言っていい敵キャラだ。そして、最初に戦う敵として、登場することが多い。スライムと同じく、ザコキャラと広く認知されているだろう......あくまで普通のゲームでは......
「えっ!? あの《・・》ゴブリンですか!?」
そうです、セツナが想像してる通りのゴブリンです。
「ゴッ、ゴブ......リン......怖い」
リッカがガタガタと震えている。どうしたんだろうか? 青い鬼でも見てしまったのかな?
そんな状態のリッカを見かねてか、ローエンが口を開く。
「マナ様、実は......」
ローエンから聞いた話によると、どうやらカナさんと過去に、ゴブリン退治に出掛けたことがあるらしい。そして、その時にトラウマを植え付けられたとか何とか。
だがしかし、私はゴブリン退治をやってみたい。なぜなら、ゲームの時に居なかった敵キャラだからだ。
私が"勇者"としてゲームプレイしていたときには、ゴブリンなんて敵が存在しなかったのだ。敵キャラ図鑑にも載っていなかったから、意外と興味がある。
どうせ、このゲームなら、すごく強い設定にされているのだろうと思う。セツナやリッカの反応を見た時、かなり驚いていたし、どれ程強いのだろうか?
ゴブリンの対策を考えていると、ローエンからこんな言葉を言われた。
「マナ様。止めておいた方が良いと思いますが......」
と、ローエンが目をそらして、ぎこちない様子で。
え!? ローエンでも、怖がっている? ゴブリンってどれ程強いの!?
未知の存在、ゴブリン。勇者すら簡単に倒すこの三人が、怖がる存在。
だが、私の心の中では、闘争心が膨れ上がっていた。
ラスボスの"敵"になり得る存在なんて、このゲームには"レベルMAX勇者"しか居ないと思ったけど、どうやらこんな序盤で、見付けてしまったらしい。
「オラ、ワクワクスッゾ」の宇宙人では無いけど、強い敵とは戦いたかった。最強であるラスボスは、いつも"全力で戦える敵"を探しているのだ。
胸が高鳴る。沸き上がるこの想いは、どこかにぶつけられるのを望んでいる。
興奮する心を抑え、目的の場所へと足を進める。 ......足を止める。
はい、着きました。目的地。
ギルドの横にある建物です。多分、酒場とか飲食店なんだろうという大きさで、中から少しいい匂いがする。
......うん。分かってた。期待しちゃいけないと分かってたよ。
ラスボスは、いつもより重い足取りで、目的地のドアを開けるのだった......
闘技場を出て、少し長い廊下を歩く。
私は、バニーガールの後ろに付いていく形になったが、一つ気になることがある。
それは......このバニーガール。尻尾が着いてるんです。歩くたびに揺れる兎の尻尾。その丸い形と、モフモフしてそうな毛が私の心を刺激する。
ヤバイ......今すぐモフりたい。
私は、基本的に動物は好きだ。特に可愛い動物だったり、小さい動物が好き。デリドラもオッケー。
だが、ヒト科、ヒト目、ヒトは嫌いだ。ただし、可愛い女の子は許可する。変態は、生物的にムリ!! 私の中では、台所に出現する、Gから始まる虫と同じレベルである。
歩くと、モフッと主張する尻尾を、怒られてもいいやと、モフろうと手を伸ばすと。
「マナさん、ここです。本来はギルドマスターの許可が必要ですが、今は良いでしょう。どうぞ、入ってください」
「あ、ありがとう」
いいところで......まぁ、仕方ない。
案内された部屋に入ると、そこは、貴族でももてなす為にあるようなキラキラとした部屋。置物全てが一目で高価なものであると分かるほどだ。
......趣味悪いな!!
ちょっと待って、一度ギルドマスターの特徴を整理しよう。えーっと、まず見た目が小太りのおっさんで、ドMで、豚の格好をしている。その上、成金だと......いやでも、ギルドマスターという仕事はしていて、実力がある。
働いている......だと!?
こう言っては失礼だが、ギルドの中でSMプレイをしているようにしか見えなかったんだけど。
「マナさん? どうしたんですか?」
「あっ、ごめんなさい」
そう言って、急いでバニーガールの対面の椅子に座る。フカフカとした感触が太ももを包む。
おお、と感心しながら、ポフポフと跳ねてみると、少し反発して気持ちいい。
はっ!! 我に帰って、周りを見ると。ジーッと私の姿を見ていたバニーガールが、クスリと笑って、話始めた。
顔が熱くなるのを感じるけど、今は集中しよう。
「じゃあ、ストレートに聞かせて貰います。マナさん。貴女は何者ですか?」
向けられる真剣な眼差しには、疑問が半分、そして、恐怖が半分含まれていた。
「ギルドマスターは、あんなですが、実力は確かなものです。とても普通の人間が戦って勝てる相手では無いと思うのです。それを貴女は手も触れずに倒した。魔法か能力なのか分かりませんが、どちらにしろ危険なものだと思います」
確かに、未知の能力に怯えるのはよく分かる。私も勇者だった時は、敵キャラがどんな能力を使ってくるのか分からなくて怖かったし。
それに、ここは現実で、ゲームじゃない。ゲームのようにリセットボタンを押したら元通りとはいかない。慎重にならなければ、いつ死んでもおかしくないのだ。
「だから貴女には、一つのクエストを受けて貰いたいのです」
「クエスト?」
「貴女が信用に足るかどうかを試すクエスト。いえ、私から出す冒険者になるための必須クエストです。それをクリアすれば、貴女は晴れて、"冒険者"です」
なるほど、ゲームで言うところの、おつかいクエストですか。さて、異世界最初のクエストは、どんなものでしょうか?
「クエスト内容は......」
◆◇◆◇◆◇
「セツナ!! リッカ!!」
走って戻ってきた私に、二人はそれぞれの反応を見せる。
「何ですか? マナ様」
「......はい?」
「私と一緒に、ゴブリン狩りに行こう!!」
そう、ゴブリンだ。ファンタジーのゲームには、必須と言っていい敵キャラだ。そして、最初に戦う敵として、登場することが多い。スライムと同じく、ザコキャラと広く認知されているだろう......あくまで普通のゲームでは......
「えっ!? あの《・・》ゴブリンですか!?」
そうです、セツナが想像してる通りのゴブリンです。
「ゴッ、ゴブ......リン......怖い」
リッカがガタガタと震えている。どうしたんだろうか? 青い鬼でも見てしまったのかな?
そんな状態のリッカを見かねてか、ローエンが口を開く。
「マナ様、実は......」
ローエンから聞いた話によると、どうやらカナさんと過去に、ゴブリン退治に出掛けたことがあるらしい。そして、その時にトラウマを植え付けられたとか何とか。
だがしかし、私はゴブリン退治をやってみたい。なぜなら、ゲームの時に居なかった敵キャラだからだ。
私が"勇者"としてゲームプレイしていたときには、ゴブリンなんて敵が存在しなかったのだ。敵キャラ図鑑にも載っていなかったから、意外と興味がある。
どうせ、このゲームなら、すごく強い設定にされているのだろうと思う。セツナやリッカの反応を見た時、かなり驚いていたし、どれ程強いのだろうか?
ゴブリンの対策を考えていると、ローエンからこんな言葉を言われた。
「マナ様。止めておいた方が良いと思いますが......」
と、ローエンが目をそらして、ぎこちない様子で。
え!? ローエンでも、怖がっている? ゴブリンってどれ程強いの!?
未知の存在、ゴブリン。勇者すら簡単に倒すこの三人が、怖がる存在。
だが、私の心の中では、闘争心が膨れ上がっていた。
ラスボスの"敵"になり得る存在なんて、このゲームには"レベルMAX勇者"しか居ないと思ったけど、どうやらこんな序盤で、見付けてしまったらしい。
「オラ、ワクワクスッゾ」の宇宙人では無いけど、強い敵とは戦いたかった。最強であるラスボスは、いつも"全力で戦える敵"を探しているのだ。
胸が高鳴る。沸き上がるこの想いは、どこかにぶつけられるのを望んでいる。
興奮する心を抑え、目的の場所へと足を進める。 ......足を止める。
はい、着きました。目的地。
ギルドの横にある建物です。多分、酒場とか飲食店なんだろうという大きさで、中から少しいい匂いがする。
......うん。分かってた。期待しちゃいけないと分かってたよ。
ラスボスは、いつもより重い足取りで、目的地のドアを開けるのだった......
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