そのゴーレム、元人間につき

ノベルバユーザー168814

仲間ができました(エマ視点)

 立ち話も何だったんでしょうね、皆さん、祠の前で円になって座っています。
 私も取り敢えずゴーレムさんの隣に座ることにしました!
 あ、狼さんだ、可愛いなぁ、思わず撫でちゃいます。
 めちゃくちゃ気持ちいいです。枕にしたいなぁ、いつまでも触っていられますよ、狼さんも目を細めて気持ち良さそうです「おぉふ」って言ってきそうですね!

 あと、何か結構長い時間お喋りをしているようですが、怒ったりしてるんですかね?
 そろそろ、混ぜてもらいたいですね。

 「すみません! 何の話をしているんですか!」

 思いきって尋ねてみると、狐さんがこちらを向いて話してくれました。

 「え、えーと今まで少し会議をしていてね、森の侵入者である君の処罰を決めるんだよぉ」
 「おわ! ビックリしました! 狐さん、人間の言葉が喋れるんですね?」
 「私こう見えても長生きだからねぇ、多少は聞けるし話せるよぉ」

 驚きです、人間の言葉を理解して話すこともできる魔物なんて聞いたこともないですよ。
 これなら私もお話ができる!
 ですが、やはり私は侵入者扱いですか。

 話が進んだらしく、私は追放らしいですね、人間を簡単には信じられない……ですか、それは大変耳が痛いお話です。
 取り敢えず、明日の朝に森を出るように言われました。

 お話し合いが終わり、ゴーレムさんと2人(?)きりになり、やっぱり私は確信しました。
 ゴーレムさんをよびます。

 「どうか狐さん達を説得してくれませんか!」

 直ぐに首を横に振りました。
 軽くショックです。
 ですが私も譲る気はありません!
 色々言ったんですがどうやら大体私の勘違いだったようで、大変恥ずかしい。
 ですが、ここで折れるつもりは一切ないです、ふふふ。

 「ふふふ、こうなったら意地でも居座ってやりますよ、私の本気を見せて差し上げますよ!」

 行動は明日の朝起こすとして、今日のところは寝ることにしました。
 もちろん、ゴーレムさんの隣にです。

 *

 翌朝、直ぐに狐さんはやって来て私に着替えて出ていけと笑顔で言いました、結構ズバズバ言う方ですね。
 どうやら、私がいることは森にとっても不都合らしいですね、ふふふ、そんなに私を追い出したいなら力業でどうにかしてください。
 なんて言いましたが、まさかゴーレムさんが直々に来るとは思いませんでした。

 抵抗虚しく、アッサリと外まで来たんですけど、引くつもりはありません!
 直ぐに引き返してゴーレムさんと共に戻りました。
 狐さんは戻ってきた私を見て呆れていた様ですが、私はこんなもんじゃないですよ!
 小さい頃、お金が無かったときに八百屋さんですごい値切ったら最終的にはおじさんの方が観念しましたからね。


 *


 4日経ちました、私はまだまだ諦めませんよ!
 途中、食べ物や睡眠などで戻るのが遅れましたか、そんなものは誤差の範囲です。


 *

 そこから更に1週間が経ちました。
 我ながらゴーレムさんもかなり粘りますね。
 長期戦の予感ですよ、もう何度追い出されたか分かりませんし。
 すると、狐さんが居ました、苦笑いしていましたがこちらは本気なのです!
 ゴーレムさん、遂に私を持ち上げなくなりました。
 攻略に成功したのです!

 狐さんへとアピールをしたのですが、それとこれとは話が別らしいです。
 次の条件として、この森の他の魔物達に認められる事で新たに話し合いを打診してくれるそうです!
 やるしかないでしょう!
 さっそく向かいましたが、途中で道が分からないことに気づき、戻るはめになりました、恥ずかしいです……

 ゴーレムさんだけのつもりが狐さんも着いてきました。
 どうやら、通訳が必要らしいですね、それもそうですね。
 それにしても、ゴーレムさんの肩の上は絶景ですよ、3メートルほどの高さですかね。
 1歩も大きいので快適です。

 すると、着いたのでしょうか、すごいです、お家が建ってますよ!
 そこら中に狼さんが居ます、全員に囲まれたらさぞ気持ちいいのでしょうね!
 すると一際広い場所に、初めて撫でた狼さんと、尻尾の大きい魔物さんが居ました、次はこの方々に認めてもらえば良いんですね。
 狐さんは親切に私に狼さんの言葉を教えてくれています。
 お陰で何をするか分かりましたし、どうやら狼さんの部下に勝てば良いらしいですね、望むところです!

 狼さんの部下の前足を万歳させてじっと見つめていたら勝っちゃったようです。
 ちょっと変な勝ち方ですけど勝利は勝利です!
 次はガケトカゲさんと言う方の試練でしょうか?
 あ、どうやらガケトカゲさんは私がいることに賛成らしいですね。
 ラッキーです!

 次の条件として、相手はオーガの長である方らしいですね、こちらが1番困難でしょうか、勝負しろ何て言われたら負けてしまうかもしれないです。
 そう思っていた時期が私にもありました。
 鬼さんは、酔っぱらっていた様で、木の上にぶら下がって寝ていました。
 それをゴーレムさんが叩き落としたのは爽快です。

そしてあろうことか、条件はお酒でしたが、こちらが住ませてくれれば持ってくると逆に条件を出したらアッサリとOKを貰っちゃいました。
 あまり頭が良くないのかもしれませんね。

 これで全て終わりました!
 なんて思っていたら最後の関門は狐さんでしたよ!
 な、なんて卑怯な、今まで上から私の事を嘲笑っていたのですね!
 なんでも、ゴーレムさんのすむ祠の中を調べてほしいと言うことです。
 魔物では入ることが出来ずに、何も知ることが出来ずにもやもやしていたらしいですね。

 翌朝に皆さんが集まって行うそうです。
 取り敢えず今日のところはゴーレムさんと戻ることになりました。
 なんだか、私が来てからこれを狙っていたのではないですかね?
 そんな気がします。

 「なんか手のひらの上で踊らされている気がします。」

 その後、祠へ行き、眠りにつきました。
 もちろん、ゴーレムさんのお隣です。

 次の日、早朝に皆さんが集まり、今日の事に着いて改めて説明をしてくれます。
 やはり、回りくどく、改めて丁寧に説明しようとするのは人間と変わりありませんね。
 むしろ丁寧な分人間よりマシじゃないですかね。

 そんなことを考えていると、不気味な雰囲気を感じました。
 他の方達も同じなのか、ある魔物に視線が行きます。
 ゴーレムさんです、どこを見ているのか分かりませんが、何か考え事をしているのでしょうか。
 心配になり皆さんが声をかけると雰囲気が和らぎました。

 改めて、祠の中へ入ります。
 と言ってもなかは古い石造りの遺跡のようです。
 中には特に目立つものも有りませんが、下へと向かう階段があります、中々怪しい、引き返したいですがそうもいきません。

 地下は流石に何かありました。
 ……棺桶? ですかね? こう、地面より1段高い場所に人が入りそうな長方形の箱があります。
 そしてその奥、扉になっているのでしょうか。
 開こうとしても開きませんでした。
 棺桶も私の力じゃ開きそうにないですね。

 こんなところでしょうか、調査を終えて戻る事にしました。
 ゴーレムさんはここの入り口の上に居たらしいですね。
 何か関係があるのでしょうか。
 戻った私は有りのままを伝え、狐さんは皆へと何かを話して居ます。

 話終えたのか「居ても良い」と許可を得ました。
 ……やったぁぁぁぁぁぁ!
 やりましたよぉ! これで私もここの住人ですよ! 

  改めて、皆さんが名乗ってくれました。(狐さん通訳の元)

 狐さんは妖狐の長、尻尾。
 狼さんはグラスウルフの長、牙。
 鬼さんはオーガの長、角。
 ガケトカゲさんに、そして私を助けてくれたゴーレムさん、これが私にできた新しい仲間です!
 住む場所はゴーレムさんのところにお世話になるそうです、願ったり叶ったりですね!

 皆さんは話し合いの後、直ぐに帰ってしまいました。
 もっとお話はしたかったんですけど、忙しいらしいですね。
 私は気になっていた事を聞くことにしました。
 ゴーレムさんの横腹のヒビに、ついてです。
 痛くないんですかね?
 ……どうやら痛くは無いらしいですね。
 良かったです。

 所で、私は冒険者をして日が浅いですが、疑問に思ったことがあるんです。
 人間には『スキル』が存在します。
 最初から持っている人もいれば、努力で手に入るスキルだってあるんです。
 でも、私は魔物が持ってるとは聞いたことがないんです。
 同じ世界に生きているのに魔物が持っていないと言うのは信じられないので、ゴーレムさんに思いきって聞きます。

 因みに私だってスキルを持ってますよ。

 ステータス

 Lv18
 スキル『隠密』[気配遮断][足音消去][一撃必殺]

 どうですか!? 強くないですか?
 一撃必殺は相手が気づいてないときに有効なんですが、気づかれると使えません。

 まぁ、私のスキルは教えてませんが、ゴーレムさんにスキルについては教えました。

 すると試したんですかね? ゴーレムさん、固まって動かなくなりました。

 どんなスキルがあったんでしょうか。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品