そのゴーレム、元人間につき
領主
田舎である辺境ファン、ギルドマスターの部屋は趣味半分と言う話だったが、流石に領主まで素朴好きと言う訳ではないだろう。
兵士に着いていき、暫く歩くと、明らかに他の建物よりも大きな建物が見える。
と言っても他の建物よりも大きいと言うだけだ、かなり大きいわけじゃない。
まぁ正直がっかりだな。
田舎の辺境とはここまで貧しいものだろうか。
「こちらへ」
兵士に促され、領主の館へと入る。
するとメイドだろうか、案内をしてくれて応接室の様な所で待機することになった。
その際に、お茶と菓子が用意されていた。
「美味しそうです!」
「程々にしろよ」
女冒険者はテーブルに乗っている菓子を食らいつくさんばかりの勢いで食べている。
すると扉がノックされ、一人の男が入ってきた。
「待たせたね、こんにちは、私はファンの領主、ヘンリだ」
入ってきた男は身なりがきちんとしており、年齢を感じさせない逞しい体つきをしているのが来ている上質な服の上からでもわかる。
髪型をもきちんと整えており、清潔感があり、物腰柔らかい目元をしている男だ。
「こちらこそ初めまして、私の名前はランドと申します」
「ちゃんと挨拶出来るんですねランドさん、初めまして、エマです」
「お前、エマって言う名前なのか」
「今更ですか! 本当に覚えてなかったんですか!」
エマ……それが女冒険者の名前だった。
初めて知った。
お辞儀の体勢で顔だけ向かい合いながら喋り合う俺らに領主は苦笑いを浮かべている。
「これは失礼」
「いやいや、気にしてないよ座ってくれたまえ、あと口調も元に戻しても良いよ」
「ではお言葉に甘えて」
「……君たちは最近冒険者になったと聞いたがどうしてこんな辺境まで来て冒険者になったのかな?」
「一番近かったのがファンだったからな、特に街のこだわりはない」
「なるほど、まぁ、こちらとしては利用するつもりは無いが居てくれるだけで多少は安心ができる、いまはダガシカシが動けないからね」
戦力であるダガシカシとか言う奴が動けなくなって防衛が厳しいらしいな、一体誰にやられたのだろうか。
魔物か?
「それは災難だな、どうしてだ?」
「いやランドさんがぶっ飛ばしたじゃないですか」
「俺がぶっ飛ばしたのはハゲだけだぞ?」
「その人がダガシカシさんですよ、本当に話聞いてないんですね」
呆れた顔をして見てくる、何を言うか、話なら聞いているぞ!
「ハゲそんな名前なんだ……」
「一体誰の名前なら覚えてるんですか?」
「えーと……ランド?」
「自分の名前だけですか!」
そんなことよりも話の続きだ。
「俺を呼んだのは何故だ?」
「そうそう、忘れていたよ、何、ただダガシカシが負けてBランクのアラブルベアを単独で討伐した君がみてみたかっただけだよ」
ただの興味で呼んだらしい、変わった男だしかし気になるな、どうして俺がアラブルベアを倒したことを既に知っている?
情報伝達が早いな。
「何故情報伝達が早い?」
「あぁ、その事か、この街は皆で協力しあって成り立っているからね、話が回るのは早いんだよ」
「本当の所は?」
「……バレちゃあしょうがない、私とギルドマスターは念話石と言う効果な魔道具を持っていてね、ここにはその2つしかないけど、それだけで大体十分なんだ」
適当につついたら情報の正体が出てきた。
魔道具、なんか知らんが便利そうだな。
……スキルで改造出来ないものだろうか。
「良くないこと考えてますね」
「フルフェイスなのに分かるのか」
「ランドさんは考え事をすると黙るのです、そして大体悪巧み」
失敬な、これでも俺は皆のためを思ってだな……違うわ、興味本意だわ。
まぁ、俺の個性と言うことで片付けよう。
「まぁ、悪いがずっとここにいる訳じゃないぞ?」
「わかってますよ、では、ダガシカシが動けるようになる迄はお願いしてもいいかな?」
「依頼か?」
「うん、その方が良いよね、指名依頼と言う形にしようかな、エマさんにも頼むとするよ」
「私にも……ですか?」
「君も腕がたちそうだしね、お願いするよ」
「はぁ、わかりました」
それにしても、ハゲ……えーと、ダガシカシ?
以外には強い冒険者はいないのだろうか、Bランクが一人だけとなると小さいとは言え街を守るのは不可能に近いと思うんだが。
「あの、ヘンリさん、どうしてここの実力者はダガシカシさんしか居ないんですか? 正直、ダガシカシさんだけでは街は守れないと思うんですが」
変わりに聞いてくれた、助かるな。
「あぁ、他の冒険者はちょっと出ていてね、この辺りでかなり強力な魔物が出てしまってね討伐に行ってもらっているんだ」
「どんな魔物が?」
「うーん、それは私の管轄外だから分からないね」
ずいぶん話し込んで居たのだろう。
外は夕暮れ時になっていた、そろそろ外に出ないと門がしまるな。
「済まない、これから少し用事がある、そろそろ帰るぞ」
「ん? ああ、そうかい、今日は有意義な時間が過ごせた、長く引き留めて済まないね、外まで案内をさせよう」
外へと出た俺たちはギルドへと向かう、なにか依頼を受けてから外に出よう。
「私も出ますよ?」
「いや、要らない、俺は動き回るからな」
「そうですか~残念です」
何が残念なのやら。
「では、お気を付けて」
門番に声をかけられながらも俺は暗くなっていく外へと出ていく。
因みに受けた依頼は討伐の類いだ。
ゴブリンの討伐だ、受付嬢には夜は危険だから朝にすればと言われたが、夜は暇なんだ、少しでも何かしておこうと思ってだな。
暫く歩いて、イノーゴスを討伐した森よりも遠くの森に行くことにした、夜は長い。
遠くに行っても何の問題もないからな。
……久し振りに1人でいる気がするな、この2、3ヶ月は絶対に隣に誰かいたからな。
女冒険者なんて毎回俺の横で寝やがる、暑苦しくてしょうがない……熱なんて感じないけどな。
結構進んだだろうか、自分のペースだとなかなか速度が速いと思うんだ。
だってもう街見えないし。
手頃な森にでも入るか……あそこで良いかな。
ゴブリンも普通にいるだろうし、なんならここら一体でスキルを使って遊んでも良い。
なにか面白い事が起きないかなと思いながら進むことにする。
……面倒事は御免だぜ?
兵士に着いていき、暫く歩くと、明らかに他の建物よりも大きな建物が見える。
と言っても他の建物よりも大きいと言うだけだ、かなり大きいわけじゃない。
まぁ正直がっかりだな。
田舎の辺境とはここまで貧しいものだろうか。
「こちらへ」
兵士に促され、領主の館へと入る。
するとメイドだろうか、案内をしてくれて応接室の様な所で待機することになった。
その際に、お茶と菓子が用意されていた。
「美味しそうです!」
「程々にしろよ」
女冒険者はテーブルに乗っている菓子を食らいつくさんばかりの勢いで食べている。
すると扉がノックされ、一人の男が入ってきた。
「待たせたね、こんにちは、私はファンの領主、ヘンリだ」
入ってきた男は身なりがきちんとしており、年齢を感じさせない逞しい体つきをしているのが来ている上質な服の上からでもわかる。
髪型をもきちんと整えており、清潔感があり、物腰柔らかい目元をしている男だ。
「こちらこそ初めまして、私の名前はランドと申します」
「ちゃんと挨拶出来るんですねランドさん、初めまして、エマです」
「お前、エマって言う名前なのか」
「今更ですか! 本当に覚えてなかったんですか!」
エマ……それが女冒険者の名前だった。
初めて知った。
お辞儀の体勢で顔だけ向かい合いながら喋り合う俺らに領主は苦笑いを浮かべている。
「これは失礼」
「いやいや、気にしてないよ座ってくれたまえ、あと口調も元に戻しても良いよ」
「ではお言葉に甘えて」
「……君たちは最近冒険者になったと聞いたがどうしてこんな辺境まで来て冒険者になったのかな?」
「一番近かったのがファンだったからな、特に街のこだわりはない」
「なるほど、まぁ、こちらとしては利用するつもりは無いが居てくれるだけで多少は安心ができる、いまはダガシカシが動けないからね」
戦力であるダガシカシとか言う奴が動けなくなって防衛が厳しいらしいな、一体誰にやられたのだろうか。
魔物か?
「それは災難だな、どうしてだ?」
「いやランドさんがぶっ飛ばしたじゃないですか」
「俺がぶっ飛ばしたのはハゲだけだぞ?」
「その人がダガシカシさんですよ、本当に話聞いてないんですね」
呆れた顔をして見てくる、何を言うか、話なら聞いているぞ!
「ハゲそんな名前なんだ……」
「一体誰の名前なら覚えてるんですか?」
「えーと……ランド?」
「自分の名前だけですか!」
そんなことよりも話の続きだ。
「俺を呼んだのは何故だ?」
「そうそう、忘れていたよ、何、ただダガシカシが負けてBランクのアラブルベアを単独で討伐した君がみてみたかっただけだよ」
ただの興味で呼んだらしい、変わった男だしかし気になるな、どうして俺がアラブルベアを倒したことを既に知っている?
情報伝達が早いな。
「何故情報伝達が早い?」
「あぁ、その事か、この街は皆で協力しあって成り立っているからね、話が回るのは早いんだよ」
「本当の所は?」
「……バレちゃあしょうがない、私とギルドマスターは念話石と言う効果な魔道具を持っていてね、ここにはその2つしかないけど、それだけで大体十分なんだ」
適当につついたら情報の正体が出てきた。
魔道具、なんか知らんが便利そうだな。
……スキルで改造出来ないものだろうか。
「良くないこと考えてますね」
「フルフェイスなのに分かるのか」
「ランドさんは考え事をすると黙るのです、そして大体悪巧み」
失敬な、これでも俺は皆のためを思ってだな……違うわ、興味本意だわ。
まぁ、俺の個性と言うことで片付けよう。
「まぁ、悪いがずっとここにいる訳じゃないぞ?」
「わかってますよ、では、ダガシカシが動けるようになる迄はお願いしてもいいかな?」
「依頼か?」
「うん、その方が良いよね、指名依頼と言う形にしようかな、エマさんにも頼むとするよ」
「私にも……ですか?」
「君も腕がたちそうだしね、お願いするよ」
「はぁ、わかりました」
それにしても、ハゲ……えーと、ダガシカシ?
以外には強い冒険者はいないのだろうか、Bランクが一人だけとなると小さいとは言え街を守るのは不可能に近いと思うんだが。
「あの、ヘンリさん、どうしてここの実力者はダガシカシさんしか居ないんですか? 正直、ダガシカシさんだけでは街は守れないと思うんですが」
変わりに聞いてくれた、助かるな。
「あぁ、他の冒険者はちょっと出ていてね、この辺りでかなり強力な魔物が出てしまってね討伐に行ってもらっているんだ」
「どんな魔物が?」
「うーん、それは私の管轄外だから分からないね」
ずいぶん話し込んで居たのだろう。
外は夕暮れ時になっていた、そろそろ外に出ないと門がしまるな。
「済まない、これから少し用事がある、そろそろ帰るぞ」
「ん? ああ、そうかい、今日は有意義な時間が過ごせた、長く引き留めて済まないね、外まで案内をさせよう」
外へと出た俺たちはギルドへと向かう、なにか依頼を受けてから外に出よう。
「私も出ますよ?」
「いや、要らない、俺は動き回るからな」
「そうですか~残念です」
何が残念なのやら。
「では、お気を付けて」
門番に声をかけられながらも俺は暗くなっていく外へと出ていく。
因みに受けた依頼は討伐の類いだ。
ゴブリンの討伐だ、受付嬢には夜は危険だから朝にすればと言われたが、夜は暇なんだ、少しでも何かしておこうと思ってだな。
暫く歩いて、イノーゴスを討伐した森よりも遠くの森に行くことにした、夜は長い。
遠くに行っても何の問題もないからな。
……久し振りに1人でいる気がするな、この2、3ヶ月は絶対に隣に誰かいたからな。
女冒険者なんて毎回俺の横で寝やがる、暑苦しくてしょうがない……熱なんて感じないけどな。
結構進んだだろうか、自分のペースだとなかなか速度が速いと思うんだ。
だってもう街見えないし。
手頃な森にでも入るか……あそこで良いかな。
ゴブリンも普通にいるだろうし、なんならここら一体でスキルを使って遊んでも良い。
なにか面白い事が起きないかなと思いながら進むことにする。
……面倒事は御免だぜ?
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