るぅ

歓迎

私は訳が分からないままその場をあとにした。
入祭式とは、一体なんだったのか。
普通、入祭式=入学式と考えるのならば他に校歌を歌ったり、代表挨拶など、まだまだやることがあるはずだ。
それをあえてしないただルールを説明された。
そもそも、ここはどこだ?
そういえばとっくに忘れていたが招待状ってなんだろう?
それにしても、あの人形は何だったのだろうか。
学園長にしては幼すぎる。

はてなの上にはてなが重なりどこか奥底に閉じ込められてしまったような気分になる。

でも…、こんな非日常に少し、ほんの少しだけ期待してしまってる自分がいることに驚いた。

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後でこいといわれたのに直々にレモン教授が私の机にはりはだかり、
「お前の名前は??」
と聞かれた。
レモン教授の金色の瞳にじっと見つめられ少し下を向いた。
「わ、わたしは…」といいかけるまもなく

「自分の名前すらすぐに言えんのか。」

と少しイラついた様子で教授は「はぁ…」と小さくため息をついてもう一度私を見つめ直した。

「もういい、おまえの名前はslow・stupid(スロウ・ストゥーピッド)でいいだろ?お似合いだ。」

slow・stupid(スロウ・ストゥーピッド)とは
のろま・バカ、又は鈍臭い、などの意味で使われる。

レモン教授は、なにかがはち切れた様に「ハッハッハ」と大笑いをした。

「私の名前はシャーロット・ヘルナンデスよ。」

私は勢いよく立ち上がり大声を発した。
そんな変な名前たまったもんじゃない。
教授は、目を丸くしもう一度大笑いをした。

「そ、そうか。悪かったな。ハッハッハ。ヘルナンデス、改めてよろしくしよう。」

握手を求められ、少し我に返ったが素直に握手をかわした。
すると、教授はどこかで見た赤い薔薇を1輪私にさしだした。

「入学おめでとう。歓迎するよ。私からの招待状だ。」

たしか、この光景は何度も何度もみたことがある。

コメント

  • 1

    面白かったです!!
    次のエピソード楽しみにしてます!

    1
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