るぅ

虚偽

人形は一瞬私の方を見た気がしたがすぐにまた目を逸らしてしまった。

「嘘とは……」

少しもったいぶった表情でコホン。と咳払いをした。

「嘘とは、自分を守るためのみやこなのさ。」
「時には自分をまもり、時には自分を締め付ける。」

またスクリーンに新しい文字が現れた。

「そう、だから僕は君たちには騙し合いをしてもらうのさ。
…いや、だからといってただの日常と同じように嘘をつき続けるのでは面白くない。
いやむしろ君たちの中で自分をいくら殺せるか。がじゅーよーだよ。」

「そこでね…もし、自分が嘘をつかれていると思えば
ある裁判をすることができる。」

裁判…??嘘ごときでどういうことだろう。
さっき90%は嘘出てきていると言ったじゃないか。
それなら見当もつかない嘘でも言ってしまえばその人を裁判にかけられるのだろうか?

「だけど、その裁判は裏があってね。
模範生徒にしかこの裁判はできないんだ。」
「なぜなら、あらゆる手段を使って裁判に勝つために自分を弁解し、嘘に嘘をつくことになる。
その時点でその人は嘘としかいきていくことしかができない。それにいかに耐えられるか。というのが模範生徒に必要な能力だよ。」

また委員長(脳内ニックネーム)が、手をあげた。
…しかし人形は反応はしない。
見えていないのか…??
いやそんなはずはない。
だってさっき確かに私をあのビー玉のような瞳が
見据えていたのだから。

「これから始まるのは、希望でも絶望でもない」
「ただの嘘だ。」


「「「心から君たちの入学を歓迎しよう」」」


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