TS転生は強制的に
三十八話~私と独善者とマイク~
「私はハデス、分かりやすく言うのならば冥府の神だ」 
 
私は、勇者と言うアルテナが仕込んだであろう世界を守るための人間に向けて剣を向け、そして身の程を分からせるために私は、いやいやながらも自身の名前を名乗った。 
勿論、初めに名乗らなかったのはこちらの問題ではあるかもしれないが、流石に名乗らないだけで剣を向けられ、絶対悪だと言われると不愉快になるし、同時に呆れる。 
ただ、封印が解かれたとはいえ完全に力を取り戻している訳ではないので、あまり攻撃は食らいたくなかった。 
 
「あ、あり得ない、原初の生物の欠片は封印されている筈じゃ」 
「それはね、十五年前にアルテナ本人が封印を解いたんだよ、まあ新たに魂を入れられて私の魂が完全に深層にもぐりこんだだけなんだけどね」 
 
どうやら、冥府神、と言うか原初の生命体である私の本体の一部が封印されたと言う事を認められないでいるのだろう。……別に私はそこまでおかしなことはしていないんだけど? 
 
「お、お前は! またこの世界に居る種族を絶滅へと追いやろうとしているのか!」 
「んぇ? またも何も、私は一度も種族を絶滅させた事は無いけど?」 
 
しかし、茫然としていた勇者はようやく立ち直り、まともに会話ができると思いきや、今度は何故か私がいつの間にか、この世界の種族を絶滅させていて、そしてそれを今回もするんだろう! と言う、こちらからしたら本気で分からない意味不明な事を叫び始めた。 
 
「……は?」 
「……よし、少し状況整理と私が種族を絶滅させたって事の説明をしてほしいんだけど」 
 
 
 
~~~~~~~~~~ 
 
 
あれから数十分。 
今のこの世界での私に付いての情報を聞かせてもらった。……残念な事にライムの記憶をたどっても、宗教的な知識は入っていなかったので、いろいろと教えてもらった。 
 
先ず、私については、世界に混沌を招いた破壊者の欠片と言う扱いで、そんなものが復活したと勇者は思い茫然としたり、がむしゃらに叫びだしたりしたのだと納得がついた。……私に付いての説明が滅茶苦茶だったことにはまったくもって納得できなかったけど。 
 
そして、アルテナについてだが、これは予想していたのだけれど、この世界のどこかで万物を見守る唯一神アルテナ、その姿を見たものは一瞬で天国に上ってしまいそうな心地よさを感じるほど包容力のある、神、と言う風になっていた。 
……どれだけ誇大したらそんな風になるんだよ、あれは多分まだ幼女だろうし、一瞬に天国に上るようなって、死神か何かかな? 
 
それ以外にもいろいろと教えてもらったが、今回は省かせてもらおう。 
 
「じゃあ、まず君の言っていた、種を絶滅させた、とかって言ってるけど、そもそもの問題として、分割される前にも冥府に居たから死者をよみがえらせることは可能だよ、こんな風に『蘇生』」 
 
勿論、言葉だけでは証明することは不可能なので実際にそこに居るマイクに魔法を撃った。 
そうすると、流れ出していた血の代わりに、新たに血が生成され、そして大きな傷口はふさがれ、そして最後には冥府に行っていたマイクの魂がマイクの体へ戻ってきた。 
一応言うけれど、これで終了だ。そもそも魂さえ残っていたら生き返りは可能なのだから、冥府に居る魂も操れる私は最強になる。死んでも我が家に帰るだけだしね。 
 
「……生き返っている様には思えないんだが?」 
「生き返ってるよ、ちょっと待ってね」 
 
普通の蘇生ならば普通はこれが正常だ。 
普通は死ぬ程の痛みがあった場合は、精神の破壊を抑えるため仮死状態になっている。だから一日くらいはずっと寝ている状態になる。 
まあ、一日も待たせるわけにはいかないので裏技を使わせてもらうんだけどね。 
 
「ふぇぇぇ、マイクくぅん!! なんで、マイク君だけが死んじゃうのぉ!! ボクはまだマイク君に好きって伝えられなかったのにぃ!!」 
 
私は、マイクに抱き着き、出来る限りライムに似せた口調や喋り方をして、泣き真似と実は好きだったんですと言う演技をした。 
別に、気が狂った訳ではなく、魂は仲がいい人や極端に悪い人、恋愛的な感情を抱いている人に反応しやすく、そうして普段は一日かかるところが、瞬時に復活しだす。 
生物って結構ちょろいんだよ。 
 
「う、うぐぅ、ら、ライム?」 
 
そして、予想通りと言うか、統計結果から基づいて考えたことは当たっており、すぐさま魂が仮死状態から通常状態へと復活した。 
ただ、その事を知らない勇者からは滅茶苦茶意味不明そうな表情をしながら私の事を、良く分からない目で見てきた。 
 
「って感じだよ、ちなみにさっきのは即興の演技だったからね、別にライムは知らないけど私は好きではないから」 
「お、おう」 
 
勇者は何かに圧倒されているような感じだったが、多分私の蘇生に驚き固まり、そして慄いているのだろう。そう考えると、自信が付いて来るね! 
ただ、こうしてみてわかったけれど、あまり使い慣れていない一人称を使うと恥ずかしくなるね、しかも男が使う様な”ボク”って、顔が赤くならないようにするのが大変だったよ。 
 
「ライム? 勇者? 俺は何をして? と言うか、あの化け物は?」 
「ああ、それは私が倒しておいたよ、あと、私はライムではないから悪しからず、説明は勇者に聞いてね」 
 
そんな風に、ボクボクボクボクと、馬鹿みたいにボクと言っているライムの神経をかなり疑いつつも、先ほどの恥ずかしさを抑えつつ、勇者を見ていると、先ほど起きたマイクに話し掛けられた。 
マイクは、未だに私の事をライムと思っており、……まあ姿形は完全に一致しているので間違っていても仕方がないとは思う。 
 
「はぁ? 何言ってんだ? お前はライムだろ?」 
「いやぁ、本当に違うんだよねぇ、まあ説明するのには時間が掛かるから後で説明をっと、どうやら説明しなきゃいけなくなるかもしれないね」
勿論、私は説明などしたくはない、面倒くさいし、ただ、空間にゆがみができたことにより説明しなければならないと分かった。
まあ、アルテナが来たって事だね。 
 
私は、勇者と言うアルテナが仕込んだであろう世界を守るための人間に向けて剣を向け、そして身の程を分からせるために私は、いやいやながらも自身の名前を名乗った。 
勿論、初めに名乗らなかったのはこちらの問題ではあるかもしれないが、流石に名乗らないだけで剣を向けられ、絶対悪だと言われると不愉快になるし、同時に呆れる。 
ただ、封印が解かれたとはいえ完全に力を取り戻している訳ではないので、あまり攻撃は食らいたくなかった。 
 
「あ、あり得ない、原初の生物の欠片は封印されている筈じゃ」 
「それはね、十五年前にアルテナ本人が封印を解いたんだよ、まあ新たに魂を入れられて私の魂が完全に深層にもぐりこんだだけなんだけどね」 
 
どうやら、冥府神、と言うか原初の生命体である私の本体の一部が封印されたと言う事を認められないでいるのだろう。……別に私はそこまでおかしなことはしていないんだけど? 
 
「お、お前は! またこの世界に居る種族を絶滅へと追いやろうとしているのか!」 
「んぇ? またも何も、私は一度も種族を絶滅させた事は無いけど?」 
 
しかし、茫然としていた勇者はようやく立ち直り、まともに会話ができると思いきや、今度は何故か私がいつの間にか、この世界の種族を絶滅させていて、そしてそれを今回もするんだろう! と言う、こちらからしたら本気で分からない意味不明な事を叫び始めた。 
 
「……は?」 
「……よし、少し状況整理と私が種族を絶滅させたって事の説明をしてほしいんだけど」 
 
 
 
~~~~~~~~~~ 
 
 
あれから数十分。 
今のこの世界での私に付いての情報を聞かせてもらった。……残念な事にライムの記憶をたどっても、宗教的な知識は入っていなかったので、いろいろと教えてもらった。 
 
先ず、私については、世界に混沌を招いた破壊者の欠片と言う扱いで、そんなものが復活したと勇者は思い茫然としたり、がむしゃらに叫びだしたりしたのだと納得がついた。……私に付いての説明が滅茶苦茶だったことにはまったくもって納得できなかったけど。 
 
そして、アルテナについてだが、これは予想していたのだけれど、この世界のどこかで万物を見守る唯一神アルテナ、その姿を見たものは一瞬で天国に上ってしまいそうな心地よさを感じるほど包容力のある、神、と言う風になっていた。 
……どれだけ誇大したらそんな風になるんだよ、あれは多分まだ幼女だろうし、一瞬に天国に上るようなって、死神か何かかな? 
 
それ以外にもいろいろと教えてもらったが、今回は省かせてもらおう。 
 
「じゃあ、まず君の言っていた、種を絶滅させた、とかって言ってるけど、そもそもの問題として、分割される前にも冥府に居たから死者をよみがえらせることは可能だよ、こんな風に『蘇生』」 
 
勿論、言葉だけでは証明することは不可能なので実際にそこに居るマイクに魔法を撃った。 
そうすると、流れ出していた血の代わりに、新たに血が生成され、そして大きな傷口はふさがれ、そして最後には冥府に行っていたマイクの魂がマイクの体へ戻ってきた。 
一応言うけれど、これで終了だ。そもそも魂さえ残っていたら生き返りは可能なのだから、冥府に居る魂も操れる私は最強になる。死んでも我が家に帰るだけだしね。 
 
「……生き返っている様には思えないんだが?」 
「生き返ってるよ、ちょっと待ってね」 
 
普通の蘇生ならば普通はこれが正常だ。 
普通は死ぬ程の痛みがあった場合は、精神の破壊を抑えるため仮死状態になっている。だから一日くらいはずっと寝ている状態になる。 
まあ、一日も待たせるわけにはいかないので裏技を使わせてもらうんだけどね。 
 
「ふぇぇぇ、マイクくぅん!! なんで、マイク君だけが死んじゃうのぉ!! ボクはまだマイク君に好きって伝えられなかったのにぃ!!」 
 
私は、マイクに抱き着き、出来る限りライムに似せた口調や喋り方をして、泣き真似と実は好きだったんですと言う演技をした。 
別に、気が狂った訳ではなく、魂は仲がいい人や極端に悪い人、恋愛的な感情を抱いている人に反応しやすく、そうして普段は一日かかるところが、瞬時に復活しだす。 
生物って結構ちょろいんだよ。 
 
「う、うぐぅ、ら、ライム?」 
 
そして、予想通りと言うか、統計結果から基づいて考えたことは当たっており、すぐさま魂が仮死状態から通常状態へと復活した。 
ただ、その事を知らない勇者からは滅茶苦茶意味不明そうな表情をしながら私の事を、良く分からない目で見てきた。 
 
「って感じだよ、ちなみにさっきのは即興の演技だったからね、別にライムは知らないけど私は好きではないから」 
「お、おう」 
 
勇者は何かに圧倒されているような感じだったが、多分私の蘇生に驚き固まり、そして慄いているのだろう。そう考えると、自信が付いて来るね! 
ただ、こうしてみてわかったけれど、あまり使い慣れていない一人称を使うと恥ずかしくなるね、しかも男が使う様な”ボク”って、顔が赤くならないようにするのが大変だったよ。 
 
「ライム? 勇者? 俺は何をして? と言うか、あの化け物は?」 
「ああ、それは私が倒しておいたよ、あと、私はライムではないから悪しからず、説明は勇者に聞いてね」 
 
そんな風に、ボクボクボクボクと、馬鹿みたいにボクと言っているライムの神経をかなり疑いつつも、先ほどの恥ずかしさを抑えつつ、勇者を見ていると、先ほど起きたマイクに話し掛けられた。 
マイクは、未だに私の事をライムと思っており、……まあ姿形は完全に一致しているので間違っていても仕方がないとは思う。 
 
「はぁ? 何言ってんだ? お前はライムだろ?」 
「いやぁ、本当に違うんだよねぇ、まあ説明するのには時間が掛かるから後で説明をっと、どうやら説明しなきゃいけなくなるかもしれないね」
勿論、私は説明などしたくはない、面倒くさいし、ただ、空間にゆがみができたことにより説明しなければならないと分かった。
まあ、アルテナが来たって事だね。 
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