TS転生は強制的に
十五話~ボクと脳筋たちと置いていかれるマイク君~
「よーし! 今から作戦を説明する! 良く聞いてくれ」
あれから数分後、ようやくギルドの偉そうな人が作戦を説明するようだった。まあ、人間の総数が圧倒的に足りていなかったことは分かるけれど……代案と言う物を考えたらどうなんだ。
そして、説明があるために、今まで無言で殺気を飛ばしながら睨んでいたナタリーも、殺気をボクに向けることはなくなった。
「まず先発隊二十名が、オークの集団の情報の確保、それにできればオークと交戦をしてもらいたい」
どうやら、ボク達先発隊は斥候としての役割が強い様だ。
まあ、そこで死んでしまって情報が伝達しないって言う事態になることはきついから、実力者を置くことは分かるが……あそこの斧を持った大男は完全に斥候には向かないでしょ。威力偵察でもする気なのならいいけど。
「それ以外、残りの全員はオークが襲来する方面に一列に陣形を組み、時間を稼ぐ」
……え? 皆頷いているけど、なんで?
だって完全に時間を長引かせるだけの戦法じゃん。何故?
「……何故ほぼ全員が頷いているのか、意味不明なのだが明日の早朝に、王都から勇者たちが来られる。その間は必ず耐えてくれ! 分かったな!」
「「はい!」」
どうやら、自分たちではオークの集団は対応しきれないと判断したようで、勇者と言う、ファンタジーそのもののような存在に頼る様だ。
まあ、実際に無理だと言う事は目に見えているのだろうから、そういう手に出るのもいいとは思うが……前世のラノベで言う勇者みたいなものが出てくるのなら、全く信用ができないから不安だけどね。
「よし、では先発隊は今すぐにオークの集団へ向かってくれ!」
「はい!」
……まあ、一刻を争う事態と言う事は分かっているし、そのための先発隊なのはわかってるけど即時出撃って、やばくね? ブラック過ぎね? まじぱねぇよ。
「では行くぞ! 俺たちは偵察的な意味合いよりも武力を持って制圧する事がメインだと思っている、だから今は時間の無駄を一秒でもなくしたい」
「分かりました! 急ぎましょう」
な、何故こうも、馬鹿と言うか、脳筋というか、いわゆるそう呼ばれる人間しか先発隊に組み込まれていないのだろうか。この様子だと魔法使いとかが存在していないように思えるんだけど、大丈夫なのかな?
弓を肩にかけている人はいるものの、今回は集団と戦うのだから矢を回収して使うと言う弓の特徴を捨てるしかなく、あまり有利には戦えないだろう。ボクより馬鹿なのかな?
「な、なあ、ここって本当に実力者の集まりなのか、俺には贄にしか見えないが」
「安心してよマイク君、ボクにもそういう風にしか見えないから、異常ではないよ」
しかし、ボクの発言はマイク君の求めていた回答ではなかったらしい。と言うかボクがわざとこういう回答をしたからだけどね。まさか素でこんな発言をする訳がないじゃん。
……マイク君はボクの事を素でこんなことを言うやつと思われてるけどね。本当にひどい奴だ。
「まあ、危険になったらマイク君、お願いね? 大規模の魔法をドーンッって」
「ドーンッって、まあ、助けるけど」
呆れながらも、確りと約束してくれるマイク君。
これで朴念仁でなければイケメンで性格は……たまに良くなるけど通常はくそ悪いけど、そういう人が好きな女子からはモテるんじゃないかな、「いつもは性格が悪いのに、たまに優しくて、そのギャップが良い!!」とか言う人なら。
「ライム、それはいくら何でも楽観的過ぎでしょう? まあ、マイクならやってくれるだろうけど。ライム以上に理不尽だから」
「いや、ライムの方が理不尽だからな? あれは理不尽を具現化したような人間だろ」
「いやいや、意味が分からないよ、マイク君の中だとボクはどんな奴になってんのさ?」
ボクは掴みかかる勢いで、マイク君に接近し文句を言ったが、それだけではたじろぐ事は無かった。流石に近付くだけでは無理だったか。
というか、ボクはどんな奴に思われてるのさ? 何故理不尽って言う概念的なものそのものになるのさ? まだ理不尽をつかさどるとかなら……認めはしないけど、そっちの方が良いじゃん。
「おい、もうすぐ着くから黙れ」
「は~い」
そして十五分も歩いていると、目の前に平原が現れた。
その平原には数千、下手したら万に行く位の豚顔の人型が居た。
それは、物語で出てくるオークのイメージとはぴったり合っていたが、昨日ぶち殺したオークとは背丈が小さかった。
……まさかね、あのオークは一人で歩いてたからオークキングではないだろうけど。
「お、おい、あんなにオークが居たら流石に勇者様でも、それ以前に街の冒険者や戦闘できる人間が全員で挑んでもむりだ」
「「くそっ! 何だって言うんだ!」」
流石にその光景を見た、Cランク冒険者たちは、誰もが絶望の二文字を浮かべていた。勿論、流石にこれではマイク君も駄目だろう。
それにボクとナタリーは薄い本的な展開になってしまうのでは。
「おい! 今すぐに状況を伝えるんだ! そして俺たちにでもできる策を考えるんだ!」
「わ、分かった! 『通信』」
何故だか、高速に少年漫画の様な展開が繰り出されている。
先ほどまでみんながみんな絶望していたのにも関わらず、斧を持った大男の発言により、ほぼ全員が希望に満ちた目をしていた。
これがリスクとか、未来とかを考えない脳筋のいいところって言うのかな? ボクからしたら先ばっかりを考えちゃって戦っても意味がないってわかっちゃうんだけどね。
「おい、マイクと言ったな、お前はどの規模の魔法を使えるんだ」
「核撃魔法を一撃撃てるくらいですけど」
核撃魔法を使えるという言葉に、ここに居たほとんどの人間が驚愕していた。ラノベでも各劇魔法とかは出てくるので、どういうのかは、予想できるがきっとやばい魔法なのだろう。
やっぱりボクよりもマイク君の方が理不尽なんじゃないの? 性格的にも実力的にも。
「しかし、この数は無理だろう。ただ、指揮官レベルのオークを破ることは可能だ。ふぁからお前は魔力を温存しておけ、で女二人は何を使うんだ?」
「ボクは一対多戦闘には向かないから、ごめんね」
「私は人並みに魔法が使えるくらいだわ」
流石に、マイク君とは違うと知り、落胆している様だった。
別に一対一戦闘でならボクはマイク君に勝てるけど、そういう適材適所ってことあるでしょ、ボクは一対一、マイク君は一対多戦闘に向いているだけって話だよ。
「なら、適当に戦ってくれ。くれぐれも、死ぬ事だけはやめてくれ」
「「はい」」
「なら終わりだ! マイク以外各自戦闘を開始せよ!」
そして、ボク達に指示をした後に、戦闘は開始された。
その指示は、作戦のさの字もないレベルで、もう戦略戦術と言う様ものが存在しない位に雑な指示だったが、何故かボクはその指示に勇気を与えられた。
これが脳筋指揮官の神髄だとでもいうんだろうか? それとも雰囲気に流されちゃっているのだろうか……まあ、後者だと思うけどね。
「「うぉぉぉぉ!!!!」」
「う、うるさい」
そんな、ボク達三人以外の全員の掛け声、いや、雄たけびの様なものを合図に全員がオークの集団に向かってかけて行った。
勿論、圧倒的な力の差があるのだからゲリラ戦を掛けなければ勝てないと言う事は目に見えていた。
この場所は平原だからそれは無理だけれど。
「はあ、ボク達も行かないとね」
「……ライム、私を守りながら行ってくれないかしら? 流石に私も一対一のタイマンは無理だから」
そんな風にボク達もマイク君を置いて、オークたちに向かって駆け出した。
あれから数分後、ようやくギルドの偉そうな人が作戦を説明するようだった。まあ、人間の総数が圧倒的に足りていなかったことは分かるけれど……代案と言う物を考えたらどうなんだ。
そして、説明があるために、今まで無言で殺気を飛ばしながら睨んでいたナタリーも、殺気をボクに向けることはなくなった。
「まず先発隊二十名が、オークの集団の情報の確保、それにできればオークと交戦をしてもらいたい」
どうやら、ボク達先発隊は斥候としての役割が強い様だ。
まあ、そこで死んでしまって情報が伝達しないって言う事態になることはきついから、実力者を置くことは分かるが……あそこの斧を持った大男は完全に斥候には向かないでしょ。威力偵察でもする気なのならいいけど。
「それ以外、残りの全員はオークが襲来する方面に一列に陣形を組み、時間を稼ぐ」
……え? 皆頷いているけど、なんで?
だって完全に時間を長引かせるだけの戦法じゃん。何故?
「……何故ほぼ全員が頷いているのか、意味不明なのだが明日の早朝に、王都から勇者たちが来られる。その間は必ず耐えてくれ! 分かったな!」
「「はい!」」
どうやら、自分たちではオークの集団は対応しきれないと判断したようで、勇者と言う、ファンタジーそのもののような存在に頼る様だ。
まあ、実際に無理だと言う事は目に見えているのだろうから、そういう手に出るのもいいとは思うが……前世のラノベで言う勇者みたいなものが出てくるのなら、全く信用ができないから不安だけどね。
「よし、では先発隊は今すぐにオークの集団へ向かってくれ!」
「はい!」
……まあ、一刻を争う事態と言う事は分かっているし、そのための先発隊なのはわかってるけど即時出撃って、やばくね? ブラック過ぎね? まじぱねぇよ。
「では行くぞ! 俺たちは偵察的な意味合いよりも武力を持って制圧する事がメインだと思っている、だから今は時間の無駄を一秒でもなくしたい」
「分かりました! 急ぎましょう」
な、何故こうも、馬鹿と言うか、脳筋というか、いわゆるそう呼ばれる人間しか先発隊に組み込まれていないのだろうか。この様子だと魔法使いとかが存在していないように思えるんだけど、大丈夫なのかな?
弓を肩にかけている人はいるものの、今回は集団と戦うのだから矢を回収して使うと言う弓の特徴を捨てるしかなく、あまり有利には戦えないだろう。ボクより馬鹿なのかな?
「な、なあ、ここって本当に実力者の集まりなのか、俺には贄にしか見えないが」
「安心してよマイク君、ボクにもそういう風にしか見えないから、異常ではないよ」
しかし、ボクの発言はマイク君の求めていた回答ではなかったらしい。と言うかボクがわざとこういう回答をしたからだけどね。まさか素でこんな発言をする訳がないじゃん。
……マイク君はボクの事を素でこんなことを言うやつと思われてるけどね。本当にひどい奴だ。
「まあ、危険になったらマイク君、お願いね? 大規模の魔法をドーンッって」
「ドーンッって、まあ、助けるけど」
呆れながらも、確りと約束してくれるマイク君。
これで朴念仁でなければイケメンで性格は……たまに良くなるけど通常はくそ悪いけど、そういう人が好きな女子からはモテるんじゃないかな、「いつもは性格が悪いのに、たまに優しくて、そのギャップが良い!!」とか言う人なら。
「ライム、それはいくら何でも楽観的過ぎでしょう? まあ、マイクならやってくれるだろうけど。ライム以上に理不尽だから」
「いや、ライムの方が理不尽だからな? あれは理不尽を具現化したような人間だろ」
「いやいや、意味が分からないよ、マイク君の中だとボクはどんな奴になってんのさ?」
ボクは掴みかかる勢いで、マイク君に接近し文句を言ったが、それだけではたじろぐ事は無かった。流石に近付くだけでは無理だったか。
というか、ボクはどんな奴に思われてるのさ? 何故理不尽って言う概念的なものそのものになるのさ? まだ理不尽をつかさどるとかなら……認めはしないけど、そっちの方が良いじゃん。
「おい、もうすぐ着くから黙れ」
「は~い」
そして十五分も歩いていると、目の前に平原が現れた。
その平原には数千、下手したら万に行く位の豚顔の人型が居た。
それは、物語で出てくるオークのイメージとはぴったり合っていたが、昨日ぶち殺したオークとは背丈が小さかった。
……まさかね、あのオークは一人で歩いてたからオークキングではないだろうけど。
「お、おい、あんなにオークが居たら流石に勇者様でも、それ以前に街の冒険者や戦闘できる人間が全員で挑んでもむりだ」
「「くそっ! 何だって言うんだ!」」
流石にその光景を見た、Cランク冒険者たちは、誰もが絶望の二文字を浮かべていた。勿論、流石にこれではマイク君も駄目だろう。
それにボクとナタリーは薄い本的な展開になってしまうのでは。
「おい! 今すぐに状況を伝えるんだ! そして俺たちにでもできる策を考えるんだ!」
「わ、分かった! 『通信』」
何故だか、高速に少年漫画の様な展開が繰り出されている。
先ほどまでみんながみんな絶望していたのにも関わらず、斧を持った大男の発言により、ほぼ全員が希望に満ちた目をしていた。
これがリスクとか、未来とかを考えない脳筋のいいところって言うのかな? ボクからしたら先ばっかりを考えちゃって戦っても意味がないってわかっちゃうんだけどね。
「おい、マイクと言ったな、お前はどの規模の魔法を使えるんだ」
「核撃魔法を一撃撃てるくらいですけど」
核撃魔法を使えるという言葉に、ここに居たほとんどの人間が驚愕していた。ラノベでも各劇魔法とかは出てくるので、どういうのかは、予想できるがきっとやばい魔法なのだろう。
やっぱりボクよりもマイク君の方が理不尽なんじゃないの? 性格的にも実力的にも。
「しかし、この数は無理だろう。ただ、指揮官レベルのオークを破ることは可能だ。ふぁからお前は魔力を温存しておけ、で女二人は何を使うんだ?」
「ボクは一対多戦闘には向かないから、ごめんね」
「私は人並みに魔法が使えるくらいだわ」
流石に、マイク君とは違うと知り、落胆している様だった。
別に一対一戦闘でならボクはマイク君に勝てるけど、そういう適材適所ってことあるでしょ、ボクは一対一、マイク君は一対多戦闘に向いているだけって話だよ。
「なら、適当に戦ってくれ。くれぐれも、死ぬ事だけはやめてくれ」
「「はい」」
「なら終わりだ! マイク以外各自戦闘を開始せよ!」
そして、ボク達に指示をした後に、戦闘は開始された。
その指示は、作戦のさの字もないレベルで、もう戦略戦術と言う様ものが存在しない位に雑な指示だったが、何故かボクはその指示に勇気を与えられた。
これが脳筋指揮官の神髄だとでもいうんだろうか? それとも雰囲気に流されちゃっているのだろうか……まあ、後者だと思うけどね。
「「うぉぉぉぉ!!!!」」
「う、うるさい」
そんな、ボク達三人以外の全員の掛け声、いや、雄たけびの様なものを合図に全員がオークの集団に向かってかけて行った。
勿論、圧倒的な力の差があるのだからゲリラ戦を掛けなければ勝てないと言う事は目に見えていた。
この場所は平原だからそれは無理だけれど。
「はあ、ボク達も行かないとね」
「……ライム、私を守りながら行ってくれないかしら? 流石に私も一対一のタイマンは無理だから」
そんな風にボク達もマイク君を置いて、オークたちに向かって駆け出した。
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