よくある?異世界物語

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閑話・地球最後のクリスマス

それは、まだユウが、日本にいた頃のクリスマスのこと。
「ゆ、悠?き、今日・・そ、その・・・」
「雪?どうしたの?落ち着いて。」
僕がそう言うと、雪は大きく深呼吸をしました。それで落ち着いたのか、
「悠?今日一緒に買い物に行かない?」
雪は頬を赤らめながらそう言いました。はて、今のセリフのどこにそんな要素があったのでしょうか?
「良いよ。じゃあ準備していこうか。」
僕はそう言って上着と財布手袋にマフラーと、装備していきました。

準備が終わり外に出ると、ちらちらと、雪が降っていました。
「雪〜、足元滑るから気をつけてね。」
僕はそう言いましたが、家の前で雪は足を滑らせ転んでしまいました。
「だ、大丈夫?」
僕は慌てて手を差し伸べました。雪が、僕の手を掴んだので、ひっぱっておこしました。雪は僕に起こされたあとも、手を繋いだままで、顔をうつむかせていました。なんとなく顔が赤いような気もしますね。転んだことが恥ずかしかったのかな?
バスに乗っていこうとも思ったのだけど、人がたくさん乗っていたので、歩いていくことになりました。このころには、雪もすっかり、元に戻って、たわいもない話をしながら、歩いていました。
「もー、雪、またはしゃいで転ばないでよ。」
「こ、転ばないよ。それに、手を繋いでいるんだから、転びそうになっても大丈夫でしょ?」
「それはそうだけどさ。」

そうこうしているうちに、いつのまにか、お店に着いていたようです。僕たちは、お店に入りました。
「今日買うのってクリスマスプレゼントかな?」
「うん。悠はもう買ったの?」
「いや、まだだよ。適当に探していこうか。」

正直疲れた。よくわからないもの見せられて感想聞かれたりするんだもの。あと、途中服を見に行って、自分用の服を買っていたけど、どれも似合っているように見えて、感想言うのが、大変だった。

みんなのぶんのプレゼントを買い終わったので、家に帰るが、その前にお昼時なので、軽く食べてから、帰ることにした。ということでたまに行く喫茶店へと向かう。その途中見覚えのある、後ろ姿が見えた。小学校の頃からのつきあいの光ちゃんだ。
「あれ?光ちゃん?」
僕がそういうと、光ちゃんは、こっちを向いた。一瞬、雪が少し不機嫌になったり、光ちゃんが、苦い表情をしたような気がしたが気のせいかな?
「悠君、雪ちゃん、こんにちわ、今日はデート?」
「「ち、違っ。」」
僕と雪の声が重なった。そして沈黙が訪れた。その沈黙を破ったのは、誰かの笑い声だった。もしかしたら、それは僕だったのかもしれない。つられるように三人でひとしきり笑ったあと、僕は、
「・・これから、お昼にしようと思うんだけど、一緒にどうかな?」
「良いの?」
光ちゃんは、僕ではなく、雪を見てそう言った。
「良いよ」
雪は、そう答えた。

喫茶店に着くと、どうやら、クリスマス限定のケーキがあるようです。いくつか種類があるようなので、三人で分け合って食べよう。さすがに1人で全部食べるのは無理だし。
「悠」
「はい、どうぞ。」
雪に言われて、僕が食べていたショートケーキから、一口ぶんをフォークでとり、雪の口へ運んだ。少し顔が赤いが、とても嬉しそうだ。そんなに嬉しかったのかな?
「悠君」
「はい、どうぞ」
光ちゃんにも同じようにケーキを与える。
「はい、悠」
「ありがとう」
突き出されたフォークから、チョコケーキを食べる。光ちゃんとも同じやりとりをして、そうして、みんなでケーキを堪能した。
僕は余韻に浸っている2人をよそに会計してきた。戻ってきて、少ししてから、そのまま店を出た。その際に、2人がお金を払うといってきたが2人に払わせるのも忍びないので、断っておいた。

そして帰り道、三人で光ちゃんの、家に向かう。今日食べた、ケーキについて、感想を言い合っていると、光ちゃんの家に到着した。
「悠君、雪、また今度。」
「うん、またね光。そうだ、これプレゼント」
雪は、可愛らしい手袋を渡した。
「ありがとう、雪。」
「じゃあ、次は僕だね。色々考えたんだけど、ちょっと目をつぶってて。」
光ちゃんが目をつぶったので、彼女の後ろにまわり、彼女の首にトパーズが使われたネックレスをつけた。
「目を開けて良いよ。」
彼女は、自分の首にかかっているネックレスを見て、とても嬉しそうにしている。次に、雪にも、同じようにして、サファイアのネックレスを首にかけた。雪も気に入ってくれたようだ。
「一目見たときから似合うと思ってたけど、本当に似合っているね。大事にしてくれると嬉しいな。」
「「はい」」
そのとき一瞬、ネックレスがきらりと光った気がした。

その後、光ちゃんから、僕へ伊達メガネをプレゼントされた。これって、ただ僕がかけているのを見たいってだけなんじゃ。とも思ったが、かけてみた。2人ともずっとこっちを凝視してきて非常に恥ずかしかった。雪からは、光ちゃんと色違いの手袋を貰った。雪も同じ手袋をしていたので、三人でお揃いになった。光ちゃんから雪には、部屋に置く小物の詰め合わせらしい。見てはいないけど。

プレゼントも無事に渡し終えたので、家路についた。雪の家の前に着くと、雪は
「今日はありがとう、また明日。」
「えっ!明日も来るつもりなの?わかった、転ばないように気をつけてきてね。」
そういってわかれた。

僕は少し、寂寥感を覚えながらも、家へと向かっていった。

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