子連れプログラマーVRRPG脱出計画
第10話 アドベンチュアラー
「冒険者といえばクエスト。異論は認める」
というわけで冒険者ギルドへ戻ってコモン銅級冒険者でも受けられるクエストを物色する。
え? すぐに本島へと渡らないのか? お金はチートで山ほどあるだろう?
……これは、新しい街へ来たら一通りは見て回らないといけないというロマンなのです。
「はーーーーー……」
何やらナユタのとんでもなく大きなため息が聞こえてきたが気のせいだろう。
最下級なので、ほとんどは採取だったり簡単な届け物だったりする。
特に冬の備えにかかわるものが多い。
俺は、村で、そりゃーもう山ほど素材を集めてある。
すでにほとんどの納品系クエストはクリアできる。
片っ端からクエストを受注する。
カードをクエストボードに張られたクエストシートに近づければ、ポーンと小気味よい音がして受注完了だ。キャンセルは5秒間近づけたままでクリア、ペナルティはあるものとないものがある。
納品系はほとんどない。
時間制限があるようなものと受注件数が決まっているものはペナルティがあるようだ。
これも冊子に乗っている。
これは便利だ。
「すみません納品お願いします!」
「はいはい、早速ですね。それではそちらにギルドカードを置いてください。
ナユタさんも重ねてで構いませんので一緒に置いてください」
受付のほうから先ほどの素敵なお姉さんがパタパタと移動してくる。
納品係もお姉さんが兼任しているようだ。
「はーい」
「それでは……結構クエスト受けましたね。すでに素材をお持ちだったんですね。
こちらの台に置いていただければアイテムボックスに格納されてクエスト判定されていきます」
なにやらそれっぽい魔方陣が書かれたカウンターテーブル。
言われるがままに素材をどんどん出して並べていく。
「えーっと、薬草採取、木材採取、ヒラタケ採取、ベリー採取、キージバードの素材、ノブタ素材、スライム粘液、って……まだあるんですか?」
次から次へと素材を出していくと気が付けば軽く人だかりができていた。
「燃焼石回収、岩塩納品っと……凄いですね。こんなに一気に持ってこられた人は初めてです!」
「一時期素材集めばかりやってまして……」
「パパは一度やりだすと周りが見えなくなるのです」
「いや、ギルドとしては大変助かります。
辺境と言っていい場所なのでこれほどの貢献できることは助かります!」
両手で手を握って胸元に引き寄せてくる。
ほのかに柔らかな感触が手の甲に伝わってくる。
最高のご褒美です!
「集計の結果、なんとリョウさんはコモン鉄まで一気にクラスアップします!」
「おおー」
周囲の冒険者も拍手で祝ってくれる。
どもどもとぺこぺこと頭を下げてしまう。
「報酬は8250zです!」
「ありがとうございます!」
「よかったですね、これで少しはまともな装備が買えますね!」
お姉さんに言われるまで気が付かなかった。
俺、村からずっとシャツとズボンにレインコートと木刀にサンダルとかいうめちゃくちゃな恰好をしていたことに……
ひげも伸び放題、髪もぼさぼさよくこの格好でこの町の人は優しく迎えてくれたものだ。
異世界は心が広い。
お姉さんに床屋や服屋、武器防具屋の位置を聞く。
町の外で野宿という名の家で過ごそうかと思ったが、一応宿の場所も聞いておいた。
ナユタがささっとマップにポインターをつけてくれれる。
できた秘書である。
「パパはそういうところは誰かに言われないと本当に無頓着ですよね」
「そう思うなら指摘してくれよ……」
「何度か言ったのに……もう少し素材集めたら、これを整理したら、思いついたプログラムがあるんだ。こう言って自分で断っているんですよ? 猛省してください」
……思い当たる節がありすぎる。
素直に謝罪をしておく。
こうして床屋で身なりを整えて、服屋で日常的な服や、冒険時の下着、それに防具屋では鎖帷子と鉄の腰当、ショートソードにミドルバックラーを装備した。
最後にマントをつければ……
「うーん、これぞ冒険者! テンションが上がるなぁ!」
ナユタにも服とローブを買ってあげる。
埃はPCの大敵だからね。
この後に向かうサブ職用に杖も一本買っておく。
このゲームには2つのサブ職を同時に育成できて、3個の職を同時に育成できる。
経験値はメインが2、サブが1になってしまう。
複数の職をマスターすると新しい職が現れたりする。
地方が変わると覚えられる基本職もあったりとその広がり、組み合わせは無限大だ。
メインは戦士、サブに司教と盗賊をつけるつもりだ。
俺しかいないからソロで旅できる構成を考えないといけない。
戦うための戦士としての技術、怪我などを自分で直せる司教の魔法、そして旅の技術を盗賊で学んでいく。
「各スキルに経験値をためていって、溜まったら各職業ギルドでお金を払って開放って流れね。
なるほど」
ココらへんはいろんなやり方があるだろうし、テストプレイしてみないとな……
各スキルが可視化して成長していくシステムはついついあと1レベルとプレイヤーを引きずり込むからいい案だと思う。
もしくは、ギルドで教えを受けると数時間スキル成長UPとかのほうが良いのかもしれない……
こういうことを考え始めると終わらなくなる。奥が深い……
既に幾つかのスキルは前提をクリアしている。
サブ職も含めてスキル解放をしておく。
戦闘の幅もぐっと広がるだろう。
スキップになりそうになるのを必死に抑えて冒険者ギルドで討伐系クエストを受注する。
ゴブリンハンター。10匹のゴブリンを倒して耳飾りを収めよう!
プラス10匹でボーナス、最大50匹まで。
「ヨーシ! ナユタ! 行くぞー!」
「はいはい。パパほんとに楽しそうですね」
ああ、そうだ。俺はワクワクしてる!
というわけで冒険者ギルドへ戻ってコモン銅級冒険者でも受けられるクエストを物色する。
え? すぐに本島へと渡らないのか? お金はチートで山ほどあるだろう?
……これは、新しい街へ来たら一通りは見て回らないといけないというロマンなのです。
「はーーーーー……」
何やらナユタのとんでもなく大きなため息が聞こえてきたが気のせいだろう。
最下級なので、ほとんどは採取だったり簡単な届け物だったりする。
特に冬の備えにかかわるものが多い。
俺は、村で、そりゃーもう山ほど素材を集めてある。
すでにほとんどの納品系クエストはクリアできる。
片っ端からクエストを受注する。
カードをクエストボードに張られたクエストシートに近づければ、ポーンと小気味よい音がして受注完了だ。キャンセルは5秒間近づけたままでクリア、ペナルティはあるものとないものがある。
納品系はほとんどない。
時間制限があるようなものと受注件数が決まっているものはペナルティがあるようだ。
これも冊子に乗っている。
これは便利だ。
「すみません納品お願いします!」
「はいはい、早速ですね。それではそちらにギルドカードを置いてください。
ナユタさんも重ねてで構いませんので一緒に置いてください」
受付のほうから先ほどの素敵なお姉さんがパタパタと移動してくる。
納品係もお姉さんが兼任しているようだ。
「はーい」
「それでは……結構クエスト受けましたね。すでに素材をお持ちだったんですね。
こちらの台に置いていただければアイテムボックスに格納されてクエスト判定されていきます」
なにやらそれっぽい魔方陣が書かれたカウンターテーブル。
言われるがままに素材をどんどん出して並べていく。
「えーっと、薬草採取、木材採取、ヒラタケ採取、ベリー採取、キージバードの素材、ノブタ素材、スライム粘液、って……まだあるんですか?」
次から次へと素材を出していくと気が付けば軽く人だかりができていた。
「燃焼石回収、岩塩納品っと……凄いですね。こんなに一気に持ってこられた人は初めてです!」
「一時期素材集めばかりやってまして……」
「パパは一度やりだすと周りが見えなくなるのです」
「いや、ギルドとしては大変助かります。
辺境と言っていい場所なのでこれほどの貢献できることは助かります!」
両手で手を握って胸元に引き寄せてくる。
ほのかに柔らかな感触が手の甲に伝わってくる。
最高のご褒美です!
「集計の結果、なんとリョウさんはコモン鉄まで一気にクラスアップします!」
「おおー」
周囲の冒険者も拍手で祝ってくれる。
どもどもとぺこぺこと頭を下げてしまう。
「報酬は8250zです!」
「ありがとうございます!」
「よかったですね、これで少しはまともな装備が買えますね!」
お姉さんに言われるまで気が付かなかった。
俺、村からずっとシャツとズボンにレインコートと木刀にサンダルとかいうめちゃくちゃな恰好をしていたことに……
ひげも伸び放題、髪もぼさぼさよくこの格好でこの町の人は優しく迎えてくれたものだ。
異世界は心が広い。
お姉さんに床屋や服屋、武器防具屋の位置を聞く。
町の外で野宿という名の家で過ごそうかと思ったが、一応宿の場所も聞いておいた。
ナユタがささっとマップにポインターをつけてくれれる。
できた秘書である。
「パパはそういうところは誰かに言われないと本当に無頓着ですよね」
「そう思うなら指摘してくれよ……」
「何度か言ったのに……もう少し素材集めたら、これを整理したら、思いついたプログラムがあるんだ。こう言って自分で断っているんですよ? 猛省してください」
……思い当たる節がありすぎる。
素直に謝罪をしておく。
こうして床屋で身なりを整えて、服屋で日常的な服や、冒険時の下着、それに防具屋では鎖帷子と鉄の腰当、ショートソードにミドルバックラーを装備した。
最後にマントをつければ……
「うーん、これぞ冒険者! テンションが上がるなぁ!」
ナユタにも服とローブを買ってあげる。
埃はPCの大敵だからね。
この後に向かうサブ職用に杖も一本買っておく。
このゲームには2つのサブ職を同時に育成できて、3個の職を同時に育成できる。
経験値はメインが2、サブが1になってしまう。
複数の職をマスターすると新しい職が現れたりする。
地方が変わると覚えられる基本職もあったりとその広がり、組み合わせは無限大だ。
メインは戦士、サブに司教と盗賊をつけるつもりだ。
俺しかいないからソロで旅できる構成を考えないといけない。
戦うための戦士としての技術、怪我などを自分で直せる司教の魔法、そして旅の技術を盗賊で学んでいく。
「各スキルに経験値をためていって、溜まったら各職業ギルドでお金を払って開放って流れね。
なるほど」
ココらへんはいろんなやり方があるだろうし、テストプレイしてみないとな……
各スキルが可視化して成長していくシステムはついついあと1レベルとプレイヤーを引きずり込むからいい案だと思う。
もしくは、ギルドで教えを受けると数時間スキル成長UPとかのほうが良いのかもしれない……
こういうことを考え始めると終わらなくなる。奥が深い……
既に幾つかのスキルは前提をクリアしている。
サブ職も含めてスキル解放をしておく。
戦闘の幅もぐっと広がるだろう。
スキップになりそうになるのを必死に抑えて冒険者ギルドで討伐系クエストを受注する。
ゴブリンハンター。10匹のゴブリンを倒して耳飾りを収めよう!
プラス10匹でボーナス、最大50匹まで。
「ヨーシ! ナユタ! 行くぞー!」
「はいはい。パパほんとに楽しそうですね」
ああ、そうだ。俺はワクワクしてる!
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