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度重契約により最強の聖剣技を

初歩心

第五話 激怒した聖王は理不尽でした

 「私がこれ程までに怒りをあらわにしているというのに、まだ起きませんか
······それだけの覚悟がおありなんですね」

怒りを露にしたアテナは、目線を眠りこけている三人から子悪魔的な笑みを浮かべ俺にもどす。

「瞬くん、ひとまずこの話は一旦終わりにしましょう」

「いや·····でも、まだ準備とかできてないんですけど
肝心のアマテラスが眠りこけてて、このままだと間違いなく俺も被害を被るんだが……」

「はい、それが何か?  」

怒り狂った聖王に何を言っても無駄なのだ。
アテナは間違えなくやるきだった。
なんとしても止めなくては。

「お二人もいいですね」

(よし、二人も準備なしに極寒の地へ行きたくないはずだろう。
ここは間違えなく否定してくるはず……)

「私は、別に構わないわよ
グランディーネがいるから大丈夫だし」

「ええ、問題ないわね」

なんで平然と答えられるんだよ!!
一体何の策があるって言うんだ。
まずいなこのままだと俺、凍死しかねないぞ!! 考えろ、考えるんだ

「どうしたの英雄?
······だいぶ冷や汗がでてるわよ」

心配そうな目をしているが口元の緩みは隠せていない。

「英雄さんの事だから、これくらいどうてことないわよね」

グランディーネまでもがそう口つぐむと、
二人は黒革ソファーから立ち上がる。
 間違いなくこいつらはわざと発言している。
まさか根に持ってきた俺への恨みを晴らす気なのか。
今度は、操られることなく……そんなはずないよな。
俺は思わず顔をひくつかせ苦笑いをする。


「大丈夫ですよ瞬君、アマテラスを起こしさえすれば
では、いってらっしゃい。
どうか聖なるご加護を」

「待っ」

俺が立ち上がりながら放った言葉は言い終える事なく指がならされもう目の前は白銀の世界だった。

手、足が一気に冷え動かせるのに感覚がつかめない。
 幸いにも、耐熱防寒の聖術がかかった制服の襟の裏側に、チャックがあり外すとフードが備えつけられていため、それをかぶり手先や足先でとどめている。
 だが、俺自身。まだ完全に聖力を回復している訳ではないため、耐熱防寒の聖術をいつまで発動できるかわからない。
だから悠長にはしてられないのだ。
 なんとかして、こいつを起こし炎神の加護をかけさせなければ。
俺は、横たわっているアマテラスに近づき右手を目一杯引くとアマテラスの頬をはたく。
アマテラスの真横には、ツクヨミと姉がこの寒冷の地で気持ち良さそうに眠っている。
女神の加護は発動していないはずなのだが……

······異常者だな
それよりもこんなところで死んでたまるか……色々とシャレにならないだろ!! クソが!!
拳じゃないだけ感謝しろ駄女神。

そう思いつつ、だだ必死に、ひたすら頬を叩く。
 
女神にはそれぞれ属性神の加護が与えられ、その多くは女神の意識行使によって発動される。
中でもこいつの炎神の加護は、凍死しそうな環境でも影響を受けず、なおかつ自らが進む一定の範囲内の雪を溶かすことができる。
例であげると極寒のなか半袖短パンでいられ、長靴が不要な状況を作りだせるのだ。

5発はたいたところでようやくアマテラスが体を起こす。
彼女の左頬はなぜか無傷で俺の右手は真っ赤になり痛みが走る。


「······まだ、ちょっと寒いですね
これで……眠れます」

こいつ……寝ぼけてるなかで自分だけ炎神の加護を発動してやがったのか

「おい!! 眠れますじゃ困るんだよ!!
契約主が凍死ししそうになってんだぞ
起きろ!! 」

なおも叩く。

「ずいぶんと焦ってるわね、英雄」

そんな俺をよそに声がした方向に振り向くと、ドーム状の岩石の穴から頭が一つこちらを覗いていた。



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