異世界への転生は残酷な過去と共に

meika

第1話:始まりの歯車は回り始める

「いらっしゃいませ。」

俺が入るのと同時にいらっしゃいませという声がかけられた。
俺は今日の夕飯を買うためにいまコンビニにいる。
なぜ自分で作らないのかって?
それは俺が一人暮しだからだ。
まあ、自己紹介をしよう。
俺の名前は柚木カナタ(ゆうきカナタ)16歳
16歳で一人暮らしをしている人は珍しいだろう
だが俺はそんなこと気にしてはいない。
そもそもなぜ一人暮らしをするハメになったのかというと、それはキチガイな両親のおかげ(せい)である。
俺はつい5ヶ月前までは高校生だった
何の変哲もない日常を過ごしていた
いや、過ごしているつもりだった
それがあの日を境に一変したのだ
なぜだか俺はいじめを受けるようになったのだ。
理由は分からない。
人間というのは不思議な生き物だ、ワガママで気分屋なのだ。
俺をいじめたのも気分的にそうしたかったからだろう。
俺はクラスの中ではあまり目立たないようにしているつもりだ。
そして豆腐メンタルの俺はすぐに学校をやめた。
担任には何も言われなかった。
でもそんなことは今となってはどうでもいい
問題なのはこれからの話だ。
学校をやめたあと俺はずっと部屋に閉じこもた。
親は多分そんな俺に呆れたらしい。
もともと望まれて生まれたのではない身なのだからどうでもよかったのだろう。

さて、長々しい自己紹介だったが今の俺は何も不便なく過ごせている。
親は家を捨てて出ていった。
多分新しい人生を謳歌している
残された俺はアルバイトしながら過ごしている。

さて、弁当も決まったことだし、さっさとお金を払って出ていくか。
「以上の商品で1080円になります。」

俺はポケットから財布を取り出す。
ちょっとよく1080円あったためそのまま渡して俺は商品を持って、外へ出た。

帰宅の途中、俺は悠々と歩いていると、猫が横断歩道のド真ん中にいた。
そこにトラックが近付く。
猫は咄嗟に逃げようとしたが、トラックの方が一歩早かった。
猫は数メートル先まで吹き飛ばされ動かなくなった。
その始終すべてを見た俺はなぜ助けなかったのかと疑問に思う人もいるだろうから敢えて言おう、俺の知ったことじゃないと、なぜ俺が見ず知らずの猫やらなんやらを助けなくちゃいけないんだ?生き物はいつかは死ぬ、それが早いのか遅いのかの違いにしか過ぎない、なら後で苦しんで死ぬよりも先に楽に死んだ方がいいに決まってる。

これはあくまでも俺の理論であり他人に強制するつもりは無いしもとより関わるつもりもない。

まあ、それならなんでお前は死にに行かないのかと言うと、単に死ぬのが怖いからである。
人間誰しも死は恐ろしいはずだ、死を恐れない人などいない。

なに、他人に殺されるのであれば俺はむしろ俺を殺してくれる人を感謝してあげたいぐらいだ。

(そうですか、君が……。)

??
なんだ?……ゲームのし過ぎの頭に幻聴が聞こえたのか、まあ、控えるつもりなど一切ないけどな。

(ねぇ、あなた、もし生まれ変われるとしたらどうする?)

生まれ変わる?っフ
もし本当に出来るのならとっくにしてる。
この世界は腐っている。
何億万人もの人が自分の利益のためだけに動きただただ無駄に殺生を繰り返す。
人間は自分勝手だ、自分達の便利を追求するだけ環境などの事など考えたりもしない。

もう一度言おう、この世界は腐っている。
もし生まれ変われるのであればすぐに頼みたいものだ。

(ふふ、そう、ですか。
では、きっとそうでしょう。)

プツンーーーーーーーーーーーーーーー

俺の頭の中で何かが途切れた。
俺はいつの間にか目を閉じていた。
ゆっくりと目を開く………。

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