ダイナマイトをこの僕に

土佐 牛乳

16話

 出会いというものは突然だなんて言うが、しかし今の僕にとってはある程度は予測することができ、そしてある程度の処置はできると僕はそう思っていた。しかし、現実というものは『現実は創作よりも奇なり』といわれるだけはあり、そうこのわけのわからないようなこの目の前の女の子を見てしまっているこの今の現状の前の事柄は僕をより一層、わけの分からないようなことに頭を突っ込んでいるのだなとしっかりとわかるようなことがあった。
 まったくやれやれだと、彼女のお尻をさわさわしているところで彼女から、とんでもないようなビンタが降りかかってきた。正直首がもげるのではないかと僕は自分自身の首を心底心配になっていた。

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 艦長から、僕のいままでの真実そしてこれから、世界をどのようにして救っていくのか、そして僕という人間がなぜ選ばれてしまったのかといった理由が明らかになった。今日の午前中。僕は、いろいろと理解ができないことがありながらも、艦長らに一言あいさつをして、この艦長が待っていた部屋を出て、地上へと戻った。
 いままで地下での、対応だったため、部屋はすこしだけ、薄暗かった。だからだろうか、エレベーターで地上に戻ったときには、太陽のまぶしさで、僕は腕でまぶたを覆うようにして、片腕で隠している。いい加減に目が慣れないのか片目をあけながら、移動していく。そしてメイナから貰ったカリキュラムを見て、午後から主ミレーター室で操作の基本を抑えるという事項が示されていた。確かに、はやくエクステリアに乗りたいという願望は、あるが、しかしここ作戦司令室に来る前に、大きな壁で覆われていた決闘場でエクステリアの戦闘の音を聞いていただけであった。あまりいい音ではなく、どんなことをやっているのか気になる。あのときに資料をチラッと見ていただけであるが、どうやら体に、装着するパワードスーツのようなフォームであり、ダッシュブーストという急加速で体が壊れないように、間接的にそれぞれのブースターが装着されているという感じであった。もちろん、そのまま体にくっつくと誰もが予想しているように足だけがもぎ取れて進んでしまうというとんでもないような地獄絵図となってしまう。実物が見たいと僕は空を眺めて、シュミレター室へと歩いていた。
 シュミレター室は僕が寝泊りしていた簡易ハウスからは、歩いて10分ほどの距離であった。1980年代の建物が並んでおり、どうやらここはとある街の商店街が並んでいた場所であると推測できた。九州が3年前の大戦により大被害となり、土地のだいたいは砂漠地帯に変わっているしかし地下に要塞を構えていた『ラスト・フォート』は被害がないようであった。
 ここにある商店街は、ところどころ、その大戦によって被害が見られる。あるものは部屋ごとスカスカで建物の、骨組みのセメントだけがむき出しで放棄されており、なかなか大きい、これはホテルであったのか、西洋風の作りが少しだけ観察をしていて、やっとにして分かるような有様である。かつてここのとおりが、どれほどまでに、年月が経っていても、人が多くいたのかわかる。僕が3年もあの施設でモルモットにされていた間に、このような世紀末の状態になってしまっていることに、僕はもう引き返せないような時代の波に捕らわれてしまったようだ。まるで悪魔の手が僕の体を時という概念から流されないように足元を引っ張っている錯覚さえ覚えてしまうような、悲惨な現状であった。僕の同級生はどうなってしまったのだろうかと、僕はそんなことを考える。しかし僕という人間は、あの研究室で忌々しいモルモットにされてしまう前までは、普通よりもすこしだけ頭のネジが飛んだ人間として生きてきた。正直に言うと、友達と呼べる存在はいなかったが、しかしそれなりに話すような人間は、孤独を感じさせない話し相手は、数人だがいたわけである。それぞれの人と接点があったわけではない、だがこのような世界の有様になってしまって、彼らはどうなってしまったのだろうかという心配は確かにあった。僕は実験台にされ、世界を救うためにまた、この身をささげているという現状で、この身を守らされている。そして『対月勢力地球防衛機構日本第七支部宮崎防衛所』へと僕はやってきたのだ。彼らが、あの時に腹立たしく、時に僕を笑わせてくれたあの存在たちが、消えてしまったのだろうか。僕は聞いてはいられなかった。僕の家族は、いままで福岡にいたが、僕の能力覚醒ととともに東京に一家で移動した。都市部要塞化計画によって守られているだろう。しかし彼らには、恩と呼べるものは確かにある、しかしその恩を昔の僕は、仇として返してきた過去もあったのだ。今になって、このような非常事態の真っ只中の、世界を守るために、訓練されるという、これまたよくわからない境遇の中でも、彼らにしてきたことを思い出していたのだ。なんということをいままでの僕はしてきだのだろう。そしてなによりも、そんな彼らの中にいて、昔は片思いであった、あの子の無事も聞きたかった。彼女には彼氏がいたが、どうなっているのか。昔に片思いしてしまっている僕にとっては、それは聴きたいことでもあった。
 とにかく僕はシュミレーター室への時間割に、一時間の勘違いがあるとわかった。だからこの一時間で僕という人間は、いままでの3年間の真実というものをしっかりと見極めなければならない。
 すぐさま、近くの施設へと移動していく。休憩所と書かれている看板を見て、僕はここで何かを調べられると看板の片隅にあった(資料PC有り)と書かれていたためここで何かを見ることができるのだと、僕は瞬時に理解した。そして僕は、簡易机の上にあった資料用のPCの電源を付けた。電源電池が右から左へと流れていくアニメーションを見て、僕は深呼吸をする。ある程度の知識は紙の媒体を使って調べているが、しかし、誰がどうなったのか、そしてあの大学が通っていた大学がどうなってしまったのかという細かな、人災までの事項は見ていない。XPとかかれている大きなロゴが見えていたところで、胃になにかをぶつけてしまったような不快感が襲ってきた。ここにきて、僕という人間は、怖気付いてしまっていたのだ。この世界のカオスで、あの子がどうなってしまったかという結末までもはっきりとみさだなければならない。そしてとあるページの、一夜にして九州地区全土が焼け野原になってしまった。という端くれになっていた情報が脳裏にチラついた。そして突然と呼吸が荒くなってしまった。しかしそれでもと、僕は震える手を動かしながら、情報を洗い出そうと手を動かしていた。

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