終焉に近づく世界で俺達は

山下 昇

第26話 難攻不落の要塞

目の前には大きな…基地と言うのには規模が大きすぎる。
言うならば、要塞。まさにそんな表現が正しい。流石は上海という土地に建ってあるだけはあるな。

さて、話は変わるが、少しこの要塞について述べたいと思う。

中の方からの魔力反応より、大量の魔法防衛システムが作動していることが分かった。
それも多分だが、結構高価で性能も良いものだと思われる。

というのも、防衛システムが要塞全体に張り巡らされていて、というかこの量は建物自体が防衛システムを兼ねているようなそんな感じである。
このような型のことを要塞防衛システム型と言う。
このような型はこの文明が進んだ世界でも数は少ない。
理由は材料なのだが、その材料が取れない取れない。取れない理由は…まぁ過去にいろいろあってということらしい。
ちなみにだが、その他には個々防衛システム型や、組織防衛システム型などが挙げられる。
説明はまた別の機会にしようと思う。

さて、というわけで世界に多分数個も無いと言われているこの要塞防衛システム型の性能についてだが、まず、ほとんどの人が一歩入った瞬間、灰とかす。
というのも、この防衛システム、魔法が付属されていて、その魔法が無属性でも異端とも言える、時属性に属している。

その効果は、分かりやすい例でいうとミイラにさせるというものだ。ミイラとはまた違うのだが、要はその対象の時間の流れを倍増させるというものである。

正直、これぐらいならば1秒もあれば何とかできるのだが、問題はその倍増ささる量だ。
一体だけならまだしも要塞のシステム自体がなので、無数の装置がこちらにそれを使ってくる。
するとどうなるか、倍増、倍増さらに倍増が繰り返され、一秒にも満たない時間で、対象が灰とかす。

そう、この装置はいわゆるチート性能なのである。

しかし、俺にはそれが効かない。理由は現在でも不明ではあるが、わかっていることは俺に無属性は効かないということだけだ。

なので実際、この基地、いや要塞には俺一人でしんにして目的を達成させなければならない。
アンリ達が入るとそこには絶対の死が待っているからだ。

しかし、他にも問題がある。
それはまぁ仕方ないことではあるのだが、この防衛システムの機能で、この規模だと、計10個の仕掛けというかボス的なものを倒さなくてならない。
これが面倒くさいというか、非常に問題なのだ。

実はというか当たり前の話ではあるのだが、要塞に足を踏み入れた瞬間、システムが作動する。
その時にあちらの管理棟の方でシステムが侵入者の能力査定などが行われる。
そして、一定の強さを過ぎると爆破機能が作動する。
多分だが、これは情報が侵入者に握られるのを防ぐためのものである。

そして爆破機能が作動し、侵入者、土地もろとも灰とかす。

そんなシステム作動のため、何とかしないといけないのだが、誤魔化せたとしても最後には結局この基地は爆破オチだ。

おまけに爆破するまでの時間が異様なほどに短い。フレームレベルなのではないかとも思う。

とりあえず、こんな要塞を何とかしなければならないのだが…

と、俺が考えている時にアンリがあることを聞いてきた。
「瑛翔、無属性でこうゆうの何とか出来そうな魔法はない?」
と聞いてきた。
俺はそれを聞いた瞬間はっと思いついた。
これなら!

こうして、俺はアンリ達にその事等を説明し、とりあえず退避してもらうことにした。
「お兄ちゃん、無事でね。」
そう心配そうに遥香は言う。
なので俺は
「俺のことを信じれないか?」
と少し意地悪く言った。
遥香は、
「心配してるのに!…でも、大丈夫だって信じてるから。」
と少し怒りながらもそう言って俺を送ってくれた。
最後に俺はアンリに、
「すぐ、終わらせるからな。」
とだけ言って、
アンリも、
「無事でね。」
と互いに短く告げて、一時的な別れを告げた。
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「さて、行くか!」
俺は手筈通りに進めれるようにと願いながら足を要塞のほうへと向けた。
「さて、ここからだぜ。俺達の反撃は、先ずはここを何とかしなきゃな!」

こうして、難攻不落とも言える要塞に一人、勝負を仕掛けにいくのであった。

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