終焉に近づく世界で俺達は

山下 昇

第22話 作戦会議 その一

平和な昼時を過ぎ、俺達は早速準備に取りかかった。

勿論、俺の復讐の方のだ。
といっても、準備するものはほとんど無いので、まぁ、やることは無い。
それはどうやらアンリや、遥香も同じらしい。

なので、これから具体的に何をするのかーどうやって俺の親の敵である人物を探すのか、それをどうやって手に入れるのかを全員で話合うことにした。

…ちなみに未来は俺達が行ってからやるべきことが沢山あるので、今のうちに整理等の作業に打ち込んでいる。

申し訳ないな、俺の復讐が終わったらすぐに助けに行くからと思いながら、俺達は作戦会議をする事にした。

「さっそくだが、…アンリ、俺の親のの敵が見つかりそうな資料とかあるのか?」
と本当にさっそく、本題に入らせて頂く。
何しろ時間が無い、このまま居ればまた軍のほうから来るかも知れないし、さらに言うとここを戦闘の場としては使いたくない。

時間が無いというのは俺達が、というわけではなく、人類側の方がという意味だ。

なぜなのかは知らないが、人類側をやろうと思えば滅ぼせるのに、何故か泳がせているのだ。

多分、あちら側にとっては「残り貴様らにとって少ない時間を与えてやるよ。せいぜい、この時間を大切に使うんだな。」という感じのニュアンスなのだろう。

まぁ、この話はいいか。

とりあえず彼女に聞いたところ、
「瑛翔のご両親が殺された場所は何処か覚えてる?」
と反対に聞かれた。

忘れるはずがない、俺が力を求めたあの時のことを。
場所も、血の匂いも、両親がもう二度と動くことが無かったことも。

俺はそんな思いを胸にその地の名前を告げた。
「中国の上海だ。忘れる訳がない。」

彼女達はそんな俺の表情を見て、少し怖がっていた。
いつもはこんな憎しみに満ちた顔を見せてはいないからだろうな。

しかし、アンリはそれに負けず、
「中国の上海ならそこの周辺に過激派の基地ーアジトがあるの。…多分そこでなら情報も集めれるかも知れないよ。」
と俺に言った。

しかし、俺は
「アジトに行ったとして、流石に、9年前の情報を集められるのか?」
と言った。

流石に、無理ではないか。俺は言葉を続けることはしなかったが、そう言葉に含ませて言った。

しかし、アンリは、
「実は私も何度か違うアジトに侵入していたりしていたから確信に近い判断だけど、過激派は何故か分からないけど、きちんとその時その時の情報を纏めてデータにしているの。…だから、もしかしたら9年前の情報も集められるかも知れないの。」
と結構重要な情報を言った。

これが、本当なら俺の求めている情報を手に入れれる確率が大きく跳ね上がる。

しかし、まだ安心は出来ない。

俺は続けて質問する。
「でも、流石に9年前の、さらにあちら側にとってはただの蹂躙が記録として残っているのか?」
と質問した。

しかし、アンリは
「彼らは何事もデータに残していたよ。過去のデータは50年前のこの地の様子はどうだったとかが、こと細かに記されていたから、9年前の記録は残っているかも知れないよ?さらに、言うと、アジトは各地にあるからそこのアジトごとで集めていた情報も違うし、その現地で起こったことは、全て記されていたから手に入れれる可能性は大きいと思うよ。…でもそれは私が、侵入したところではだったけど、どこでも徹底されている可能性はほぼあると思うし。」
と言った。

しかし、何でそこまでこと細かに残しておく必要があるのだろうか、そこは流石に俺達は知るよしは無かった。

しかし、事実として、そのような事が起きているので、否定は出来ない。

「…少し休憩しようか。」
俺は話を良いところで切り上げて続きは少し休憩してからにすることにした。

敵の情報を手に入れるということの進展はありそうなので、良かった、と思いながら、とりあえず少し、あった紅茶を美味しく頂くのであった。

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