教師な僕と生徒な彼女

きりんのつばさ

ミッション開始・・・?

そして買い物に行く当日
「・・・前髪よし。
服装は・・・悪くないだろう」
僕は朝から鏡の前で睨めっこしていた。
実は僕は女性と買い物に行くなんて初めての事で
戸惑っている。
本当はスーツで行こうとしたのだが五十嵐先生に
「流石に休日までスーツじゃなくていいですよ〜
私服で大丈夫ですよ。
あっ、でも一色先生の私服見てみたいですね〜」
と言われて私服で行くことにしたのだが
「私服、殆ど無いんだよな〜⁉︎」
僕自身があまりファッションに興味が無く
いつも着れればいいや〜の気分で服を買っていたため
殆どTシャツとジーパンしか持っていなかった。 
「くそっ、ファッションとはこんなに大変だとは・・・
これなら大学時代にもう少し聞いておけば
良かったな〜‼︎」
と僕は時間一杯まで悩んだ。

そして僕にはもう一つ、行く前に仕事があった。
それは・・・
「二井見さんに見つからないように
しなければ・・・」
二井見さんに見つからない様に待ち合わせ場所に
向かわないといけない。
・・・そのため二井見さんには待ち合わせ場所は
教えてない。待ち合わせ場所で見張られていては
意味がないからだ。
「とりあえず正攻法に真っ直ぐ行ったら
あの子の事だ。多分ドアの目の前にいるだろう・・・
なると窓から行くか・・・」
と窓に手をかけた瞬間、ふと思った。
「いや、待てよ。あの子の事だ。僕が正攻法で
来ないのを見越して窓付近にいるかもしれない・・・」
・・・うん、その可能性が高い。
あの子ならそうしかねない。
結局、僕は正攻法にドアから出ることにした。
「よし・・・いまだ‼︎」
僕はドアから部屋を出た瞬間
防犯カメラの死角になる箇所を一気に走った。
そうして五十嵐先生との待ち合わせ場所に向かった。
・・・自分で言うのもなんだが、いつもの裏稼業での
経験をこんなところで使うなんて、才能の無駄遣いの
様な気がしてきた。
だが、二井見さんがいると僕の気苦労が増える。
それを回避したい・・・そのために使おう・・・

そして待ち合わせ場所に着くと
既に五十嵐先生がいた。
「す、すみません遅れました・・・」
「ど、どうしましたか一色先生?
なんか運動でもしてきたんですか?」
「ええ、まぁ・・・」
・・・校内と学園内を全力ダッシュをしましたよ。
と五十嵐先生を見てみる。
五十嵐先生の服装は白いワンピースの上に
カーディガンを羽織った、ザ・お嬢様の服装だった。
「さ、流石お嬢様・・・」
「?何か言いましたか?」
「い、いえ何でもないです・・・
さぁ早く行きましょう」
二井見さんに見つかる前に早く出たい。
と思い五十嵐先生を連れて出ようとしたのだが
「・・・先生、遅い」
「・・・は?」
僕が声の方を振り向くと、そこにいたのは
「・・・来ちゃった」
「に、二井見さん!?」
僕が見つからないように逃げていた人物
・・・二井見さんがそこにはいた。
「あ、二井見さん来たんだ~
おはよう~!」
「・・・五十嵐先生、おはよう」
と二人は普通に挨拶をしていた。
「な、な、な、な、何で・・・?」
何でここに二井見さんがいるんだ!?
「どうしましたか一色先生?
なんか鳩が豆鉄砲をくらったような顔を
していますが・・・」
「いやいや五十嵐先生!?
何で生徒の二井見さんがさりげなく
いるんですか!?」
と僕が聞くと、五十嵐先生が何かを思い出したらしく
「あ~あ、そういえば言って無かったですね。
今日、二井見さんも一緒に行くんですよ~」
「はぁ~!?」
驚愕の事実。
おいおい、マジかよ・・・
僕のせっかくの休日が・・・
「ちなみになんで二井見さんも
一緒に行くんですか・・・?」
僕が五十嵐先生に聞いてみると
「いえ、実は私もよくは知らないんですけど
校長先生が一緒に連れていってと言われたので・・・」
あの校長ゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!?
やりやがったな・・・!!
試しに二井見さんの方をみると
「・・・」
さりげなく僕から目線を逸らした。
うん、君も一枚かんでるよね。
絶対そうですよね。
「はぁ・・・」
「あ、あれ一色先生。
なんか行く前から疲れてませんか・・・?」
「いえ、別に。大丈夫です・・・
さぁ行きましょうか・・・?」
と僕たちは目的の場所まで行くことにした。

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