教師な僕と生徒な彼女

きりんのつばさ

先輩の先生?

「ふぅ・・・なんか疲れた」
僕は自室のベッドに倒れこんだ。
この学校は敷地内に教員寮があり
僕と海斗は今日からこの寮に
住むことになる。
寮といっても一人暮らしの生活に
必要な物は全て揃っている。
なんなら家財道具が全て
一級品だろうと思う。
特にベッドがヤバイ。
跳ね返り方が今までとは違う。
「・・・って家財の説明
している場合じゃないよ〜
これからの身の振り方だよ・・・」
校長からの依頼を受けざる得ない状況になり
結局受け入れたが・・・
「随分厄介な依頼だな」
成功すればこの学校で定年まで働ける上に
奨学金を返済しなくていいというオマケつき。
だが逆に失敗すれば偽の書類を作成した罪で
一発逮捕、牢屋行きだ。
まさにハイリスク・ハイリターンだろう。
あの校長、僕が断れない事を知った上で
やりやがったな・・・
「不登校の生徒を投稿させろって
結構難しいよなぁ〜
・・・明日から憂鬱だ」
ガチャ
「蓮、邪魔する」
と入って来たのは海斗だった。
「海斗か、どうした?」
「いや、お前が校長先生に呼ばれてから
中々帰ってこないから心配になった」
「それはすまない。
実は文芸部の件で呼ばれていた」
「文芸部?なんでだ?」
「なんか文芸部ってこの学校でも
歴史がある部活らしくて
その顧問の心構えの話を
延々と聞かされていた」
・・・まぁ嘘だがな‼︎
「お前も苦労してるのか・・・
俺も華道部の顧問が務められるのか
って質問攻めだった」
「そっちも大変だな」
「お互いな」
その後、僕らはたわいもない話をして
10時ぐらいに寝た。

そして2日目
校長先生からの依頼初日である。
6時半に起きた僕は
身支度を整えて職員室に向かった。
職員室に着いた僕は自分の机に
荷物を置いて、教員に送られるメール
を確認した。
「特に大丈夫かな・・・」
「貴方が一色先生ですか?」
「?はい?」
と振り向くと若い女性の先生がいた。
「あっ、私は五十嵐いがらし美里みさとって
言います。一応一色先生の1つ上です」
「失礼しました‼︎
私は一色蓮と言います。
これからよろしくお願いします‼︎」
「そこまで敬意を払われる程
じゃありませんよ〜
もう少しリラックスしてください」
「そ、そうですか」
「はい」
と五十嵐先生が微笑んだ。
「やっと私もこの学校で先輩になれましたよ〜
これからは私を先輩として頼ってくれて
構いませんからね〜」
「という五十嵐先生も色々なミスを
毎日してましたが大丈夫ですか?」
と周りの先生方にいじられる五十嵐先生。
「大丈夫です!私も1年もやっていれば
慣れましたよ‼︎」
「・・・では、五十嵐先生
今日の授業で使うプリントは
持ってきていますか?」
「流石に持ってきて・・・
あぁ〜⁉︎忘れた〜‼︎」
と走って職員室を出た五十嵐先生。
「・・・毎日あんな感じなんですか?」
「そうですよ。でも授業は人気あって
生徒からの人気も高いですよ」
「たしかにそんな気がします」
「ただ忘れ物だけは直して欲しいですね・・・」
「アハハ・・・」

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