とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

解放








「えっと…これどうすればいいんだ……」
「とりあえず適当にボタン押せばいいんじゃない?」

花実はそう言いながら片手で僕の手を握りもう片方の手でボタンを適当に押す。花実が4つほどボタンを押すと扉が開いた。

「ほらね。開いたでしょう」

花実さんやべぇ…これ運がいいとかそういう次元じゃないだろ……

「晴樹と花実?」
「楓先輩?よかったここにいたんですね」

花実は部屋の電気をつけて楓先輩の姿を確認する。楓先輩の他に捕まっていた人達はみんなこの場に閉じ込められていた。

「とりあえず今助けますから」

僕は壁にぶら下がっていた鍵で楓先輩たちが閉じ込められていた檻を開けて楓先輩たちにつけられていた手枷を外してあげる。

「ふう、助かったわ。ありがとう」
「で、これからどうします?」
「ティナちゃんを助けるわ。あと、あいつにきちんとお返しをしないと気が済まないしね」

楓先輩はそう言って部屋を飛び出して行く。

「楓さん、1人で行動は危ないです」

楓先輩に続いてミカさんも慌てて部屋を飛び出して行く。

「百合子、あなたは楓とミカさんについて行くのかしら、2人ともティナちゃんを奪われたことに責任を感じて焦って冷静に動けてないのよ。あなたがちゃんと2人に指示を出してあげるのかしら」
「わかり…ました……」

ヴィオラ先輩にそう言われて百合子先輩は慌てて楓先輩とミカさんの後を追う。

「緑、あなたは杏奈先生たちと合流して待機してて欲しいのかしら」
「わかりました」

緑先輩はヴィオラ先輩の指示に従い能力を発動させて杏奈先生たちのもとに向かった。

「さて、私たちは3人で行動するかしら」
「わかりました。それであれはどうします?」

僕は楓先輩たちが出て行った扉の反対にあった扉の前に立つ人影を指差して言う。

「私がやるかしら、晴樹と花実は下がってるのよ。晴樹、しっかりと花実を守ってやるのかしら」
「わかりました」

僕はヴィオラ先輩にそう答え花実を連れて邪魔にならないように距離を取る。

「さて、じゃあやるのかしら」
「うーん、めんどくさいなぁ。せっかく捕まえたのにいつの間にか逃げちゃってさぁ、私今だいぶイラついてるから手加減とか出来ないよ?大人しく捕まるなら今のうちだよ」

黒のフードを被った女の子がヴィオラ先輩にいうとヴィオラ先輩は鼻で笑う。

「ずっと捕まっててストレスが溜まってたのはこっちなのよ。手加減できないから許すのかしら」
「あっそう。まあ、いいや。じゃあ、やろうか」

黒のフードを脱いだ金髪の少女は赤色と青色のオッドアイを輝かせて言う。











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