とある学園生活は制限付き能力とともに

りゅう

蝶の侵入















「まさか白雪姫と戦うことになるとは…」

ゆき姉と対峙していた信一先輩がボソッと呟く。信一先輩と信二先輩がキャッスルアウト開始からコツコツと貯めた武器はゆき姉により1つの巨大な氷に固められていた。

「なんだ…2人同時に相手したら私でも勝てるかわからないって言われたから期待してたのに…これならダイナちゃんやヴィオラさんと戦った方が面白かったわ…」

ゆき姉はそう呟きながら信一先輩と信二先輩を戦闘不能にする。戦闘不能になった信一先輩と信二先輩はバーチャルリアリティ空間から退場した。相性が悪かった。信一先輩と信二先輩の能力は強力だ。だがゆき姉は信一先輩と信二先輩の能力をあっさりと無力化してしまった。

「さて、じゃあ次は巫女ちゃんとやりたいな…」

ゆき姉はそう呟きながら巫女さんの元へと向かう。




「運任せで適当にテレポートしただけなのに…花実の能力本当にすごいな…」

「まあね、私の能力はあんたがいれば無敵よ」

城の中に入ることができた僕にひっついて来た花実が自慢げに言う。

「あと、私があんたのことを好きじゃなくなったら私無能力と同類になっちゃうから私に嫌われないように尽くしなさいよ」

花実が偉そうに僕に言う。

「さて、じゃあさっさとフラッグを破壊しよう」

僕は花実を連れて城の中を歩き回る。





「ふ〜ん、どうやらターゲットの意識はバーチャルリアリティ空間にあるみたいだよ〜」

僕達が泊まっていたホテルの側のカフェでフードを被った女が呟く。

「周囲に人はいるか?」

「ホテルの人間が5人、そしてバーチャルリアリティ空間から追い出されたのが2人、どうやらキャッスルアウトをしているみたいね」

「となると敵の主戦力はバーチャルリアリティ空間の中と言うわけだ。キャッスルアウトを終える前にターゲットを連れ出すべきだな」

「ええ、同意するわぁ、さっそくホテルに侵入しましょう。最短ルートでターゲットの元に向かうわよぉ」

「じゃあさっそく行きましょうか…敵が増えないうちに実行した方がいい…」

「ちなみにターゲット以外の敵はやっちゃっていいんですか?」

「やむを得ない場合はやれ、ただ我々の存在が公になるのは避けたいからな…なるべく戦闘不能程度で抑えろ。黒の蝶は静かに舞わねばならない…穂花、監視カメラは無力化してくれた?」

「ええ、今終わらせた」

「本当に便利ねぇ、あんたの能力」

「時間が惜しい、行くぞ…」

3人は立ち上がりカフェを後にしホテルに向かう。そして堂々とホテルの玄関に足を踏み入れる。

そして数秒後、ホテルのロビーにいた人間で動ける者はなかった。















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