とある学園生活は制限付き能力とともに
ディナーそして、お楽しみの時間
「すっっっっげぇぇ…」
シェフだ。シェフがいる。シェフが肉焼いてるぞ…寿司職人が寿司握ってるぞ…シェフが天ぷら揚げてるぞ…なんかケバブ焼いてるぞ…なんかフレンチみたいな料理作ってるぞ…なんかすごく綺麗な和食作ってるぞ…なんかいろいろとすごい…他にもさまざまな料理が並んでいる。いわゆるビュッフェ形式の食事らしい。僕達は皿を渡されてホール内に解き放たれた。
「楓ちゃん、食べ過ぎは禁止よ。野菜もちゃんとバランス良く食べなさいよ。わかった?」
「わ…わかってるわよ。志穂…肉……」
あれ絶対わかってないやつだろ…楓先輩はヨダレを垂らしながらシェフが焼いている肉をもらいに行く。
「さてじゃあ私も取ってこようかな…」
花実がそう言いながら立ち上がる。花実に続いて僕とゆき姉、ダイナ、巫女さんも立ち上がり料理を取りに行く。
僕は適当に美味しそうなものを取って席に戻った。
「さすがダイナ…すごいバランスよく取ってきてる…」
「え?適当に持ってきただけですけど…」
ダイナの皿には程よく野菜と肉、魚、などのバランスが取れていた。
それに比べて……
僕のすぐ側に置かれている肉山盛りの皿……花実とゆき姉だ…
「花実とゆき姉も少しはダイナを見習ってバランスを考えろよ…太るよ?」
「晴樹、それは女の子には絶対に言っちゃいけないセリフだよ!」
「私、食べても太らないから大丈夫」
ゆき姉と花実は僕にそう答えて肉を貪る。せめてダイナみたいに上品に食べてくれ…
こうしてめちゃくちゃな夕食は終わった。すごく美味しかった。美味しかったのだが雰囲気がぶち壊しだ。明日はダイナと巫女さんと3人で食べよう。
「よし、じゃあ温泉入ろう!」
「やけに張り切ってるわね。温泉に何かあるの?」
花実が僕に尋ねる。僕が温泉に入るのを楽しみにしている理由、それは…
「ねえ、晴樹…一応聞いておくけど私たちと混浴できるなんて思ってないでしょうね?」
「え……」
「やっぱり、一緒にお風呂入ろうなんて考えてたんだ〜」
花実が不吉な笑みを浮かべて僕に迫る。花実さん、花実さん、怖いです。せっかくのかわいいお顔が…ぶへぇ……
僕は花実に全力で腹パンされてその場に倒れこむ。痛い…すごく痛い……いや、ちょっと待ってよ…混浴って言っても水着着用だからプール行くのと同じようなものじゃん…
「晴樹の変態、バカ…」
ゆき姉は倒れる僕の前でそう呟き花実とともに女子風呂に向かう。
「晴樹さん…その……ごめんなさい…」
ダイナはそう言いながら女子風呂に向かう。やめて、謝らないで…お願いだから…
「どんまい…」
巫女さんはそう言ってダイナについて行く。やめて、僕のライフはもうゼロよ…
「晴樹君、よかったら私たちと混浴しますか?」
僕が振り返ると杏奈先生とティナちゃん、ミカさんがいた。
「晴樹…ティナと一緒に入ろ」
ティナちゃんにこう言われたら断れないよな。僕は一旦男子風呂に入り更衣室で水着に着替える。そして更衣室から混浴風呂に入って行く。
「「「「……………………」」」」
あれ、ここって…僕は一旦外に出て看板を確認する。うん。ちゃんと混浴風呂って書いてある。
「ちょっと晴樹、なんで女子風呂に入ってきてるの!」
「最低!晴樹がそんな人だなんて思ってなかった」
「晴樹さん…いくら混浴断られたからってこれは…」
「晴樹さんの変態…」
全裸で混浴風呂に入っている花実、ゆき姉、ダイナ、巫女さんが僕に罵声を浴びせ近くにあったシャンプーや石鹸を投げてくる。
「あれ、みなさんなんで水着着てないんですか?ここは混浴ですよ」
混浴風呂に入ってきた杏奈先生の言葉を聞き花実たちの手が止まる。
「「「「え?」」」」
「なるほど、晴樹君、とりあえず一旦男子更衣室に戻ってください。5分経ったら入って構いませんから…他の男子…信一君が来たら絶対に止めてください」
信一君が来たらって信一先輩信用ないんだな……
その後自分たちが間違っていたことを知った4人は慌てて混浴風呂から退場した。
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