とある学園生活は制限付き能力とともに
昼食
翌日
朝、僕は起きてすぐに歯を磨き、朝食として机の上にあった菓子パンをほうばる。
着替えを済ませて部屋を出るとすでにダイナが待っていた。
「晴樹さん、おはようございます」
「あっ、うんおはよう、花実はまだ来てないよね?」
「はい。まだ来てませんよ」
僕の問いにダイナが答える。現在、時刻は8時ちょうど、学校には8時40分までに着かないといけず、学校までは15分くらいかかる。ちなみに今日、僕達は8時に集合ということになっていた。
「やっぱり来てないか…」
「やっぱり?」
「うん。絶対集合時間に遅れると思ってたから、てかたぶんだけどあいつまだ起きてないと思う。」
「さすがにそれはないですよ」
ダイナが笑いながら言うが、僕は断言できる。絶対花実はまだ寝ていると!
とりあえず僕達は花実の様子を見に花実の部屋に向かう。花実の部屋のインターホンを押すが反応がない。もう一度、もう一度と計3回インターホンを押したが反応はなかった。
「やっぱりまだ寝てるな…」
「まさか、本当に寝てるとは…」
ダイナが驚いたような顔をしていた。
「とりあえず電話するか…」
僕はポケットからスマホを取り出して花実に電話をかける。
『ただ今電話に…』
お決まりのセリフが流れて来たので僕は電話を切る。
さて、どうしたものか……
昔だったらインターホンを押せば花実のお母さんが花実を叩き起こしていたが、今花実は1人暮らしなんだよなぁ…
そうこうしているうちに5分ほど経過した。
「とりあえずインターホンを押し続けよう」
僕はそういい、何度もインターホンを押す。おそらく数十回は押しただろうがようやく花実が起きてくれた。
「ふぁい、もひもひ?」
花実がいかにも起きたばかりです。というような感じでインターホンでの会話に応じた。
「花実!急げ!はやくしないと遅刻する!」
「えっ?嘘!もうこんな時間!?」
花実はかなり驚きながら急いで準備をしているのがわかる。
「ごめんお待たせ」
5分後、口に食パンをくわえ髪をボサボサにした状態の花実が部屋から飛び出してくる。
「ちょっ、花実さん!」
「あー大丈夫大丈夫いつものことだから…」
なんともだらしない状態の花見を見つめながら僕達は歩き出す。現在時刻は8時10分、まあ、間に合うだろう。
学校に着いた僕達は真っ直ぐに教室に向かう。
入学2日目の今日は実力テストが3教科国、数、英を受けて終了だ。特に成績に関係ないらしいので真面目に勉強している人はあまりいなかった。
テストが終わり僕は花実とダイナとともにアパートに帰る。
「お二人は今日の昼食はどうするんですか?」
歩きながらダイナが僕と花実に尋ねる。
「うーん、私はコンビニで適当に済ませるかな」
「僕も」
ダイナの質問に僕達は答える。
「そうですか、ならちょうどいいです。昨日シチューを作り過ぎちゃったので良かったら食べに来ませんか?」
ダイナが僕達に言う。
「え?本当?行きたい行きたい!」
花実がダイナの提案に食いつく。
「僕も迷惑じゃないなら是非」
「じゃあ、後で私の部屋に来てくださいね、準備して待ってますから」
「うん。わかった〜」
花実がそう言いながら手を振る。僕も笑顔で手を振るが内心めちゃくちゃ焦っていた。僕が焦っていた理由…それは…僕は生まれてから一度も女子の部屋に入ったことがないからだ。どうしよう。どうすればいいんだ…などと考えていたらお昼の時間になってしまった。
とりあえず着替えを済ませてダイナの部屋に向かう。
ダイナの部屋のインターホンを押すとダイナが扉を開いて出迎えてくれた。
「まだ煮込んでる途中なのでもう少し待っててくださいね。あっ、そこの椅子に座ってください」
「うん。ありがと」
僕はダイナの言う通り椅子に座る。僕が座った場所からは台所で料理をしているダイナの姿が見えた。ダイナは私服姿も可愛かった。黒のゴスロリの服に学校で履いていたのと同じ白ニーソ…最高っす。などと考えていたらインターホンが鳴る。
「あっ、花実ちゃんかな?ちょっと今手が離せないので晴樹さん出てもらっていいですか?」
「わかった」
ダイナに頼まれた僕は椅子から立ち上がって玄関に向かう。扉を開けるとそこには私服姿の花実が立っていた。動きやすそうなパーカーに短パンそして黒のタイツ…ぶっちゃけかなり似合っている。
「あれ、晴樹じゃん、ダイナちゃんは?」
僕が出てきたことを疑問に思った花実が僕に尋ねる。
「今手が離せないみたいだから代わりに来ただけだよ」
「そっ、ダイナちゃん、お邪魔しま〜す」
花実が台所にいるダイナに聞こえるように挨拶をして玄関で靴を脱いで部屋の中に入る。
「あっ、花実ちゃん、いらっしゃい。丁度できたから座って」
僕と花実が席に着くとダイナが料理を運んできた。
テーブルの上に置かれたパンにクリームシチュー、サラダを見て花実のお腹が鳴る。
「さっ、じゃあ食べようか」
ダイナがそう言いながら手を合わせる。
僕達もダイナに続いて手を合わせる。
「「「いただきます」」」
3人同時に言い、さっそくクリームシチューを口に運ぶ。
「「めっちゃ美味しい」」
僕と花実はそういい次々とクリームシチューを口に運ぶ。気づいたらすでに料理はなくなっていた。
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コメント
りゅう
コメントありがとうございます。間違えだったので訂正致しました。
ノベルバユーザー180154
面白いです!
インターフォンの場面で花実は驚いた?的なとこダイナだと思うんですけど。ダイナじゃないならよく分かりません。そこに時間使っちゃった