異世界は割とどうでも良かったけど地球もピンチらしいので行ってきます。但し相棒のおかげで胃がマッハです。
あなたのチート教えます!
「え、それってメチャクチャ便利なんじゃないんですか?」
「そう、メチャクチャ便利なのよ! なにせこの私が与えた加護ですもの! フフン!」
ドヤ顔で胸を張る女神様の豊乳に思わず目が吸い寄せられるが、気づかられる前に自然と視線をスライドさせて、もう一度与えられたという能力について考える。
「“願いを形にする魔法”ってことは、どんな願いでも叶う、ってことですか?」
「そこまで万能じゃないわ、一定の条件が必要なの」
指をくるくる回しながら、説明を続ける女神様。
「条件って?」
「あなたは“自分の願い”を叶える事はできないわ。他人が強く思ってる願いを叶えてあげる事が出来るの」
「えっ!?」
「どうかしましたか?」
「いえ、それはおかしいですよ。だって――」
僕は、自分が異世界から帰ってきた状況や、今ここに来た時の状況を説明した。
「えー? そんなはずないんですけど……(能力与える時にバグったかな)」
「今小声で聞き捨てならないこと言いませんでした?」
「全知全能の私がなすことに間違いなんてあんまりないわ!」
「たまにはあるんかいっ!」
「なんですか、不敬ですよ不敬!」
完全に開き直ったなこの女神様……。
「一応女神様から頂いてる設定はどうなってるか教えてください」
「あなたの能力は“他人の本当の願いを叶える魔法”なの。あなたの周囲の人間の真なる願いを聞き届けて、その莫大なマナで強制的に叶えてしまう、そういう願いなのよ」
あれ? でもそれって――。
「そうすると魔王の軍勢を滅ぼして下さい、魔王を倒してくださいって願いを誰かが願えば、それを叶えることも出来るってことですか?」
「それは出来ないのです」
「何故なんですか?」
「それは彼等魔族や魔王は邪神の加護を受けているからなのです」
「邪神の加護……ですか」
「そう、破壊神とも呼ばれる彼は私とは相容れない存在なのです。なので、直接干渉することは出来ません」
「なら、間接的に干渉は出来るってことですか?」
「それは……恐らくそうですね」
「(頼りねえなこの女神様)」
「聞こえてますからね!? 不敬ですよ、不敬!!」
ぷくっと子供のように頬を膨らませる女神様があんまり可愛かったので、おもわずのそのほっぺたを人差し指でずぼっと突いてしまった
「ぷひゅー……ってなななな何するんですかっ!?」
変な音を出しながらしぼんでいく頬に、女神様は顔を真っ赤にする。
「いえ、あんまり可愛かったもんでつい」
「かわっ……!? あなたには神に対する畏敬の念が足りてません! もっと信心深くなりなさい!」
「いや、この醜態を見せられた後ではいかんともしがたくですね……」
「醜態って言ったー!! 私の事ブスだって言ったー!?」
「そこまでは言ってない!?」
もうやだ、この女神様疲れる。まるでリアを相手にしてるみたいだ……。
「あと細かい制約として、莫大なマナを消費するから周辺のマナが枯渇するのでそれは覚えておいてくださいね」
グスグス言いながらもきちんと教えてくれる女神様。やっぱりいい人なのかもしれない。
「その、マナ? が枯渇するとどうなるんですか?」
「魔法が使えません。一切の魔法力を行使することができなくなります」
んんっ? それって――。
「僕達も、敵も、魔法を使えなくなる?」
「そうですね」
「つまりガチンコ脳筋バトルしかなくなる?」
「そう……ですね」
「それで選ばれたのがリアなんですね」
「そう――って、仮にもパートナーに対しての物言いがいかがなものかと思うんですけど!?」
「いや、どう考えたって彼女に頭脳戦とか無理でしょ」
ちょっとの時間しか話してないが、いわゆる切れるタイプの人間ではない。どっちかというとキレてるタイプの人間だ。
「しかしそうなると僕がとてつもない足手まといですね」
「いえ、あなたには身体能力向上の能力も授けていますので、問題ないと思いますよ」
「えっ?! それって僕に前線にでて戦えってことですか!?」
本気で驚いている僕に、女神様は胡乱げな瞳を向けてきた。
「あなた――仮にも女の子を前線に立たせて自分は後方でまったり待機とか許されると思ってるんですか?」
「うん」
「素直!? でも全然褒められない!!」
「いやぁ、だって自分ただの高校生ですし」
「その辺の加護もちゃんとついてます! なのであんまりにもあんまりな行動を取ったら、神罰が下りますよ?」
「へえ、どんな神罰ですか」
この時、僕はこの女神様を完全に舐めきっていた。しかしそれは今思うと愚の骨頂でしかなかった。
「こうなります――」
女神様の目が冷ややかになっていき、僕の全身が粟立っていく。
「えっ、ちょっ、まっ」
「パニッシュ!!」
ドガンッ!! という爆発音にも似た雷鳴と共に、僕の全身を衝撃が貫いていった。
「あがががががが!!」
すっかり丸焦げになって煙が上がっている僕は、直立した姿勢のまま倒れ込んだ。
「解りましたか、これが神罰です。自分の行動にはくれぐれも気をつけてくださいね!」
にっこりとした極上の笑顔で倒れ込んだ僕を覗き込む女神様の顔を最後に、僕の意識は途絶えた。
「そう、メチャクチャ便利なのよ! なにせこの私が与えた加護ですもの! フフン!」
ドヤ顔で胸を張る女神様の豊乳に思わず目が吸い寄せられるが、気づかられる前に自然と視線をスライドさせて、もう一度与えられたという能力について考える。
「“願いを形にする魔法”ってことは、どんな願いでも叶う、ってことですか?」
「そこまで万能じゃないわ、一定の条件が必要なの」
指をくるくる回しながら、説明を続ける女神様。
「条件って?」
「あなたは“自分の願い”を叶える事はできないわ。他人が強く思ってる願いを叶えてあげる事が出来るの」
「えっ!?」
「どうかしましたか?」
「いえ、それはおかしいですよ。だって――」
僕は、自分が異世界から帰ってきた状況や、今ここに来た時の状況を説明した。
「えー? そんなはずないんですけど……(能力与える時にバグったかな)」
「今小声で聞き捨てならないこと言いませんでした?」
「全知全能の私がなすことに間違いなんてあんまりないわ!」
「たまにはあるんかいっ!」
「なんですか、不敬ですよ不敬!」
完全に開き直ったなこの女神様……。
「一応女神様から頂いてる設定はどうなってるか教えてください」
「あなたの能力は“他人の本当の願いを叶える魔法”なの。あなたの周囲の人間の真なる願いを聞き届けて、その莫大なマナで強制的に叶えてしまう、そういう願いなのよ」
あれ? でもそれって――。
「そうすると魔王の軍勢を滅ぼして下さい、魔王を倒してくださいって願いを誰かが願えば、それを叶えることも出来るってことですか?」
「それは出来ないのです」
「何故なんですか?」
「それは彼等魔族や魔王は邪神の加護を受けているからなのです」
「邪神の加護……ですか」
「そう、破壊神とも呼ばれる彼は私とは相容れない存在なのです。なので、直接干渉することは出来ません」
「なら、間接的に干渉は出来るってことですか?」
「それは……恐らくそうですね」
「(頼りねえなこの女神様)」
「聞こえてますからね!? 不敬ですよ、不敬!!」
ぷくっと子供のように頬を膨らませる女神様があんまり可愛かったので、おもわずのそのほっぺたを人差し指でずぼっと突いてしまった
「ぷひゅー……ってなななな何するんですかっ!?」
変な音を出しながらしぼんでいく頬に、女神様は顔を真っ赤にする。
「いえ、あんまり可愛かったもんでつい」
「かわっ……!? あなたには神に対する畏敬の念が足りてません! もっと信心深くなりなさい!」
「いや、この醜態を見せられた後ではいかんともしがたくですね……」
「醜態って言ったー!! 私の事ブスだって言ったー!?」
「そこまでは言ってない!?」
もうやだ、この女神様疲れる。まるでリアを相手にしてるみたいだ……。
「あと細かい制約として、莫大なマナを消費するから周辺のマナが枯渇するのでそれは覚えておいてくださいね」
グスグス言いながらもきちんと教えてくれる女神様。やっぱりいい人なのかもしれない。
「その、マナ? が枯渇するとどうなるんですか?」
「魔法が使えません。一切の魔法力を行使することができなくなります」
んんっ? それって――。
「僕達も、敵も、魔法を使えなくなる?」
「そうですね」
「つまりガチンコ脳筋バトルしかなくなる?」
「そう……ですね」
「それで選ばれたのがリアなんですね」
「そう――って、仮にもパートナーに対しての物言いがいかがなものかと思うんですけど!?」
「いや、どう考えたって彼女に頭脳戦とか無理でしょ」
ちょっとの時間しか話してないが、いわゆる切れるタイプの人間ではない。どっちかというとキレてるタイプの人間だ。
「しかしそうなると僕がとてつもない足手まといですね」
「いえ、あなたには身体能力向上の能力も授けていますので、問題ないと思いますよ」
「えっ?! それって僕に前線にでて戦えってことですか!?」
本気で驚いている僕に、女神様は胡乱げな瞳を向けてきた。
「あなた――仮にも女の子を前線に立たせて自分は後方でまったり待機とか許されると思ってるんですか?」
「うん」
「素直!? でも全然褒められない!!」
「いやぁ、だって自分ただの高校生ですし」
「その辺の加護もちゃんとついてます! なのであんまりにもあんまりな行動を取ったら、神罰が下りますよ?」
「へえ、どんな神罰ですか」
この時、僕はこの女神様を完全に舐めきっていた。しかしそれは今思うと愚の骨頂でしかなかった。
「こうなります――」
女神様の目が冷ややかになっていき、僕の全身が粟立っていく。
「えっ、ちょっ、まっ」
「パニッシュ!!」
ドガンッ!! という爆発音にも似た雷鳴と共に、僕の全身を衝撃が貫いていった。
「あがががががが!!」
すっかり丸焦げになって煙が上がっている僕は、直立した姿勢のまま倒れ込んだ。
「解りましたか、これが神罰です。自分の行動にはくれぐれも気をつけてくださいね!」
にっこりとした極上の笑顔で倒れ込んだ僕を覗き込む女神様の顔を最後に、僕の意識は途絶えた。
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