猫好き高校生と人間になった三匹の美人三姉妹

チャンドラ

3話

「やれやれ、行ったか。それじゃあ、我が輩もやつらの転校の手続きの準備をしないとな。

 猫又は、三人の転校の手続きの準備を始めるのであった。ちなみに、一時間目が始まるまで、もう三十分まえだが、どうしてそんなに簡単に転校の手続きができるのかというと、それは、猫又様だからというしかない。猫又様は、その気になれば、世界だって支配することができるのである。おそらくは。

 そういうわけで、この三姉妹猫たちは、貴正の学校にやってきたのであった。
 貴正たちのクラスの一時間目の授業は、数学であった。数学の授業は、貴正はあんまり好きな授業でなかった。数学の担任の先生は、黒板の書いた問題を生徒に解かせては、正解できないと嫌味をいう、性格のねじ曲がった野郎として有名なやつだったからである。

 先生が教室へと入ってきた。クラスの雰囲気がやつの嫌悪感で充満した。
「それじゃあ、今日は空間ベクトルについてやるからな〜。」
 メガネをかけたインテリ系教師は、意気揚々と授業を始めた。授業終盤に生徒を当てて、問題を解かせた。
「それじゃあ、五十嵐やってみろ。」
 席が前に変わった五十嵐が当てられた。どんまいだ五十嵐。貴正は心の中でそう思った。お前が後ろの席のままであったら、当てられることもなかったのかもしれない。
 五十嵐が、闇雲に問題を解き始める。しかし、結局途中で断念した。

「おいおい、お前こんなのも解けないのか〜? 次の定期テスト赤点濃厚だな〜。」
 嫌味ったらしく、教師が悪態をついてくる。全くもって本当に憎たらしい性格である。某殺人鬼が使スタンドで、爆発させてやりたいと貴正は思った。あれも若干、ネコっぽくて貴正は気に入っていた。まぁ、そのスタンドよりも、某殺人鬼の味方するあの猫の形をした草の方が好きではあるが。

「しょうがないな。誰か、この問題解けるやつおらないか?」
 なんだ、おらないかって。どんな日本語の使い方だ。貴正は心の中でそうツッコミを入れた。きっと、誰も手を挙げなければ、頭の悪そうなやつにあてて、また悪態をつくのだろう。おいおい、ここのクラスのやつらは頭悪いなぁ的なことを言ってくるのだろう。やれやれ、しょうがない。手を挙げて、正解してやるかと貴正がそう思った瞬間、隣の美賀子が手を挙げた。

「お、じゃあそこのお前、頼むわ。」
  美賀子が黒板に向かい、歩き出した。立って歩く姿も美しく、クラスの人を魅了している。まさに、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花であった。クラス中の視線が美賀子へと集まった。

 とても綺麗な文字で、式を展開し問題を解いていく。そして、あっという間に答えまで、導き出した。
「やるな、お前。初めて見る顔だな。転校生か?」
「ええ、そうです。」
 美賀子が問題を解き終わったところで、チャイムがなり、一時間目が終了した。
 難なく二限目、三限目が終わり、四限目の授業に貴正に向かった。四限目は、体育である。体育着に着替えて、体育館へと向かった。

体育館には、他のクラスの生徒が集まっていた。うちの学校では、一クラス当たり二十前後で、一組から六組までの六クラス編成になっている。ちなみに、貴正のクラスは、二組であり、一組と合同に体育をしていた。

 体育館に来ると、何だか体育館が騒がしかった。

 巨乳の一組のある生徒が、男子の視線を集めていた。薄着の半そでの体育着を着ているため、大きな胸が強調されている。貴正も見たことがない生徒である。恐らく、転校生である美香子の姉か妹であろう。
「あ、美香子~。」
 巨乳の転校生が、美香子に走って、近づいていった。タップン、タップンと胸が激しく揺れていた。物凄い揺れである。他の女子生徒では、ここまで激しく揺れることはないだろう。

 おおすげぇ……、めっちゃ揺れてるぞ……という男子の声が所々聞こえてくる。
「磨衣子、クラスはどんな感じだった?」
「ええ、そうね。みんなたくさん話かけてくれて、すぐ打ち解けることができたわ。」
 二人の超絶美少女に注目している。ちなみに美香子も磨衣子ほどではないが、なかなかの胸の持ち主である。
「よし、みんな揃ったな! それじゃあ、体育を始めるぞ。まずは準備運動からだ。」
 体育の準備運動では、ラジオ体操を行い、体をほぐすことから始める。
 胸を反らす運動になると、一層、磨衣子の大きな胸が強調される。磨衣子の近くにいる男子生徒は、ついつい視線が、胸に行っていた。
 体を前後に曲げる運動に入ると、上体を反らしたら、磨衣子の胸が大きすぎて、体育着が、限界まで体操着が引っ張られた。体育教師まで、目のやり場に困っている。
 どうにかして男子にとって、心臓に悪い、ラジオ体操が終わった。
「よーし、それじゃあ、今日はドッチボールするぞ! 一組の男子から二組の女子まで順番に一から四まで番号を言っていけ。」
 ドッジボールの授業は、男女ならびにクラス混合で、チームが組まれる。
「二!」
 貴正の前のものが叫んだ。
「三!」
 続いて、貴正も番号を叫んだ。チーム分けが終わり、『チームスリー』の集まりに向かった。
「貴正くんも三番なんだね! よろしくね。」
 美賀子に話しかけれた。どうやら、同じチームのようだ。
「あら、美賀子の知り合い?」
 巨乳美少女が貴正の近くにやってきた。

「あ、磨衣子。うん、私のクラスの隣の席の二葉貴正くん。」
「そうなの、貴正くん。妹のこと、どうぞよろしくね。」
 貴正は、巨乳美少女に話しかけられて、ドギマギした。どうやら、磨衣子の方が、姉のようである。
「あ、ああ。磨衣子さんも同じチームか?」
「うふふ、磨衣子でいいわよ。それ、私も美賀子と貴正くんと同じチームだからよろしくね。」
 ドッジボールは、チームワンと、チームツーの試合と、反対側のコートで、チームスリーとチームフォーの試合で、行われる。
 貴正、美賀子、磨衣子を含む、七人が内野で、他の三人は外野になった。ジャンプボールを行い、貴正のチームの攻撃から、試合が始まった。

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