私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、11章13話。【誤解を解くには苦労がいる】

 伍長との最後の通信からだいぶ時間がたち、太陽が東の空から登りかけていた。
 ロンメル氏は、発見次第報告するという形で合意し、一時帰宅していった。本来ならば私達も帰宅…する場所はないので王宮住まいなのだが…。
 そして、つい先ほど、捜索隊から連絡が入り、ようやっと伍長が乗っていた航空機の残骸回収が完了したそうだ。
 一応我が国にも海難審判局はあるのでそこ専用の造船所、修理上に残骸を運んでいる。今回の事故が海難審判に入るかは否かと聞かれたら、否と答えるが…。

「ヨシフ君!」
「うぉ!?」

 びっくりした!
 ノックもなしにルーズヴェールがころがり込んでくる。勢いあまって本当に私の前まで転がってきたのだが…。

「ヨシフ君!伍長君が発見されたぞ!」
「そうか……………………………………………………。マジで!」
「今現在、ポ皇自衛警備軍が救助し現在輸送中だそうだ」
「そうか…。体調面の方は大丈夫なのか?」
「ああ、多少の熱と栄養失調はあったそうだが、生きている。今は艦内でぐっすり夢の中だ」

 いや、生きているだけでも良かったけどさ…。最後いう必要性なくね?

「到着は3日後の午後、場所はレ連海軍多国籍軍駐留港だ」
「そうか………………。何か用かね?」

 さっきっから、開きっぱなしの扉から2人の人影が見える。いや、誰かはわかるんだよ。シェルヴェリカさんとアイゼンハワードさんなんだがね。
 一個思ったことは、アイゼンハワードさんの方が年上のはずなのに、シェルヴェリカさんに肩車されているという…。

「いえいえぇ、ごゆっくりどうぞ」
「…。何を言っているのだ?」

 彼女らの目線が何かおかしい。
 時々にやにやして、何かいやらしいものを見ているような…。
 その目線に気が付き、改めて周囲を見渡す。
 私の執務室、私の私物、これまではいい。そして伍長が発見されたことを喜び、先ほどまで転がっており、今私に抱き着いているルーズヴェールが……………。
 …ルーズヴェール、私、抱き着いている…あっ…!

「いやまてぇい!一応言っておくぞ!ルーズヴェールは伍長が見つかったことに喜んで抱き着いている訳であってだね!」
「フフフフ」
「ウフフフフ」
「おい、ルーズヴェール?!貴様も何か言ったらどうだ!?」
「…?」

 くそぉ!だめだ、こりゃ絶対説明に苦労する奴だ!
 私は、ため息とともに、なんとかわかりやすく説明する方法を考えていた。



 予想通りと言ったらいいのだが、二人に説明するのにだいぶ苦労した。おそらく寿命が縮んだ。

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