私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、11章3話。【国会は彼らによってはじまった】

 20XX年10月20日午前11時、開会のベルが国会内を響かせ、上院下院含めた議員全員は両院本会議場に集まっている。
 両院本会議場は、基本的にマスメディアの立ち入りは禁止されているが、この国初の国会とも会って、今日限りは許可をしている。
 さて、ほとんどの議員たちが指定された議席に座っているが、一座席だけ空席の場所があった。もちろんそこに座るのは私である。だが、その私は今自室待機中である。国会開会の際は議員の後に私がその後に国王が入場する仕組みになっているので、絶賛ティータイムである。そんな時間ないけど…
 コンコン

「はい!」
「お時間です。議場へお急ぎください」

 身だしなみをきちんとチェックし、私は廊下へと足を踏み出す。
 パシャパシャパシャ
 廊下に待機中だったのであろうマスコミのカメラのフラッシュがあちらこちらで音を立てる。そんなものか待っている暇なんてこれっぽっちもないので、急ぎ足で議場へと向かう。
 本来なら閣僚などが後ろにいるはずなのだが、まだ内閣すらもできていな状態なので、一人寂しく向かうことになった。
 角を曲がり、大きな扉の前へ立つ。目の前の警備員に軽く挨拶を交わし静かに中へと入っていった。

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