ヨシフおじさん目線、１１章１話。【彼は夢を見る。実に不思議な…】

「ここ…は？」

　見知らぬ空間、あたり一面真っ白で、どこにも地面がない場所に私はいた。何もない、そんな世界に私は浮いたような形で存在していた。

「やぁ、気が付いたかい？」

　私の目の前に誰かがやってきた。誰かはわからない。ただ、高い声が聞こえてきた。もちろん私はいきなりの困惑している。

「…誰だ？」
「あぁ、そうだね。この姿では初めてだね。」

　そういって、厳格に表れた人物は少女であった。白く透き通る髪を持った容姿からして１２歳ほどであろう。どこかで見たことあるような、長い軍服らしき、服を着ていた。そして一番の特徴、虹彩異色症…またの名をオッドアイ、この世界では虹彩異色眼…というそうだが、そんな目をしていた。
　地球との違いとして、国連島の中央総合病院のみで保険適用で手術治療可能、そしてス連製の特殊眼鏡によりオッドアイをカモフラージュできるそうだ。確か１０３代目ス連大天皇帝も特殊眼鏡を使って日本留学してたそうだ…。
　話は戻すが、目の前にいる少女は、右白銀、左金色という、普通ならあり得ない色をしていた、そして、最大級の特徴であり、人間の法則を無視している…その目には右目の白銀に鉄十字と五芒星が、左目に大十字が目の中にあった。それが見えた。

「初めまして、私は―――――だ。」
「―――――？それよりもその名前…」
「―――――…私はス連邦初代大天皇帝神郷妙圓その人だ、あっちは偽名だが、私自身は本人だ。」
「少女だったのか…？」
「いやいや、私は向こうの世界にいた時は確かに男性だったよ。正直言って私はどんな姿にも変えれるのだよ。例えば…」

　少女はそういうと、あっという間に…

「老人か？」
「そうじゃな、次いでいうと声も変わったりするがのう…」
「じゃあなぜ少女の容姿に？」
「だって若いっていいじゃん」

　いつの間にか少女の姿に戻っていた。

「…それで私をなぜこんなところに？」
「ああ、そうだね。警告を言いに来たのだよ。」
「警告…？」
「そう、あまりナチス残党にかかわらない方がいい。」
「それは何故だ？」
「そうだね。そこは君自身が感じればいいよ。ただあまりかかわるなという事だ。」

　私は怪訝な顔をした。いきなり変な空間にやってきて、死んだはずの人と出会って、警告を言われて…訳が分からんよ

「じゃぁそろそろお別れしようか…っ！」

　少女が一瞬絶句したと思いきやいきなり銃を取り出し…
　パーン！
　引き金を引いた。思わず目をつぶり死を覚悟してしまったが、銃弾は頬をかすめるように後ろに飛んで行った。
　ゴス
　鈍い音が真後ろからなったと同時に、

「ぎゃぁぁぁあああああああ！」

　甲高い悲鳴なような気味の悪い音が響いてくる。
　唐突なことに思わず後ろを振り向き、無理向いたことを後悔し、絶句した。
　それは、黒く漆黒な闇に塗られたものだった。怨霊ともとらえられる何かを、目の前の少女は消した。

「ちっ、悪魔めこんな場所までやってきましたか…。それではヨシフさん。ごきげんようまたいつか」

　その声を聞いたのを最後に私の意識は遠のいた。
　そして次に目を覚ましたのは…、自室のベットの上だった。