私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、11章9話。【出張中】

 人はなぜ、高いところを好むのだろうか…。
 私は今、高度1万メートルにいる。別に吹っ飛んだわけでもない、私は飛行機に乗っているのだ。連日国会にいるのも大変なので、視察も兼ねた休息をポルトブルクトフ皇国でとることにした。何故ポ皇なのかは、在レ連ポ皇大使から親書をもらった。皇王からで、『遊びに来ませんか?』というものだったが…。
 正直に言うが、これもあくまで予定であって、本来はヨシフに壊されたドアを買うためなのだがな。

 そして、今に至るが、ちょうど今、ヴィルヘルム大公国本土の上を通過中らしい。ヴィルヘルム大公国は国土ではレ連よりやや広い程度の大きさだが、総面積だと南北アメリカ大陸の大きさだそうだ。なんかね…ツッコむのも疲れてきたよ。

「って、早!もう極東大陸が見えてきたよ。」

 極東大陸では、魔法文学が多く発展しているそうだ。西大陸や中央大陸が科学技術、極東は魔法技術…バランスはいいほうか。
 その最南端にポ皇は位置する。
 極東で唯一、科学文明国だそうだが、そのおかげもあってか2度にわたる神宮帝国の侵略戦争を生き延び、現在の新宮連邦にした国家でもある。
 そんなポ皇だが、ある言い伝えがあるらしく、その言い伝えが、【ポ皇初代公王は地球、日本国出身だった】というものらしい。
 この言い伝えは様々な説が飛び交っているが、ポ皇はこの世界で最も日本に近い国家ともいわれているからなぁ…。
 っと、

『陛下!ロケットエンジンに切り替えますが、よろしいですね』
「えっ?ロケットエンジンっ!」

 私が答える暇もなく、明らかにジェットエンジンでは感じられないほどの揺れとGが私の体を襲う。
 窓からかすかに見える尾翼では、ジェットエンジンから火を噴いているように見えた。というか実際火を噴いていた。
 そしてもの凄い速さで景色が進んでいることがわかった。


 そして、数十分後…
 私は海の上にいた。目の前には乗ってきていた航空機の残骸が散らばっており、航空機も真っ二つに折れていた。

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