私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、11章8話。【憲法はこうして作られる】

「それでは第1回国家最重要会議を始めます。今回の議題はレ連憲法の制定です。」

 ここは王宮…ではなくようやく完成した首相官邸の第1会議室である。この会議室には妙に濃いメンバーが集まっていた。私の他にヨシフ首相、ルーズヴェール軍務卿兼下院議長、チャーチム連民党党首、島城 和博上院議長、アイゼンハワード両院議長の6名に加え、憲法学者2名の計8名が座っていた。
 ヨシフ(ボケ担当)に、ルーズヴェール(まとも)に、チャーチム(職業一部不明)に、島城氏(ご老人)に、アイゼンハワード(少女)に、学者ってどんな構成だよ…!
 ここまで言っておいてなんだが、ここからは国家機密も関わるので、憲法発布(2話ほど後)まで待っていてほしい。
 記者団が入れたのはここまでだしな。


 3時間近くの大議論の末、原文はある程度固まり、次の会議で微調整や最終確認、そして8名全員の署名を行う流れになっていた。
 こんな簡単に憲法が決まっていいのかって?
 大丈夫、原文はある程度決まっていたし、今回はそれらから必要不必要改正ありなしを決めたりしただけだし、不備はこれから改憲していけばいいから。
 ついでだが、どうやらヨシフたちで話があり、自連党(自由連合党)連民党(連合民主党)国共党(国民共栄党)の3党で連立政権を組むことが正式に決定したそうだ。
 まぁそうでもしないと過半数に圧倒的に届いていないし、法律もまともに作れないだろうからな…。私は基本的に政治の世界に表向きは介入しないと宣言したものだから、彼らの会談に入ることはなかった。そう、表向きはな…、だって仲間外れって悲しいやん…。
 それを、会談に入らないか?と誘ってきたヨシフに話すと、

「あ、あほや…」

 って小馬鹿にされた。
 んな失礼な!仲間外れほど悲しいものはないぞ!貴様も体験してみるといいさ、孤独がどんなに恐ろしいかを!
 あぁ、いかんな。ついつい歳のせいか、感情的になってしまう…。自分でも抑えているつもりではあるのだがなぁ…、最後に激怒したのって、ヨシフが120万のドアを壊したときか。
 あいつも私の執務室のドア壊したし、私も奴の執務室のドア壊したろっかな…?そういえば奴はどうやって壊したのだ?
 そのベストアンサーを聞くために、執務室へ帰ろうとしていたヨシフを呼び止めた。

「おい!ヨシフ君や!」
「…?何じゃ?」
「お主、前に壊した私の執務室のドア、あれどうやって壊したのだ?」
「……いや、えぇっと…」

 ヨシフの顔から動揺が見え隠れしている。明らかに汗もかいているようだった。私は怪訝そうな顔をしてされに奴を問い詰めることにした。

「それで…?結構頑丈に作っていたはずのドアをどうやって壊した?」
「………………。伍長、おこるなよ…。」
「それは理由次第だが…。それで?」
「…。パワードグローブ…」
「はぁ?!」

 なんだって?パワード…グローブ?

「パワードグローブだよ!パンチ力を自身の平均の10倍出してくれる!」

 逆切れされた。
 っていうより…

「何でそんなものを?」
「護身用に…」
「誰から!」

 そんなものを作るなんて!なんて奴だ!私のドアはそれによって壊れたのだぞ!

「アイゼンハワードさんからもらった。」

 は?今何と…?

「アイゼンハワードさんからもらった」
「…あぁの!幼女かぁ!」

 やっぱりというか、聞きなれた名前が今回の騒動の真犯人だったので、私はorzの姿勢になった。自然と…
 うわぁ、親戚に壊されて、怒ろうとしたとき、テヘペロー☆ってやられるのが目に見えてる!
 この後、例の真犯人を見つけ出し、説教しようとしたら、テヘペロー☆を予想道理やられ、完全に毒気を抜かれた。


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