閉じる

私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、10章7話選挙3日前(後)【バスは飛行機に酷似して…はいない】

 ……記事を読んでみて私は絶句や驚愕の表情を出しそうになったのだが、寸前でやめて1つツッコませて、もらった。

「なぁ…。ところどころにあるツッコミは何なのかね?」
「………さぁ?」

 知らんのかい!私は渡してきた本人も知らない事実に肝を冷やした。冷えてお腹壊しそう…。
 っていうか、論文長すぎて気が付いたら着陸準備に入っている時だった…、慌ててベルトを締め直し、論文を同行していた科学者に手渡した。もとい返した。
 いいですか、借りパクはだめですよ…私のじっちゃんがそう言っていたので……。私は誰に対して考えているのだ?!自分自身が怖くて変な汗かいてきたよ…

「しっかし…、こんな歴史があったとはな…」

 こんな歴史があったとは…、略歴とはいえこれを書いた親父さん凄いな…
 っていうか、この国の本島…激戦地だったのかよ…!なんか複雑な気分だ…、成仏のために後で何か立てておかねばならんかなぁ?そう私が予算やらそう設置場所やらを考えていると…

『まもなく、着陸します。お忘れ物の無いようにご注意ください』
「「これはバスか?!」」

 機長の衝撃的…でもない普通の発言に私と科学者の声がハモる。
 見事に同じ言葉を言ったものだ…だからと言って運命なんぞ感じたくはないが…。なんか噂によれば絶対運命だったか運命改革たる能力を持った人がいるそうだが…運命が決め付けられるってのは果たしていかがなもんかね?
 そんな馬鹿馬鹿しいことを考えていたらいつの間にか地面のすぐそばだった。
 キ!キュー
 ランディングギアが地面と擦れた音がしたと同時に機内が少々揺れた。それと同時に…
 ゴ、ゴォォォォ!
 と、明らかにレシプロ機のエンジンの稼働音ではない音が機外から轟く。

「な、何だ?」

 何か事故があったのではないか?!そう動揺しそう冷や汗をかいている私に、例の科学者は冷静に…

「ああ、この世界のレシプロ機はすぐに止まれないので、メインエンジンの横に取り付けられていた小型のロケットエンジンの逆噴射によってすぐに止まる仕組みなのですよ…」

 そう返された。
 だが…だがなぁ…、私はゆっくりと進んでいる機内で体を前のめりにし、ちょうど一つ前の席に座っていた科学者に説明に対してツッコミを入れさせてもらった。

「ロケットエンジンで飛行すればよくね?レシプロを使う意味とは…」
「……」

 私の疑問に彼は笑顔で答えた。つまり聞き流した。
 いや、答えになってないぞ…私はこんな人が科学者で大丈夫なのか?と心の底から心配になった。






「私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「SF」の人気作品

コメント

コメントを書く