私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…
ヨシフおじさん目線、10章3話(前)6日前。【初対面の人には親切に】
「何があったのだ…」
ここは、元、空き地だった場所である。元という事からわかる通り、今ここに見事なまでの学校の校舎が出来ていた。しかもこの道は私の選挙事務所に行くときに通るので、最後に見た時には確かに何もなかったのだ…。だが、今見ているのはどうだろう。巨大空き地だったはずの場所に、立派な正門、奥に見える真新しく立派な校舎、木々が生い茂る一本道、
「本当に、なにがあった?」
ここを通った瞬間、思わず二度見してあんぐりと口を開いたままたたずんでいた。それほど私も訳が分からなかったからである。
さらに、この学校名、面白いことに、【アーゼルベルクトフ王立学園】っと、あんにょやろうの名前入りの学校である。恥ずかしくないのかね…伍長や…。
この名前を見た瞬間、私の口から何かを吹き出してしまったものだよ。中身は唾液。
「…………」
「どうかされましたかな?」
正門前で棒立ちのまま見上げている私に杖を突いたこの辺りに住んでいるのであろう、ご老人が私に尋ねかけてきた。年齢は70から80歳ほどであろう、立派に白髪を生やし、緑色のセーターを着ている…失礼だが、いかにも近所のおじさんだった。
「あ…いえ…。失礼ですが、貴方はここら辺にお住まいの方で?」
「そうじゃ……これも何かの縁かもしれん、うちに来ないか?」
「…いえ、ご迷惑じゃぁ…」
「最近の若いもんは遠慮がちじゃなぁ…構わんよ、ささ」
「はぁ、ではお言葉に甘えて」
若いもんってか、私思いっきり50過ぎているおじさんなのですが…そんなこと、初対面のおじいちゃんに言えるはずもなく、静かについていくことにした。
角をいくつか曲がった先、これまたご立派な日本屋敷が見えてきた。もしかしたらこのお人、只者じゃないかもしれん…
老人が先に中へと入り、それに続いて私が入った…瞬間に玄関の扉が自動的に閉まり、さらに鍵のかかる音もする。ほぉ…こんな技術もあるのか…
「ただいま帰ったぞ!」
「はいはい、お帰りなさい…あら?そちらの方は」
廊下の奥から一人の女性が出てきた。年齢からして、老人の奥さんだろうが…
「そこで知り合ってな…息子の面影があって、誘ってきた。香代子や、お茶を出してくれんかね?」
「はいはい。初めまして、妻の香代子です」
「はぁ…いきなりすみませんな」
「いえいえ、ごゆっくり」
そう言い残し、香代子さんは部屋の奥へと戻っていった。
あ…私の自己紹介してないな…まぁ、後ででいいか
「ささ、お前さんも」
いつの間にか玄関から上がっていた老人に連れられ、私は玄関を左に曲がり、掘りごたつというものが部屋へと通された。
「ええっと、自己紹介がまだじゃったな。わしの名前は島城 和博…今はただの老人じゃ」
「ああ、初めまして。ヨーゼヴェネル・シベリア・フシュガヴィリと申します。親しいものからはヨシフと呼ばれていますな。一応この国の首相です」
「ほぉ、首相さんじゃったか…」
「ええ…あの、失礼ですが何故初対面の私なんかを?」
これは私が抱いていた疑問である。さっきの二人の会話からある程度察することは出来るのだが、確信を知りたくてな。
「…島城 武彦…わしらの息子じゃった。だが、30年前だったかな、息子夫婦は孫娘を残して亡くなったのじゃ…ちょうど第2次世界大戦時でな、ス連からヴィルヘルムへ行く護衛艦隊の駆逐艦の砲雷長として息子は…息子の嫁は従軍看護師として乗っていたのだが…国連島650海里付近でツァール公国海軍の潜水艦の攻撃を受けてな…二人して亡くなったそうだ。その一方が届いたのは1週間後じゃったが…」
「そうでしたか…」
衝撃的な内容であった。話の内容もそうだが、第2次世界大戦時の敵にツァール公国があったことにも驚きであった。
後で調べたのだが、第2次世界大戦はス連邦、ヴィルヘルム公国、ポルトブルクトフ皇国などの連合協商国対ツァール公国、アメルバリカー合衆国連邦、ペルシアント王国、カルファベルト神宮帝国の共栄圏側の対立競争だったそうだ。基本的には核をちらつかせて、ガチンコの衝突ではないそうなのだが…まぁ、地球で言うところの東西冷戦状態だろう。
ずっと思っていたのだが、東西冷戦って、第3次世界大戦じゃないのかね…?別の言い方すればそうじゃないかな。(あくまでヨシフの見解です)
「…もう一ついいですか?」
「なんじゃね?」
「私が首相って言ったとき、驚かなかったのですが、もしかして…」
「…あぁ、そうじゃ。ス連邦国会上院議員じゃった…まぁ、表向きはじゃが…」
「表向きは?」
表向きという妙な言葉が老人…和博老人の口から出てくる。
「元老院って知っているか?まぁ、一部からはそう言われているがな…」
「元老院ですか…」
聞いたことは…ないな。うむ
「わしわな、その元老院の上院委員会議長じゃった…」
ここは、元、空き地だった場所である。元という事からわかる通り、今ここに見事なまでの学校の校舎が出来ていた。しかもこの道は私の選挙事務所に行くときに通るので、最後に見た時には確かに何もなかったのだ…。だが、今見ているのはどうだろう。巨大空き地だったはずの場所に、立派な正門、奥に見える真新しく立派な校舎、木々が生い茂る一本道、
「本当に、なにがあった?」
ここを通った瞬間、思わず二度見してあんぐりと口を開いたままたたずんでいた。それほど私も訳が分からなかったからである。
さらに、この学校名、面白いことに、【アーゼルベルクトフ王立学園】っと、あんにょやろうの名前入りの学校である。恥ずかしくないのかね…伍長や…。
この名前を見た瞬間、私の口から何かを吹き出してしまったものだよ。中身は唾液。
「…………」
「どうかされましたかな?」
正門前で棒立ちのまま見上げている私に杖を突いたこの辺りに住んでいるのであろう、ご老人が私に尋ねかけてきた。年齢は70から80歳ほどであろう、立派に白髪を生やし、緑色のセーターを着ている…失礼だが、いかにも近所のおじさんだった。
「あ…いえ…。失礼ですが、貴方はここら辺にお住まいの方で?」
「そうじゃ……これも何かの縁かもしれん、うちに来ないか?」
「…いえ、ご迷惑じゃぁ…」
「最近の若いもんは遠慮がちじゃなぁ…構わんよ、ささ」
「はぁ、ではお言葉に甘えて」
若いもんってか、私思いっきり50過ぎているおじさんなのですが…そんなこと、初対面のおじいちゃんに言えるはずもなく、静かについていくことにした。
角をいくつか曲がった先、これまたご立派な日本屋敷が見えてきた。もしかしたらこのお人、只者じゃないかもしれん…
老人が先に中へと入り、それに続いて私が入った…瞬間に玄関の扉が自動的に閉まり、さらに鍵のかかる音もする。ほぉ…こんな技術もあるのか…
「ただいま帰ったぞ!」
「はいはい、お帰りなさい…あら?そちらの方は」
廊下の奥から一人の女性が出てきた。年齢からして、老人の奥さんだろうが…
「そこで知り合ってな…息子の面影があって、誘ってきた。香代子や、お茶を出してくれんかね?」
「はいはい。初めまして、妻の香代子です」
「はぁ…いきなりすみませんな」
「いえいえ、ごゆっくり」
そう言い残し、香代子さんは部屋の奥へと戻っていった。
あ…私の自己紹介してないな…まぁ、後ででいいか
「ささ、お前さんも」
いつの間にか玄関から上がっていた老人に連れられ、私は玄関を左に曲がり、掘りごたつというものが部屋へと通された。
「ええっと、自己紹介がまだじゃったな。わしの名前は島城 和博…今はただの老人じゃ」
「ああ、初めまして。ヨーゼヴェネル・シベリア・フシュガヴィリと申します。親しいものからはヨシフと呼ばれていますな。一応この国の首相です」
「ほぉ、首相さんじゃったか…」
「ええ…あの、失礼ですが何故初対面の私なんかを?」
これは私が抱いていた疑問である。さっきの二人の会話からある程度察することは出来るのだが、確信を知りたくてな。
「…島城 武彦…わしらの息子じゃった。だが、30年前だったかな、息子夫婦は孫娘を残して亡くなったのじゃ…ちょうど第2次世界大戦時でな、ス連からヴィルヘルムへ行く護衛艦隊の駆逐艦の砲雷長として息子は…息子の嫁は従軍看護師として乗っていたのだが…国連島650海里付近でツァール公国海軍の潜水艦の攻撃を受けてな…二人して亡くなったそうだ。その一方が届いたのは1週間後じゃったが…」
「そうでしたか…」
衝撃的な内容であった。話の内容もそうだが、第2次世界大戦時の敵にツァール公国があったことにも驚きであった。
後で調べたのだが、第2次世界大戦はス連邦、ヴィルヘルム公国、ポルトブルクトフ皇国などの連合協商国対ツァール公国、アメルバリカー合衆国連邦、ペルシアント王国、カルファベルト神宮帝国の共栄圏側の対立競争だったそうだ。基本的には核をちらつかせて、ガチンコの衝突ではないそうなのだが…まぁ、地球で言うところの東西冷戦状態だろう。
ずっと思っていたのだが、東西冷戦って、第3次世界大戦じゃないのかね…?別の言い方すればそうじゃないかな。(あくまでヨシフの見解です)
「…もう一ついいですか?」
「なんじゃね?」
「私が首相って言ったとき、驚かなかったのですが、もしかして…」
「…あぁ、そうじゃ。ス連邦国会上院議員じゃった…まぁ、表向きはじゃが…」
「表向きは?」
表向きという妙な言葉が老人…和博老人の口から出てくる。
「元老院って知っているか?まぁ、一部からはそう言われているがな…」
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