私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、10章6話選挙3日前(中の後)【研究は国家の発展につながる】

「立派だ…」

 研究所を見た率直な感想がこれだった。
 この島、名前をレッドアルスティン島。
 この島には、私、ヨシフ、ルーズヴェール、チャーチムの別荘またの名を自宅に加え、アドレフ一家が住む邸宅そして最後に、研究所があった。
 看板にはこう書いてある、
 レッドアルスティン研究所、と…

「アドレフよ、この研究所はいったい何を研究製造できるのかね?」
「義母さんの話だと、ゲーム機から家電製品、ろ過装置から太陽光発電、そして材料さえあれば軍事兵器や金と資材があれば半永久機関動力エンジン、そして、核兵器も作れるそうだ…」

 私は絶句した。
 つまり、何でもありじゃないか…
っと、入り口から見知った10代の少女がやってくる。

「やあ、来たね」

 可愛い声をしているが、私よりも年上の少女、アイゼンハワード氏が出迎える。
そのまま、中へ入るように促され、入り口を通る。

「ここがメインホールだ。まぁ、こんなところで働く人はいないから、全員アンドロイドだけどね」

 確かに受付にいる女性とかは、人間に見えなくもないが、ところどころ見ればアンドロイドであった。
 しかし、こんな技術…いつの間に…
 受付の人?に軽い挨拶を済ませ、奥のエレベーターホールへと向かう。
エレベーターホールは4つのエレベーターと…

「採掘用?」

 端っこに採掘用エレベーターというものがかかれていた。

「ああ、露天掘り機の採掘用エレベータか」
「何の需要が…?」
「あれ?知らなかったかい。この島の地下に超合金の素材となる物質がこれでもか…というほど大量に埋まっているのだよ」
「そ、そですか」

 だめだ、全くついていけない。
苦笑いを浮かべつつも、第1と書かれたエレベーターへと乗り込む。

『行先ボタンを押してください』

 アナウンスがエレベーターの行先を告げるボタンを押すように促す。
それをアイゼンハワード氏はそのまま地下階のボタンを押す。
すると、エレベーターは、ガクンと揺れそのまま地下へと吸い込まれていった。
 ポーン
 電子音が鳴り扉が開く。そこは薄暗い部屋のようだった。

「ここですか?」
「いや、まだまだ下りるよ。」

 そういい、扉の前で手のひらを感知版らしき鉄の板にかざす。
 すると、今度は郵便ポストほどの横穴が壁から出てきた。

「網膜認証か…」

 その言葉の通り、アイゼンハワード氏は郵便ポストほどの横穴に目をかざした。
 ヴィーン
重厚な鉄扉と思わしき扉がゆっくりと開き、私達は吸い込まれるように中へと入る。
 ガシャーン
最後にアドレフが入ったのを確認し自動的に鉄扉が閉まりロックもかかる。
 ほうほう、内側からは素早く開けることができるのだな…

「ちょっと待ってて」

 アイゼンハワード氏がそう言い残し部屋の片隅で何やらしていた。
っと、
 ポーン
電子音が鳴り奥の壁が観音開きのように開き小さな小部屋が出てきた。
 つまり、エレベーターである。
またまたその中へと入り、今度は地下階のボタンを押した。

 数分後。
 扉の先、そこは先ほどいたような部屋ではなく、明るくそして白いそこそこ大きな部屋だった。
その部屋の奥、コードや電子機器につながれたものがあった。

「これは…?」
「試作アンドロイド/D型、コードネームツェリンシェン…アドレフ、君の奥さんだよ。そして私の娘だ…」
「これが……」

 アイゼンハワード氏の容姿をまんま受け継いだような容姿の女性。
 白銀に輝く髪を膝付近まで伸ばし、白衣にズボンという研究員っぽい服を着、薄緑色の液体の中で眠っているアンドロイド。いや、ほとんど人間だった。

「あの、何で白衣を着てるので?」
「さぁ?私が彼女を作り出したころ、気が付いたら着ていた…」

 なんだそのホラーは…

「ツェリンシェン…本当にツェリンシェンなんですか?」
「ああ、内臓などは負担にならないように人工臓器だけど、魂は彼女のものだ。というより、彼女のDNAをこれの本体に挿入したら、瞬く間に彼女へと早変わりさ…記憶は保証できないけど、知能レベルや運動能力は桁違いだよ。それは保障しよう」

 20代くらいの女性は液体の中でゆらゆらしていた。
ドッカンドッカンだったら怖いわ!
 私は自分でボケ、自分でツッコんだ私に心の中で苦笑いを浮かべた。

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