伍長閣下目線、９章１１話

私達は走った。
角を曲がり、信号を渡り、また角を曲がる、
どのくらい走っただろう、私達は少女二人をおんぶしながら走っていた。一人は私たち以上の歳だが…
だから…はぁ…はぁ

「つ、ついたか？」

目の前に確かに乗ってきたタイムマシンがあった。

「げ！あと、３分で強制送還だった！」

３分か…カップラーメンを作れるな…食べることは出来ないが…
…ボケに対してツッコむ人がいないって悲しいんだ…

「さぁ、急いで！乗って！」

扉が開き私、アイゼンハワード氏、シェリアちゃんが乗り込む、アドレフはその間に銃を収容していた。
アドレフが乗り込んだ時には私たちは全員安全バーを下げている最中だった。

『タイムをセットしました、フェルトワン第１にタイムスリップします。指定時刻現在、場所、ス連邦スウェルハベン郊外、搭乗者４名、強制期間モード始動、』

「…ちょっと待て！ス連邦だって？！」

アドレフ怪訝な顔をしてモニターに向かい転送先の指定を再発行している。
だが、モニターの映っている転送場所は相変わらずス連邦に設定されていた。

「くそ！…………あっ」

キーボードをたたいていたが、腹が立ったらしく思いっきり叩いたら、変なところを押したらしい。
アドレフは冷や汗をかいてこちらを見てきた。

「おい、何をした…」
「……」

目をそらすな、口笛を吹くな！

「いや、その…ARC-29個人携帯用対艦誘導ミサイルの自動連射システムをね…その…ONにしちゃってね…」
「それって…」

私は半分絶句状態になる。

『自動連射システム、ONになりました。目標座標指定なし。発射まで３…２…１…』

カウントダウンと同時に白い煙があたりに立ち込め、ミサイルが上空へと飛んでいるのが確認できる。
そして次の瞬間体が浮く感覚がしたような感じがした瞬間、上空から落下する感覚に襲われた。
そして私の記憶はいったんそこで途切れた。
最後に見た光景は、アドレフもアイゼンハワード氏もシェリアちゃんも気を失っていた…