私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、9章6話

タイムマシンが降り立った先は、ウィーンの郊外、森の中だった。
っと、私は率直に気になったことを聞いてみる。

「これは、このままで大丈夫なのか?」
「ああ、大丈夫。結界を張っておくし、万が一押収されても3日後には強制的に私たちは元の世界…フェルトワンに変えるためにマシンに乗せられている状態さ」

なんか、便利な設定が追加されたような…

「っとそうだそうだ、私はこの世界で指名手配されているから、護身用に」

といって、アドレフはタイムマシンからあるものを取り出す。

「なぁ、それはなんだ?」
「?ARC-29個人携帯用対艦誘導ミサイルだけど何か」
「うん、何かすまんね。アサルトライフルにしてくれ…」

対艦ミサイルを収容したアドレフは、アサルトライフルを取り出し、私の方へと投げてる。
ずっしりと重たい感覚が手にのしかかった。
ふむ、旧式となった7.62㎜NATO弾装填型か…
まぁ、さっきよりかは…まだいいか。

「よしじゃぁ、いくぞ」

銃を持った物騒なおじさん2名が森の中から降りてゆく。
オーストリアの首都、ウィーンは一見普通の街並みだったが、いくつか違う点がある。

・国旗が赤白赤の横模様でない。
・衛兵が異様なほど多い

そして、一番気になっているのは…

「獣人?だと…?」

そう、私の今いる世界にもいた、動物なようで動物ではない生き物、獣人。
その姿があちらこちらに見えた。

「獣人…?なぜこんなところに…?」
「知らないのか?」
「ああ、私が最後にいた時はいなかったぞ…」

アドレフも知らないようで、私の反応にキョトンとしていた。
さて、銃を持ったいい年代のおじさん2人が、顔を見開かせているのは軽くホラーなもので、周りから不審な目で見れれている。

「…おい、そろそろ、案内してくれんか。君の奥さんの実家に…」
「ああ、そうだな」

銃は肩に下げ、私達はまるで兵士なごとく走り去った。


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