私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、9章7話

どのくらいは知っただろうか…
気が付けば、周りの家より少し大きな家にたどり着いた。
いかにも西洋な羊羹で、誰が見ても洋館だった。だけに…ふふふ

「ここか?」
「そうだ」

私はその洋館を見上げながらアドレフに問う
アドレフはというと、ベルを鳴らしていた。

『はーい』

洋館の奥から女性らしき声が聞こえる。
扉が開き私たちは詰め掛けるように中に入る。

「えっ?えっ?」
「すまない、憲兵がいたもので…」

ああ、なるほど、憲兵がいたならしゃぁない。
薄暗い廊下に私とアドレフそして女性がいた。
…女性じゃないな。少女だな。12、3歳の金髪の少女だ…

「久しぶり、シェリア」
「ぁ…もしかしてアドレフおじさん?!」
「そうですよ」

きゃぁ、と言いながら少女はアドレフに抱き着く。

「これ、アドレフ!誰かねその子」
「あぁ、紹介がまだだったな、彼女はシェリア・M・セルヴィネットだ。私の姪にあたる子だ」
「そうか」
「シェリア、こちら…」
「伍長さんだね。おばあちゃんから聞いていたよ」
「「?!」」

顔を合わせて私は驚愕と絶句、アドレフは驚きと苦笑いをしていた。
薄暗い廊下の中で立ち話もあれだな…

「シェリアちゃん。おばあちゃんのところに通してくれんかね」
「うん!いいよ」

元気がいいのは良いことで…
私達はシェリアちゃんの後をついていくことにした。

廊下の奥へ行き、2階に上がり、さらに奥の部屋、木製の扉の前で私たちはいた。

「それじゃぁ、おじさんたち、用が済んだら、1階にいるから声をかけてね」
「わかった。ありがとうね」

笑顔で1階へと降りてゆくシェリア…
 コンコン
ドアをノックし返事を待つ。

『はーい』

中からまたしても少女の声が聞こえてくる…うん?少女?!
私は小声で隣にいたアドレフに問い詰める。

「おい、中にはおばあちゃんがいるんじゃないのか?!」
「そんなはずは…」

どうやら、アドレフの方も今何故少女の声がしたのか、謎だったらしい。
…扉が開き、私達は己の目を疑う。
そこには…

「やぁ、お2人とも久しぶりだね」

白銀褐色の長い髪を持ち、白衣にワイシャツに長ズボンという似合わない格好をした、10歳の少女が出迎えていた。

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