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私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、8章7話

私が今回、ヴェレネシウム要塞に来たのは、国際社会を代表して現地訪問…というのは名ばかりで、実際はフェルトワンと第32異次元世界との講和会議の全権大使として派遣されたのである。

「セルヴィア・アジェネンコフ大将」
「はい?何でしょうか」
「帝国はどうなっているのかね?白旗は…」
「人工衛星、ツァーゲーホルムを打ち上げ、宇宙より観測中ですが、まだ何も反応がありません」
「そうか……」

少々肩を落とし、そのまま中央作戦指揮所へと入っていく。
中には数名の兵士や陸軍から海軍用の軍服を着込んだ将校らしき男たちがいた。

「敬礼!」

軍隊式敬礼をされたので、私も返しておく。
軍隊式といっても普通に手をおでこに水平にするものだが…

「それで、首相、帝国の首都に行かれるんですか?」
「いや、それは私のタイミングにもよる。何もなければ行くし、あれば行けない」
「そうですか…首相。一つお願いが…」

そういわれ、奥の応接室に通される。
セルヴィア・アジェネンコフ大将は奥のエスプレッソマシンからコーヒーを持ってきた。

「それで、なにか?」
「いえ、偵察部隊を組織しようと思っているのですが、各戦線を守備している軍はその戦線で手一杯なので中央を警備している数国家の軍隊を使おうと思っているのですが、数が足りませんくて、」
「つまり、我が国の軍隊を偵察部隊にしたいと?」
「まぁ。そういう事です」
「…うーん。私一人では何とも。国王や軍務卿にも聞いてみない限りは…」
「そうですか」
「すまないね…許可がでれば出兵できるとは思うが…」
「いえいえ、無理をすいません。あの、政治的な話に戻りますが…」

残念ながら、国家機密やら世界的重要度の問題で、これ以上は控えようと思う。  

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