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私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、6章3話

 プルルルル
室内に電話が鳴り響く。
執務室、私はソファーで横になっていた。
疲れがたまっていたのだろう、あっという間に夢の中へと落ち、たった今電話のベルで起こされた。

「ふぁい、もしもし」
『伍長君かね、私だ。』
「む?チャーチムか?」
『そうだ』

電話越しに聞こえてきた声…それはチャーチムの声だった。

「どうした」
『先ほど、核兵器廃絶国際機構の採決が終わった。』
「け、結果は!」
「賛成2、反対22か国で反対となったよ…』
「そ、そうか…」

椅子にへなへなと座り込み、安堵のため息をつく。
反対…か、核兵器を使わなくて済んでよかった…でいいのか?

『私は明日の便で帰国するよ』
「分かった」

電話を切り、私は執務室を後にした。
やってきたのは、王宮職員専用の食堂。
我が国は少し特殊で、新国家という事もあるが、国王(伍長)、首相 (ヨシフ)、臨時大使   (チャーチム)、軍務卿 (ルーズヴェール)全員が王宮に住んでいるという状態である。
理由として、チャーチムとルーズヴェールの自宅が未完成なとこ、首相官邸はまだ内装の製作途中であることなどがあげられる。
余談となるが、人口も徐々に増えてきており、王都を中心に様々な場所で建設ラッシュが起きており、王都ではビルやマンションなどの建設も見え始めた。
空港や港も舗装され、現代風の街並みへと変貌し始めた…最初の森林地帯とはいったい…

「おー伍長君」
「うわ!」

ヨシフが先に座っていたがもう飯を食ったのだろう…だがな、ヨシフよ…
アルコール度数62パーセントの国連製のウォッカを1瓶飲み干すんじゃない!顔まっかっかだぞ!

「ぐふ、ヒック!伍長君も飲むかね、ヒック!」
「いいです。いいです。ノーサンキュー」

ああ、だめだこりゃ…
そんなヨシフを見ながら呆れていると、誰かが呼んだのだろうか、王宮専属看護師数人が駆け付け、べろんべろんに酔っぱらったヨシフを回収していった。
おぉう、政府高官にも容赦ねえな…
そんなことを考えながら私はかつ丼を注文した。

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