私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

伍長閣下目線、4章3話。【彼は彼に疑問を投げかける。危機的状態にも関わらずに…】

「ほお、これはこれは」

 私は目の前のき巨大…でもない駆逐級の軍艦が接岸していた。
 ヴェールヌイ…(Верный)またの名を日本海軍吹雪型22番艦、響の姿だった。
 実際私は響を初めて見たのである。
 だが一方で、念願だったソ連艦を見ることができたヨシフは、周囲にいる監視員をドン引きさせるようなほど嬉しそうな顔をしていた。私はそんな彼らに軽く頭を下げつつ、こんな人が仮にも国家の重職について大丈夫なのかね?そう思った。
 それを思えば思うほど苦笑いを浮かべながら、改めてヨシフってこんな奴だっただろうか?そうとも感じた。

「伍長くん、これがロシア艦だよ。ああ美しい。」
「なぁ、ヨシフよ。なぜそんなにキモ…目を輝かせているのかね」
「伍長くん、君はこの美しさがわからんのかね」

 その言葉を聞いた瞬間、こいつこんなに変人的だっただろうか?と心底思った私がいたのだが忘れてくれ。
 っむ?待てよ…。ヴェールヌイがあるというこは、他にも様々な国の軍艦があるらしい、聞いた限りでは、日、米、英、仏、蘭、独、伊、ソの8カ国の軍船が地球より漂流や漂着してきたらしいが…。
 そう、つまり、ヨシフの故郷であるソ連の軍艦がここにあるということは、私の故郷ドイツ帝国やその後に作られた軍船などがここにあるというわけで…。
 だが今見てみたい気持ちも山々だが、何せ今は第三次世界大戦の勃発危機なのである。
 もちろん、当事国でもあり被害国でもある我が国が中立的立場を取る選択肢があるはずもなく…。
 いまだに目を輝かせ、子供のようにテンションが高く、駆け出していきそうなヨシフを私は羽交い絞めにし、元来た道をたどるような形で、私達は国連安全保障評議会議場まで戻ることにした…。はいが、正直言ってヨシフの奴の暴走が止められず、仕方がないので思う存分見て回ってやることにした。
 私達が、議場についたのは、本来戻るはずの時刻から2時間遅れてでの到着だったが…

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