私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、2章4話。【国家は喫茶店で作られる】

「遅いじゃないか。何をしているのかね」

 入り口から入ってきた伍長に窓際の席に来るようにパイプ煙草をくわえながら促す。この世界の煙草…地球さんよりも体に害となる何だったけか…ニコチンとタールだったけか、どうやらこの二つが一切合切入っていないらしい。裏の成分表にもそう書いてあるしな。

「貴様、どこから出したその煙草」
「ああ、店先で売っとったぞ。120円でな」

 私の言葉を無視した伍長はコーヒーを注文し私の向かい側に腰掛ける。この店はコーヒーがうまいらしい。実際伍長もハマったようだし。
 この席は壁に囲目れてるため事実上の個室となっている。だからどうした、そう内心ツッコんだが誰も聞いてくれないだろう。

「どうかね、何かよさそうな場所は、わしは見つかったよ」
「ほう、そうか。じゃぁ……」

 そういい、ポケットから地図を取り出すと、伍長も全く同じ地図を取り出す。同じすぎて逆に違いが判らないほどであるが。よくよく目を凝らせば製造番号などは違った。当たり前か、同じだったらそれはそれで怖い。それはそれで考えていたら冷や汗が出てきそうだ。

「「なっ」」

 その時私はこう思った、あぁ、こいつもあの図書館に行ってもらってきたんだろう…と。
 結局地図は私の地図を使うことになった。どっちでもいいのだが、私達二人とも頑固でな…

「場所は…まぁ、たぶんお前も同じだろう」
「あぁ、多分な」
「「レッドヴェーレルリン諸島」」

 この場合は息を合わせた、まぁそんなことはどうでもよい。
 伍長も私もやはりレッドヴェーレルリン諸島に指をさしていた。
 そして、伍長との話し合いである程度のことが決まった。たとえば国名や、国旗など…ほかにも様々の事が決まった、というよりある程度であるのだが…。

「ヨシフよ、国連にはどう資料を提出するのかね」

 奴の質問を予期していた私はボケをかましながらすぐさま答える。

「ふふふ、国連がある島までの船が定期で出ていたのだよ、伍長君」

 私はボケ役なのかね。
 そんな私の質問も奴には届かず奴はコーヒーを静かに飲み干した。
 さて、さっき購入したチケットの時間を見る限り、あと20分ほどで出港らしい。そのため急いで会計を済ませ、私たちは店を飛び出した。

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