私達は仲良く異世界に転移されたけど国家建国生活は大変だそうですよ…

11月光志/11月ミツシ

ヨシフおじさん目線、2章2話。【時間はズレるが、同じところに来る】

 相変わらずの広さである。
私は今、数十分前にやってきた図書館へと足を運んだ。
 しかし、相変わらずここは広いな。何度見ても目を白黒してしまうよ。
 お目当てのものがどこにあるかわからんぞ……っと、あったあった。私がいたのは世界地図や地理などがそろっているコーナーだった。

「なるほど、これは興味深い」

 その中から1枚の地図を取り出した。
 そこにはフェルトワンの世界地図が書いてあり驚いたことに、島単位で書かれていた。しかし不思議なことに面積などは一部を除いて書かれていなかったが…
 ほうほう、ペルシアント王国が中央大陸の中央区に位置すると、国連はここなのか。へぇス連がある西方大陸とは陸続きなんだなぁ。
 国の領土ではない島などはイニシャルが入っていないのか。でも…でも…でも…ごめん思いつかなかった。
 私はじっくりと眺めていたが、ある一つの諸島に目を付けた。

「レッドヴェーレルリン諸島か…。どこの国にも属さない理由、全国家の領海にないことと、交通や貿易の面で巨大な利益が少ない事など。国連はこの諸島を新国家建国の領土とし、どの国家の国籍も持っておらず特定の条件を満たした人間や獣人のみ新国家が建国できる………か」

 不思議だ。どこの国の国籍を持っていない人間などこの世界にいるはずがないじゃないか。まるで私たちの事を示しているような…。
 まぁ、気のせいだろう…………………………多分な。本当に多分な…そうだよな…
 おや…?この地図、ご自由にお持ちくださいと書いてあるぞ、そういう事ならもらって行ってやろうじゃぁないか。
 さて、外へ出たのはいいもののまだ時間に余裕がある、どうするかな。

「そいえば、国連がある島まで、どう行けばいいのだ?」

 気になって図書館の受付の人に聞いてみることにした。

「すいません。国連まで行く船などはどこから出るんですかね」
「国連までですか…歩いて数十分の港から行けますよ。正面の道を道のりに進んでいけば看板があると思います」
「そうか、いや、助かりました、ありがとう」

 私は受付にいたお姉さんに軽く礼を述べると言われた通り港まで歩いていくことにした。

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